公開日: 2013/09/05 (掲載号:No.34)
文字サイズ

活力ある会社を作る「社内ルール」の作り方 【第2回】「就業規則を作る時に必要な視点」

筆者: 下田 直人

活力ある会社を作る

「社内ルール」の作り方

【第2回】

「就業規則を作る時に必要な視点」

 

特定社会保険労務士 下田 直人

 

〈就業規則は必要なくなるのか〉

前回は、「権利と義務で統治することの限界」というテーマで、「権利と義務」での統治はどんどん窮屈な会社を作っていくということを述べさせていただいた。

このやり方が進んでいくと

目的達成のために「自分たちがやるべきこと」をやる。

という積極前向きな姿勢ではなく、

決まったことだけやればいい。

(組織にとって好ましくないとわかっていても)決まりがないからやってもかまわない。

という消極的な組織が出来上がってしまう。
そんな社員の集まりでは、スピードが要求される現在に対応できない。

これからの世の中では、「権利と義務」による統治ではなく、「価値観」や「理念」をベースにした企業統治によって、

目的達成のため、自分たちが大切にしているものの実現のために「やるべきことをやる」。

という前向きな組織風土が大切である。

それでは、「権利と義務」が詰まった就業規則は、必要なくなるのであろうか。

私はそのようには考えない。

そこで今回は、就業規則を作成する際に必要な視点について述べてみたい。

 

〈法律的観点から見た就業規則〉

就業規則は、従業員が会社で働く上で必要な労働条件や服務規律等を定めたものである。

労働基準法の観点からみると、常時10人以上の従業員(法的には「労働者」と言っている)を使用する事業場においては、作成し、従業員に周知し、労働基準監督署へ届け出る義務を負っている。

また、その内容についても、必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)や社内にそのようなルールが存在するならば、文書化しなければならない事項(相対的記載事項)というものがあり、規則化しなければならないことが決まっている。

しかし、これは反対から解釈すれば、それだけしか書いてはいけないということではない。
つまり上記の項目さえ具備されていれば、それ以外のことを書いてもかまわないのである。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

活力ある会社を作る

「社内ルール」の作り方

【第2回】

「就業規則を作る時に必要な視点」

 

特定社会保険労務士 下田 直人

 

〈就業規則は必要なくなるのか〉

前回は、「権利と義務で統治することの限界」というテーマで、「権利と義務」での統治はどんどん窮屈な会社を作っていくということを述べさせていただいた。

このやり方が進んでいくと

目的達成のために「自分たちがやるべきこと」をやる。

という積極前向きな姿勢ではなく、

決まったことだけやればいい。

(組織にとって好ましくないとわかっていても)決まりがないからやってもかまわない。

という消極的な組織が出来上がってしまう。
そんな社員の集まりでは、スピードが要求される現在に対応できない。

これからの世の中では、「権利と義務」による統治ではなく、「価値観」や「理念」をベースにした企業統治によって、

目的達成のため、自分たちが大切にしているものの実現のために「やるべきことをやる」。

という前向きな組織風土が大切である。

それでは、「権利と義務」が詰まった就業規則は、必要なくなるのであろうか。

私はそのようには考えない。

そこで今回は、就業規則を作成する際に必要な視点について述べてみたい。

 

〈法律的観点から見た就業規則〉

就業規則は、従業員が会社で働く上で必要な労働条件や服務規律等を定めたものである。

労働基準法の観点からみると、常時10人以上の従業員(法的には「労働者」と言っている)を使用する事業場においては、作成し、従業員に周知し、労働基準監督署へ届け出る義務を負っている。

また、その内容についても、必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)や社内にそのようなルールが存在するならば、文書化しなければならない事項(相対的記載事項)というものがあり、規則化しなければならないことが決まっている。

しかし、これは反対から解釈すれば、それだけしか書いてはいけないということではない。
つまり上記の項目さえ具備されていれば、それ以外のことを書いてもかまわないのである。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

筆者紹介

下田 直人

(しもだ・なおと)

特定社会保険労務士
社会保険労務士事務所エスパシオ代表

2002年に開業し、全国の中小企業を顧問先に持ち、人事労務のアドバイス、就業規則の作成、人事制度の構築などを行っている。
特に、単なる法的なアドバイスに留まらず、人間の心理面にも着目し、組織が活性化する労務管理のあり方を提案することをモットーとしている。
また、経営者のパーソナルコーチとして、定期的なコーチングにより経営ビジョンの明確化、経営計画の達成などにも成果を上げている。
その他に、全国の商工会議所や業界団体などで年間20回程度のセミナーを行っている。

【主な著書】
・『優良企業の人事・労務管理』(PHP)
・『勝ち組企業の就業規則』(PHP)
・『嫌われ上司になっても部下に教えたいルール』(中経出版)
など

関連書籍

新着情報

もっと⾒る

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#