公開日: 2015/11/12 (掲載号:No.144)
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社外取締役の教科書 【第11回】「社外取締役としての法的責任(その3)」

筆者: 栗田 祐太郎

社外取締役教科書

【第11回】

「社外取締役としての法的責任(その3)」

 

クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎

 

前回に引き続き、(社外)取締役の法的責任について、具体的なケースを説明したい。

今回は、「取締役として期待された何らかの活動を、しなかった」という監視・監督義務違反が問題となったケースと、内部統制システムの構築義務違反が問題となったケースの具体例を取り上げたい。

 

1 監視・監督義務違反が問題となったケース -その目的とは?

-事案-

電気製品修理業を営むA株式会社では、Bが代表取締役、C及びDが取締役、Eが監査役に就任していた。

ところが、A社の事業活動は、オーナー株主でもあるBが独断専行して行い、創立総会や株主総会は開かれたことはなく、正式な取締役会も開かれたことはなかった。また、監査役の監査も受けてはいなかった。

そのような状況下で、Bは、事業拡張のための資金を得るため、900万円に及ぶ融通手形を振り出したが、結局、関係者にだまされ、資金を得ることができずにA社は倒産した。

A社に対して手形金支払債権を有しているFらは、Bを始めとした役員ら全員に任務懈怠があったとして、それぞれに対して損害賠償請求訴訟を提起した。

▷主な争点

FらがA社の倒産により手形金の支払いを受けられなかったことについて、当時の役員であったB~Eにはそれぞれ任務懈怠(善管注意義務違反ないし監視・監督義務の違反)があったか。

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【第11回】

「社外取締役としての法的責任(その3)」

 

クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎

 

前回に引き続き、(社外)取締役の法的責任について、具体的なケースを説明したい。

今回は、「取締役として期待された何らかの活動を、しなかった」という監視・監督義務違反が問題となったケースと、内部統制システムの構築義務違反が問題となったケースの具体例を取り上げたい。

 

1 監視・監督義務違反が問題となったケース -その目的とは?

-事案-

電気製品修理業を営むA株式会社では、Bが代表取締役、C及びDが取締役、Eが監査役に就任していた。

ところが、A社の事業活動は、オーナー株主でもあるBが独断専行して行い、創立総会や株主総会は開かれたことはなく、正式な取締役会も開かれたことはなかった。また、監査役の監査も受けてはいなかった。

そのような状況下で、Bは、事業拡張のための資金を得るため、900万円に及ぶ融通手形を振り出したが、結局、関係者にだまされ、資金を得ることができずにA社は倒産した。

A社に対して手形金支払債権を有しているFらは、Bを始めとした役員ら全員に任務懈怠があったとして、それぞれに対して損害賠償請求訴訟を提起した。

▷主な争点

FらがA社の倒産により手形金の支払いを受けられなかったことについて、当時の役員であったB~Eにはそれぞれ任務懈怠(善管注意義務違反ないし監視・監督義務の違反)があったか。

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連載目次

筆者紹介

栗田 祐太郎

(くりた・ゆうたろう)

弁護士
クレド法律事務所 パートナー弁護士(東京弁護士会所属)

複雑に利害が対立する相続・労働・契約紛争につき、これまで数多く取り扱う。示談交渉のほか、調停・審判・民事訴訟等の各種法的手段を効果的に利用しながら依頼者の納得いく解決を目指す姿勢に、感謝の声が寄せられることも多い。(元 駒澤大学法科大学院 非常勤講師(家事紛争法実務)〔在職期間:2013年9月~2019年8月〕)

【主な著書】
税理士が知っておきたい「認知症」と相続・財産管理の実務』(清文社)
平成25年9月改訂 Q&A遺産分割の実務』(共著、清文社)等

 

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