養子縁組を使った相続対策と
法規制・手続のポイント
【第16回】
「孫養子の相続税の節税効果」
弁護士・税理士 米倉 裕樹
[1] はじめに
相続、遺贈、相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含む)及び配偶者以外の人である場合には、その者の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算され、これを相続税額の2割加算という。2割加算は、上記のような場合において、一世代飛び越すことで相続税の課税を1回分減らすことができることから、その税負担を調整するために設けられた制度である。
被相続人の養子は、一親等の法定血族となることから、相続税額の2割加算の対象とはならない。ただし、被相続人の養子となっている被相続人の孫は、代襲相続人となっている場合を除き(被相続続人の子が相続開始前に死亡したときや相続権を失ったためその孫が代襲して相続人となっている場合を除き)、相続税額の2割加算の対象となる。
そこで、被相続人の孫を養子とすることで、何ら対策を行わない場合と比べて節税効果がどの程度得られるのか、被相続人の孫を養子とするのではなく、被相続人の子の配偶者を養子とする場合と比較しつつ、具体的事例及び数字とともに以下検討する。
[2] 何ら対策を行わない場合
当初の被相続人から孫に至るまで相続がなされた場合、当初の被相続人の相続財産がそれぞれ10億円(赤字)、5億円(黒字)、2億円(青字)であった場合の累計相続税額は以下のとおりである。
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