NPO法人 “AtoZ”
【第5回】
「NPO法人会計基準」
税理士 岩田 聡子
1 NPO法人会計基準とは?
NPO法人は、情報公開を行い、それを市民が監視するという趣旨のもと、会計報告を作成しなければならない。
その会計報告を作成するための統一基準が、NPO法人会計基準(以下「会計基準」)である。
会計基準ができるまでは、「特定非営利活動法人の会計の手引き」(平成11年6月旧経済企画庁公表)に基づき、NPO法人が各自工夫して会計報告を作成していたが、提出された会計報告が多様で数字の整合性・比較可能性が取れないものもあり、信頼性に欠けるものが多く見られた。
このため、平成22年7月20日、NPO法人が一般に公開する会計報告書の作成指針であり、NPO法人の活動を市民がチェックしやすいように正確で比較可能な会計報告書を作成するためのルールとして、NPO法人会計基準が公表された。
2 会計の目的(会計基準1)
この基準で定められた目的は以下のとおりであり、社会の信頼に耐えうる会計帳簿を作成するためのものである。
(1) NPO法人の会計報告の質を高め、NPO法人の健全な運営に資すること
(2) 財務の視点から、NPO法人の活動を適正に把握し、NPO法人の継続可能性を示すこと
(3) NPO法人を運営する者が、受託した責任を適切に果たしたか否かを明らかにすること
(4) NPO法人の財務諸表等の信頼性を高め、比較可能にし、理解を容易にすること
(5) NPO法人の財務諸表等の作成責任者に会計の指針を提供すること
3 一般原則(会計基準3、4、5、6、7)
この基準ではNPO法人の会計原則として、①真実性・明瞭性、②適時性・正確性、③継続性、④単一性、⑤重要性が定められている。
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