◆◆◆ 対 談 ◆◆◆
◆◆◆ 対 談 ◆◆◆
管理会計を学ぶ
【第1回】
【発言者】
公認会計士 林 總 氏
公認会計士 秦 美佐子 氏
(対談日:2013年2月18日)
公認会計士を目指す受験生、また企業で会計・経理部門に配属された人にとって、管理会計はつかみどころがなく、難しいと言われる。
林總氏は、この管理会計をわかりやすく解説した書籍を執筆され、数多くのベストセラーを生み出してこられた。
秦美佐子氏もまた、女性会計士が活躍する書籍を執筆され、人気作家の仲間入りをされた。
今回は、会計士として、また作家として活躍されているお二人に、ご自身の経験から、会計の初学者がどのように管理会計を学べばいいかを対談していただいた。
なぜ、管理会計なのか?
秦
林先生は、女子大生がインターンシップで、管理会計を学んでいくというストーリーの『崖っぷち女子大生あおい、チョコレート会社で会計を学ぶ。』(林總・山本宣明著 清文社 2013年2月)を上梓されました。
なぜ、この本をお書きになろうと思ったのですか。先生の従来の本との違いは何ですか。
林
私は会計、特に管理会計を、専門知識から一般知識に落とし込みたいという気持ちがかなり強く、これまでに「餃子屋シリーズ」とか「会計物語、団達也がゆく」といった会計をテーマにした本を書いてきました。かれこれ15冊ぐらい書いた。ただ、私の本をアカデミックの視点から見たらどうなんだ、理論的に正しいのかという読者も、いないわけじゃないんですね。
言うまでもなく、業務システムというのは理論的に正しくないと動きません。私はもちろん、かなり厳密な理論で整合性を組み立てて本を書いていますが、どうしても危惧を持つ人がおられるようです(笑)。
それからもう一つ、実務的な話ばかりしていると、全体を俯瞰できなくなってしまう。要するに、会計理論のどこを使って実務作業をしているのかが分からなくなってしまう。まさに、『木を見て森を見ず』です。
そこで今回は、実務家の私と、それから研究者の山本宣明先生の2人で書いたわけです。
私はもともと管理会計が大好きで、会計士試験では得意科目でした。管理会計は好きになると難しくも何ともない。いい点がすぐとれるんです。ただ、嫌いな人には徹底的に嫌われる科目です。
なぜ嫌いかというと、全体のイメージがつかめない、だから自分は何を学んでいるのか分からない。逆に、好きな人は体系が単純だから、たいしたことはないと思う。
実は、両方とも正しくて両方とも間違っている。
体系そのものは単純であっても、その体系の裏側にある実際の人の動きとか、工場のモノの流れとかを考えていくと実はものすごく奥が深くて、管理会計理論だけでは、おそらく利益管理はできない。理解するには、会社のシステムや業務は当然、会社法もファイナンスも分からないといけない。総合力が必要なのです。
私は、この総合力というものを、何らかの形で、やさしく、ハードルを下げて伝えたかった。
「総合力」を難しく考えてしまい、そこに引っ掛かるとなかなか先に進めないところがあって、特に受験生や管理会計の実務に携わっている人にとって価値ある本にしようと思ったのです。
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