件すべての結果を表示
所得税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

提出前に確認したい「国外財産調書制度」のポイントQ&A 【第6回】「調書の記載事項と注意点」

提出前に確認したい 「国外財産調書制度」のポイントQ&A 【第6回】 (最終回)  「調書の記載事項と注意点」   公認会計士・税理士 前原 啓二   Q 国外財産調書(調書施規12⑥、別表第二)と国外財産調書合計表(調書通5-14、表1)の両方を所定の様式に記載して提出することとされていますが、このうち、国外財産調書はどのように記載するのですか。 A 国外財産調書には、国外財産を、(一)土地、(二)建物、(三)山林、(四)現金、(五)預貯金、(六)有価証券、(七)貸付金、(八)未収入金、(九)書画骨とう及び美術工芸品、(十)貴金属類、(十一)(四)、(九)及び(十)に掲げる財産以外の動産、(十二)その他の財産の区分に分け、それぞれの区分ごとにa.「種類別」、b.「用途別」及びc.「所在別」の「価額」及び「数量」等を記載する。用途別は、一般用及び事業用の別とする。 要約すると次のとおりである。 〈調書施規12①、別表第一〉 (一)土地 (二)建物 (三)山林 (四)現金 (五)預貯金 (六)有価証券 (七)貸付金 (八)未収入金(受取手形を含む。) (九)書画骨とう及び美術工芸品 (十)貴金属類 (十一)(四)、(九)及び(十)に掲げる財産以外の動産 (十二)その他の財産 〈様式見本〉 【国外財産調書】 ※画像をクリックすると、国税庁ホームページに移動します。 【国外財産調書合計表】 ※画像をクリックすると、国税庁ホームページに移動します。 (国税庁ホームページより) (連載了)
#56(掲載号)
#前原 啓二
2014/02/13
相続税・贈与税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第15回】 「死亡保険金・死亡退職金」

〔しっかり身に付けたい!〕 はじめての相続税申告業務 【第15回】 「死亡保険金・死亡退職金」   税理士法人ネクスト 公認会計士・税理士 根岸 二良   今回は、死亡保険金及び死亡退職金について考えることとする。 被相続人が受取人になっている死亡保険金及び死亡退職金は、基本的には、法律上相続財産には該当しない。したがって、法律上の相続財産には該当しないが、相続税の計算上は、みなし相続財産として、相続税の対象に含まれることとされている(相続税法3)。 このように、死亡保険金及び死亡退職金はともに相続税の対象となるのであるが、一定の金額までは相続税が非課税となることとされている(相続税法12)。 具体的には、以下の金額までは、相続税がかからないとされている(*1)。   〔死亡退職金〕 被相続人が企業オーナーでない場合には、基本的には死亡退職金を受領することはほとんどないと考えられる(企業オーナーでなく、会社員で死亡保険金を受領するケースの例としては、不慮の事故・病気などで若い年齢で他界した場合に、死亡保険金を受領するケースがある)(*3)。 ただし、個人事業主(一定規模以上の不動産賃貸事業者も含む)の場合に、小規模企業共済に加入しているケースがあり、共済契約者が他界した場合に支払われる共済金は、死亡退職金として、相続税の対象になるので留意が必要である。 小規模企業共済に加入しているか否かは、被相続人の過去の所得税確定申告書を確認し、小規模企業共済等掛金控除があるか否かをチェックすれば、基本的にはわかる(所得控除を失念している可能性もゼロではないので、預金通帳のチェックを行う際に、小規模企業共済への掛金支払がないか、同時にチェックを行う必要がある)。   〔死亡保険金〕 生命保険会社から支給されるものでも、死亡保険金に含まれるものと含まれないものがある。他界前の、入院日数に応じて支給される金額、手術に対して支給される金額などは、死亡によって支払われるものではないので、(他界時に未払いとなっていても)死亡退職金には含まれない(相続税基本通達3-7、これらのうち他界時に未払いのものは未収金として相続財産に含まれることになる)。死亡保険金は、あくまで死亡したことによって支払われるものに限定される。 ただし、保険契約に基づき分配を受ける剰余金、割戻しを受ける割戻金及び払戻しを受ける前納保険料の額で、保険契約に基づき保険金とともに保険契約に係る保険金受取人が取得するものは、死亡保険金に含むこととされている。 死亡保険金については、基本的には、相続後、相続人が受け取っていることが多いため、相続人に確認すれば、把握できると考えられる。ただし、何らかの事情で把握漏れとなる可能性もあり得るので、被相続人の所得税確定申告書(給与所得の源泉徴収票)の生命保険料控除の有無、預金通帳のチェックを行う際に、生命保険料の支払いの有無、支払先の生命保険会社名を、確認する必要がある。 (了)
#56(掲載号)
#根岸 二良
2014/02/13
所得税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

居住用財産の譲渡所得3,000万円特別控除[一問一答] 【第18問】「転勤により空家とした後も継続して管理している場合」-居住用財産の範囲-

居住用財産の譲渡所得 3,000万円特別控除 [一問一答] 【第18問】 「転勤により空家とした後も継続して管理している場合」 -居住用財産の範囲-   税理士 大久保 昭佳   Q 会社員Xは、東京都杉並区にある家屋に居住し、新宿区の本社に通勤していましたが、5年前に神奈川県小田原市の営業所へ転勤となったことから、同市の社宅に家族と共に転居し、そこから営業所に通勤していました。 営業所勤務は2年間ほどで終わり本社へ戻るものと考えていたため、家財道具類も最少限度の移転にとどめ、戸締りはしたものの、月に一度はその杉並区の家屋に帰り、清掃等を行うほか寝泊りをすることもあり、他人に貸すということはしませんでした。 結局のところ営業所勤務が長くなったことなどから、小田原に新居を構えることとし、杉並区の家屋は売却しました。 この場合、「3,000万円特別控除(措法35)」の特例を受けることができるでしょうか? A 「3,000万円特別控除」の特例の適用を受けることはできない。 〈解説〉 居住の用に供さなくなった後も将来一定の時期に使用することを予定して、それ相応の事実支配、管理を行ったとしても、居住の用に供している家屋には該当しない。 したがって、居住の用に供さなくなった家屋を法定期限内(その居住の用に供されなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日まで)に譲渡していないことから、「特例」の適用を受けることはできないこととなる(措法35①)。 (了)
#56(掲載号)
#大久保 昭佳
2014/02/13
法人税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

貸倒損失における税務上の取扱い 【第11回】「子会社支援のための無償取引⑦」

貸倒損失における税務上の取扱い 【第11回】 「子会社支援のための無償取引⑦」   公認会計士 佐藤 信祐   第6回目から第10回目までは、無利息貸付け、低利貸付けに係る法人税法上の取扱いについて解説を行った。 第11回目以降においては、所得税法の判例である「平和事件」について分析し、法人税法と所得税法における無利息貸付けの考え方の違いを明らかにすることにより、法人税法第22条の収益認識、同法37条の寄附金についての考え方について考察する予定である。   6 平和事件 (1) 第1審・東京地裁平成9年4月25日判決(訟月44巻11号1952頁、判時1625号23頁、税資223号500頁) ① 判決の概要 第1審においては、所得税法第157条に規定する同族会社等の行為計算の否認を適用し、無利息貸付けによる利息相当分の雑所得を認定することについて、違法性がないものとして原告の請求を棄却した。 本判決は、法人税法第22条に相当する条文がないことや、所得税法第36条に規定する「収入」の意義が法人税法に規定する「収益」の意義と異なることから、同族会社等の行為計算の否認を適用せざるを得なかったという意味で、法人税法と所得税法の違いを感じる事件である。 なお、本事件においては、原告に訴えの利益があるか否か、国税不服審判所の手続きの瑕疵、所得税法第64条を適用又は類推適用する余地があるか否かなども争点となっているが、本稿においては、無利息貸付けに伴って認定利息を計上すべきか否かという点に限って解説を行うこととする。 ② 被告側(桐生税務署長)の主張 ③ 原告側(納税者)の主張 ④ 裁判所の判断 ⑤ 総括 このように、第1審判決では、被告の主張を全面的に認め、原告の主張は棄却された。 現在の実務においては、オーナーから同族会社に対して、無利息貸付けを行うということは頻繁に行われており、それほど大きな問題になることが少ないことを考えると、本事件は、かなり特殊な事案であると考えられる。 また、法人と異なり、経済合理性のみで行動するわけではない自然人において、このように厳しい対応がなされたという点は違和感が残るところである。それでもなお、法人税法における無利息貸付けとは異なる理屈で判決が行われているという点は注目に値する判決である。 次回以降では、控訴審判決、最高裁判決について触れたうえで、さらなる詳細な分析を行い、法人税法との違いについて明らかにする予定である。 (了)
#56(掲載号)
#佐藤 信祐
2014/02/13
法人税 税務 税務・会計 解説 解説一覧

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載52〕 外国子会社合算税制に係る外国税額控除制度における無税国に所在する特定外国子会社等に係る益金算入額の取扱い

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載52〕 外国子会社合算税制に係る外国税額控除制度における 無税国に所在する特定外国子会社等に係る益金算入額の取扱い   税理士 郭 曙光   特定外国子会社等がその所得に対して外国法人税を課さない国又は地域(以下、「無税国」という)に所在する場合には、外国子会社合算税制に係る外国税額控除限度額の計算における特定外国子会社等に係る益金算入額の取扱いは、その特定外国子会社の本店所在地国以外の国で課税されるか否かによって異なる。   1 無税国に所在する特定外国子会社等に係る益金算入額の取扱い 内国法人が外国子会社合算税制の適用を受ける場合には、その内国法人に係る特定外国子会社等の所得に対して我が国で課税が行われるとともに、その特定外国子会社等の所在地国においても課税が行われ、同一の所得に対して二重に課税が行われることとなる。 このような二重課税を排除するために、外国子会社合算税制の適用を受けた場合にも、外国税額控除を受けることができるように措置されている(図表1参照)。 この外国子会社合算税制に係る外国税額控除制度においては、特定外国子会社等の所得に対して課される外国法人税の額のうち、内国法人の収益の額とみなして日本で合算課税される所得に対応する部分の金額をその内国法人が納付する「控除対象外国法人税の額」とみなして、外国税額控除制度(法法69)の規定を適用することとされている(措法66の7①)。 【図表1】 特定外国子会社等に係る二重課税及び排除 平成25年度税制改正前は、内国法人の所得の金額の計算上益金の額に算入された金額(益金算入額)は、外国税額控除制度における控除限度額の計算基礎である「国外所得」に含まれるが、無税国に本店等を有する特定外国子会社等に係る益金算入額は、「国外所得」に含まれないこととされていた(旧措令39の18⑨)。 しかし、特定外国子会社等の所得に対してその本店所在地国以外の国で課税されるものがある場合においても、その無税国に所在する特定外国子会社等に係る益金算入額を国外所得から除外するということになると、外国税額控除限度額が算出されず、二重課税が生ずることとなる。 このため、二重課税の排除を適切に行い、「非課税国外所得」の取扱いとの差異(注)を解消するという観点から、平成25年度税制改正において、この無税国に所在する特定外国子会社等に係る益金算入額の取扱いについて見直しが行われた。 すなわち、特定外国子会社等の所得に対して、その特定外国子会社の所在地国以外の国で課税される外国法人税の額がある場合は、無税国に所在する特定外国子会社等に係る益金算入額であっても、その全額を国外所得金額に含めることとされた(措令39の18⑨括弧書き(図表2参照))。 【図表2】 無税国に所在する特定外国子会社等に係る益金算入額の取扱い これにより、特定外国子会社等が無税国に所在していても、その所得のうちその本店所在地国以外の国で課税されるものがある場合には、その無税国に所在する特定外国子会社等に係る益金算入額の全額を国外所得金額として外国税額控除限度額を計算することになり、二重課税の排除が可能となった。   2 処理例 外国子会社合算税制に係る外国税額控除制度における「控除できる外国税額」及び「国外所得金額」の計算は、次の図表3のとおりである。 平成25年度税制改正により、本店所在地国以外の国で課税される外国法人税の額がある場合の無税国に所在する特定外国子会社等に係る益金算入額の全額が国外所得金額とされたわけだが、この改正は、国外所得金額と外国税額控除限度額の計算にどのような影響を与えたかについて、改めて計算例で比較してみよう。 図表4で分かるように、平成25年度税制改正前においては、特定外国子会社等の所得のうちに第三国で課税されたもの(50)があるにもかかわらず、無税国に所在する特定国子会社等に係る益金算入額の全額(150)が国外所得金額に含まれず、外国税額控除限度額が零となって二重課税(15)が生ずることとなっていた。 平成25年度税制改正後は、無税国に所在する特定外国子会社に係る益金算入額の全額(150)が国外所得金額とされるため、外国税額控除限度額が算出されて二重課税が排除できることとなる。 【図表4】 比較計算例 (注) 財務省の平成25年度改正関係参考資料(国際課税関係)の図を参考にして作成。 ところで、この改正は、第三国で課税された所得(50)のみならず、二重課税が生じていない無税国である本店所在地国で得た所得(100)までを国外所得金額に含めることとなる。 外国税額控除限度額については、我が国は一括限度方式を採用しているため、この非課税とされる国外所得(100)によって作られる控除枠が高率の外国法人税額の控除枠として流用されるという彼此流用の問題が生ずることとなる。 平成25年度税制改正の解説においては、この控除枠の彼此流用問題に関して何も触れていないが、二重課税の排除を優先した結果ではないかと推測される。 (了)
#56(掲載号)
#郭 曙光
2014/02/13
会計 税務・会計 解説 解説一覧

日本の会計について思う 【第2回】「日本にも国家会計戦略を」

日本の会計について思う 【第2回】 「日本にも国家会計戦略を」   関西学院大学教授 平松 一夫   シンガポールの会計戦略 私は2010年11月、シンガポールが戦略的に開催した一連の会計関連の国際会議に出席する機会を得た。そのうちの一つとして開催されたシンガポール公認会計士協会の大会は、いま評判の巨大複合コンプレックス、マリナ・ベイ・サンズでの開催であった。 この会議にはシンガポールの会計士だけでなく外国からの招待客も多く参加していた。また、シンガポール国内からは政界、経済界、学界を含む各界から多くの参加者があった。 ここで驚いたのは、2020年までにシンガポールをアジア太平洋における会計ハブにすることが高らかに宣言されたことである。 シンガポールでは会計に関する検討結果を82ページからなる報告書として取りまとめ、2010年4月に公表している。この報告書の戦略的勧告に基づき、2010年8月に、会計士、職業会計士団体、学界からなるシンガポール会計評議会が設置された。 この評議会は、シンガポール公認会計士のブランド強化のために大学卒業後の資格プログラムを開発すること、企業評価・内部監査・リスク管理と税・CFO協会といった領域でセンター・オブ・エクセレンスを開発すること、会計サービス研究センターを開設すること、会計部門開発基金を設けること、専門的会計サービスに対する指導的中心地としての地位を高めること、シンガポール公認会計士協会を国際的な会員や地位をもつ組織に転換すること、などを目指している。 このように、シンガポールでは会計について極めて意欲的な戦略的取組みがなされている。しかもそれは机上の空論とは思えない。国際社会でシンガポールがこれまでに築いてきた地位に加えて、シンガポールの多くの人々は英語と中国語を自由に話すことができる。現在においてこれはかなりの強みである。   韓国・中国の会計戦略 韓国は「2020年韓国の会計先進化のビジョンと戦略」を公表し、国レベルで教育を含む会計改革に取り組んでいる。 すなわち、韓国では学会、会計士業界、規制当局が会計発展フォーラムを設け、IFRS教育プログラムを開発し、世界で十位以内の会計透明性を達成し、会計教育の新しいパラダイムを構築しようとしている。そこではコミュニケーションスキルと経営についての理解力を強調し、IFRS環境下で会計専門家を教育することを目指している。 注目されるのは、会計に関わるすべての機関が力を合わせて戦略を策定していることである。 中国の会計戦略も注目に値する。中国では2010年3月、財政部が会計業界における中長期人材養成計画を樹立した。その中で2020年までに下記を達成するという極めて意欲的な数値目標を示している。 (なお、中国の会計戦略についてのここでの記述は、2011年9月に熊本学園大学で開催された日本会計教育学会第3回全国大会林慶雲氏の報告「中国における会計教育の現状について」に基づいている)   求められるわが国の国家会計戦略 ひるがえってわが国はどうか。わが国では会計基準をめぐる方針でさえ、最近では2年に1度、目まぐるしく変わっており、国家会計戦略といえるものは存在しない。 私としては、グローバルに活躍でき人材を育成するには、会計に限ってもその制度を国際的に競争力のあるものにするような抜本的な改革が必要であると考える。 この際、省庁の垣根を越える組織(国家会計戦略本部)を総理大臣直轄の戦略部門として設置し、官庁だけでなく、産業界、会計士界・税理士界、学界その他の関係者が参画して長期的視点から国家会計戦略を樹立することを提案したい。 そして、そこで打ち出された大方針に基づき、金融庁、法務省、経済産業省、国税庁など関係省庁が齟齬をきたさない制度設計を図るのである。もちろん、会計基準の設定は企業会計基準委員会が一括してこれにあたるのがよい。産業界、会計士業界、大学等は、国家会計戦略本部の推奨に基づいて目標の明確な会計人材の育成に取り組むことになる。 日本が会計において諸外国からも尊敬される国になるには、こうした取組みが欠かせないと考えるのである。 (了)
#56(掲載号)
#平松 一夫
2014/02/13
会計 税務・会計 解説 解説一覧 財務会計 過年度遡及修正

過年度遡及会計基準の気になる実務Q&A 【第2回】「決算期の変更」

過年度遡及会計基準の気になる実務Q&A 【第2回】 「決算期の変更」   公認会計士 阿部 光成   《解 説》 「比較情報の取扱いに関する研究報告(中間報告)」(以下「研究報告14号」という)に基づいて解説を行う。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅰ 決算期の変更は会計方針の変更か 「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(企業会計基準第24号。以下「過年度遡及会計基準」という)が公表され、会計方針の変更に関する取扱いが規定されている。 過年度遡及会計基準では、会計方針の変更を行う場合、原則として、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用することを規定している(過年度遡及会計基準6項)。 このため、決算期の変更が会計方針の変更として取り扱われるとした場合、過去の期間のすべてに遡及適用することになってしまう。 研究報告14号の「5.連結子会社の事業年度等の変更」では次のように述べており、決算期の変更は会計方針の変更に該当しないことから、決算期の変更が行われた場合でも、過去の期間に遡及適用する必要はない(Q5、Q6A(2))。   Ⅱ 決算日の変更に伴う会計処理 1 決算日の統一のタイミング 決算日の変更については、親会社の決算日変更と子会社の決算日変更がある。 前述のように、決算日の変更は会計方針の変更に該当しないが、四半期報告制度や次年度以降の比較情報の有用性等を考慮すると、会計方針の変更の取扱いに準じて、親会社の第1四半期決算から四半期連結決算日の統一を行うことが適当と考えられる(Q6A(1))。 Q6のA(1)なお書きでは「なお、いわゆる第4四半期において決算日の統一を行うやむを得ない場合もあると考えられる。」と述べられている。 どのような場合が「やむを得ない場合」に該当するかはケースバイケースと考えられるが、研究報告では「実施した会計処理の概要のほか、その理由も記載することが適当と考えられる。」と述べられているので、第1四半期から決算日を統一できず、いわゆる第4四半期から統一せざるを得ない理由について、財務諸表の利用者に対して合理的な説明ができるものである必要があると考えられる。 2 子会社の決算日の変更 子会社の決算日を変更し、15ヶ月の事業年度(X1年1月からX2年3月まで)として決算を行う場合、親会社の事業年度に係る期間(月数)は12ヶ月となり、決算日変更後の子会社の事業年度に係る期間(月数)は15ヶ月となる。 この場合、子会社のX1年1月からX1年3月までの損益については、利益剰余金で調整する方法と損益計算書を通して調整する方法の2つがある。なお、研究報告では親会社の決算日の変更についても取り扱っている。 研究報告は、利益剰余金で調整する方法と損益計算書を通して調整する方法を並列して記載している。 しかしながら、上記の例を前提にすると、X1年4月1日からX1年6月30日までの3ヶ月に係る親会社の業績と、同期間に係る子会社の業績を基礎にして四半期連結財務諸表を作成するほうが、親会社と子会社のいずれも3ヶ月間の業績が基礎になることから、第1四半期に関する業績を開示するという趣旨に照らして、利益剰余金で調整する方法がより適切と考えられる。 損益計算書を通して調整する方法では、X1年4月1日からX1年6月30日までの3ヶ月に係る親会社の業績と、X1年1月1日からX1年6月30日までの6ヶ月の子会社の業績を基礎にして四半期連結財務諸表を作成することになり、一時的に、第1四半期に関する業績のなかに、子会社の6ヶ月間の業績を含めて開示することになってしまう。 前述のように、研究報告は2つの方法を並列して取り扱っているが、所要の注記により、それぞれについて会計処理などの内容を説明することに注意が必要である。 (了)
#56(掲載号)
#阿部 光成
2014/02/13
会計 税務・会計 管理会計 解説 解説一覧

林總の管理会計[超]入門講座 【第20回】「原価計算の具体例(その1)」

林總の 管理会計[超]入門講座 【第20回】 「原価計算の具体例(その1)」   公認会計士 林 總   ケーキ屋の原価計算   活動別に時間を集計するABC (了)
#56(掲載号)
#林 總
2014/02/13
会計 税効果会計 税務・会計 解説 解説一覧 財務会計

経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第33回】税効果会計②「税効果会計の方法」─資産負債法と繰延法について

経理担当者のための ベーシック会計Q&A 【第33回】 税効果会計② 「税効果会計の方法」 ─資産負債法と繰延法について   仰星監査法人 公認会計士 菅野 進   〈事例による解説〉 〈会計処理〉 X1年3月31日(決算日) (*1) 棚卸資産評価損30×40%=12 (*2) (投資有価証券の時価150-簿価100)×40%=20 〈会計処理の解説〉 前回の解説では、企業会計と税務の相違は会計上の収益又は費用と税務上の益金又は損金の期間帰属の相違に着目して解説しましたが、厳密にいうと税効果会計は、企業会計上の資産又は負債と税務上の資産又は負債の相違に対して適用します。 税効果会計の方法には「繰延法」と「資産負債法」とがあります。 上記の会計処理は「資産負債法」を採用していることによります。 「繰延法」とは、企業会計上の収益又は費用の金額と税務上の益金又は損金の額に相違がある場合、その相違項目のうち、損益の期間帰属に基づく差異(期間差異)について税効果会計を適用する方法です。 一方、「資産負債法」とは、企業会計上の資産又は負債の金額と税務上の資産又は負債の金額との間に差異があり、会計上の資産又は負債が将来回収又は決済されるなどによりこの差異が解消される時に、税金を減額又は増額させる効果がある場合に税効果会計を適用する方法です。 棚卸資産評価損30について繰延法と資産負債法で比較すると、企業会計と税務の差異の捉え方は異なりますが、差異の金額は同じです(図1)。 〈図1〉   しかし、ご質問のその他有価証券評価差額金50について繰延法と資産負債法で比較すると、資産負債法の場合には差異50が生じますが、繰延法の場合には生じません(図2)。 〈図2〉   このように繰延法と資産負債法では、企業会計と税務の差異の捉え方が異なっています。税効果会計は「資産負債法」により、企業会計と税務との差異を捉えることとなります。 なお、繰延法で捉える差異を「期間差異」といい、資産負債法で捉える差異を「一時差異」といいます。 それでは、税効果会計における一時差異にはどのようなものがあるのでしょうか。 次回は「税効果会計における一時差異 ~一時差異の類型」について解説します。 (了)
#56(掲載号)
#菅野 進
2014/02/13
労務 労務・法務・経営

人的側面から見た「事業承継」のポイント 【第2回】「事業承継対策に立ちはだかる問題」

人的側面から見た「事業承継」のポイント 【第2回】 「事業承継対策に立ちはだかる問題」   社会保険労務士法人スマイング 代表社員 特定社会保険労務士 成澤 紀美   1 はじめに 日本の中小企業にとって、今や大きな問題となっているのが、事業承継問題である。 例えば、中小企業庁が実施したアンケート結果によると、事業を後継者に承継させるに当たって、何らかの障害があると認識している経営者は、全体で4割強に上っている。 後継者の確保をはじめとする事業承継の問題が、多くの中小企業経営者にとっての悩みの種となっていることがお分かりいただけるだろう。 その背景には、中小企業経営者の平均年齢の上昇がある。 我が国全体の平均年齢が高齢化している中、経営者の平均年齢も60歳に手が届きつつあるにもかかわらず、多くの企業経営者が、後継者を見つけ、又は育てるのに苦労しているというのが現状であろう。   2 中小企業の多くは「同族会社」であるという実態 日本では、中小企業のほとんどが同族会社であるとされている。 多数の中小企業における「所有と経営の一致」は、事業承継問題の結論を決める根本的なポイントであり、現実にも、同族会社の後継者が、創業者一族と無関係に決まるケースは多くはない。 その理由として、 こと等が挙げられる。 このような企業と家業が密接にリンクしている企業体では、株式が同族の中で保持されており、所有と経営が一致しているのが通常である。 したがって、経営者の存命中は、資本政策上の問題はほとんどないが、経営者が死去し、相続が発生する際に問題が顕在化するケースがある。 というのも、後継者としての地位は親族のうちの一人の者に専属させることができたとしても、後継者に相続・移転させる株式については、均分相続や遺留分などの他の相続人が有する民法上の権利により、相当程度の制約を受け、分散させざるを得ない場合が出てくるからである。 会社の資本政策としては、後継者の目から見て、誰に株式をどのくらい持たせるのか、最大の株主が死去した後の方策を検討すべきところ、多くの場合にはこの親族内の相続によって大きな制約を受けざるを得ない。 決定権者であり、仲裁者でもある先代経営者の死と、親族内での株式分散という事態が加わり、経営方針等に端を発した親族内での争いが激化するというようなケースは、珍しいことではないのである。   3 積極的に取り組む「きっかけ」や「動機」が欠けている 事業承継問題がこれだけ大きな問題であるにもかかわらず、多くの中小企業では、事業承継に向けた計画的準備がなされていないというのもまた事実である。 例えば、東京商工リサーチの事業承継に係る事前の取組みに関する調査結果において、「特別なことはしなかった」とする回答の割合が全体の3割強を占めており、中には、事業承継に関する特段の問題が存在しなかったために対策をとらなかったという恵まれたケースもある。 これらの背景には、少なくとも自分(現経営者)が元気なうちには発生しないという事業承継問題の特殊性があると考えられる。 目の前に発生している問題であればともかく、将来に発生する「可能性のある」問題に対して、対策を講ずることというのは、如何なる組織、如何なる個人であろうとも、前向きになりにくいものである。 自分が困る問題ではなく、残された家族・会社が困る問題だから、対策をとらないなどと考える人は少ないだろうが、やはり目の前にある今日の問題をこなしていくことに精一杯となれば、遠い将来の話と思われがちで、かつ、目に見えた利益を即座に生むわけでもないこの問題については、対処が後回しになってしまうのも、当然かもしれない。 中には、会社内及び家庭内での影響力の低下を嫌って、事業承継の方針及びこれに伴う家庭内の財産分配の方針の策定を、できるだけ先延ばしにしようとするケースもあるようで、どの側面から見ても、現経営者が事業承継問題に積極的に取り組むだけのきっかけや動機が欠如していると考えるしかないようである。   4 周りから言い出しにくい 現経営者が自発的に取り組むということが難しい以上に、周囲からその取組みを促すことを期待しにくいことが、より問題を難しくしている。 前述のような同族会社であれば、事業承継という場合によっては「社長の死」を想起させるような話題を家族内で正面から取り上げて議論するということは憚られるであるし、議論することによって新たなトラブルが生じる場合すらあり得る。 これが血のつながらない他人であれば尚更であり、一般的には従業員から切り出せるような類の話ではない。 また、会社の外部にいる金融機関などの債権者も、積極的に事業承継計画の策定を求めるといったことはあまりなく、企業経営者等からの相談があればそれに応ずるといった受身的対応にとどまっている例が多いと考えられる。 このように、周囲から経営者に対して、この問題に本格的に取り組むべしという要請がかかるということは少ないというのが現状なのである。 ◆  ◆  ◆ 次回は、事業承継計画と後継者教育についてお伝えしたい。 (了)
#56(掲載号)
#成澤 紀美
2014/02/13

新着情報

もっと見る

記事検索

#