公開日: 2019/04/18 (掲載号:No.315)
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船舶会社の事業承継に係る諸問題-株式評価と船舶評価について-

筆者: 田中 庸介、羽柴 研吾、佐々木 達耶

船舶会社事業承継諸問題

-株式評価と船舶評価について-

 

弁護士法人東町法律事務所 

弁護士 田中 庸介 

弁護士 羽柴 研吾 

弁護士 佐々木 達耶

 

事案の概要

国内船舶会社X社の創業者オーナーのA氏は、息子であるB氏を後継者にすべく、事業承継を行うことを検討している。X社は、パナマ共和国を本店所在地とする株式会社Y社及びZ社の各株式を100%保有しており、Y社及びZ社は、合計10隻の船舶を所有している。

A氏が、B氏に事業承継を行うに際し、X社の事業価値を算定する必要があるところ、どのような点に留意するべきか。

 

【検討事項】

1 はじめに

愛媛(特に今治市)・広島を中心とする瀬戸内は、歴史的に見て、船舶会社や造船会社のような船舶関連企業が集積している地域である。また、瀬戸内地域の外航海運業者の事業形態は、首都圏や阪神地域の大手船舶会社の事業形態と比べて、個人が会社を設立して、その所有する船舶を傭船する船舶貸渡業であるところに特徴があり、X社のような会社の株主は、家業として船舶貸渡業を営んでいることが多い(愛媛県の外航船主群は「愛媛船主」と呼ばれている)。

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船舶会社事業承継諸問題

-株式評価と船舶評価について-

 

弁護士法人東町法律事務所 

弁護士 田中 庸介 

弁護士 羽柴 研吾 

弁護士 佐々木 達耶

 

事案の概要

国内船舶会社X社の創業者オーナーのA氏は、息子であるB氏を後継者にすべく、事業承継を行うことを検討している。X社は、パナマ共和国を本店所在地とする株式会社Y社及びZ社の各株式を100%保有しており、Y社及びZ社は、合計10隻の船舶を所有している。

A氏が、B氏に事業承継を行うに際し、X社の事業価値を算定する必要があるところ、どのような点に留意するべきか。

 

【検討事項】

1 はじめに

愛媛(特に今治市)・広島を中心とする瀬戸内は、歴史的に見て、船舶会社や造船会社のような船舶関連企業が集積している地域である。また、瀬戸内地域の外航海運業者の事業形態は、首都圏や阪神地域の大手船舶会社の事業形態と比べて、個人が会社を設立して、その所有する船舶を傭船する船舶貸渡業であるところに特徴があり、X社のような会社の株主は、家業として船舶貸渡業を営んでいることが多い(愛媛県の外航船主群は「愛媛船主」と呼ばれている)。

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筆者紹介

田中 庸介

(たなか・ようすけ)

弁護士
弁護士法人東町法律事務所(東京事務所所属)

海事事件一般(訴訟・仲裁案件(ロンドン仲裁を含む。)、定期傭船契約・船荷証券・造船契約等の作成、海難事故調査、シップ・ファイナンス案件、売船・エスクロー・エージェント業務等)、税務訴訟案件、船会社の事業承継案件、企業法務一般、倒産処理案件等に従事。

【略歴】
大阪府出身
昭和61年 早稲田大学法学部卒業
平成4年 早稲田大学法学研究科博士前期課程修了(法学修士)
平成5年 司法試験合格
平成8年 司法修習修了(48期)、ブラウン・守谷・帆足・窪田法律事務所入所
平成15年 ロンドン大学大学院法学部(Faculty of Law)修士課程修了(LL.M.)
平成16年 関西学院大学経営戦略研究科(アカウンティング・スクール)教授(平成24年まで)、笠原木村法律事務所(現エルアンドジェイ法律事務所)入所
平成22年 東町法律事務所入所
平成26年 早稲田大学商学部 非常勤講師(金融商品取引法担当)
平成29年 関西学院大学 非常勤講師(海商法担当)


羽柴 研吾

(はしば・けんご)

弁護士
弁護士法人東町法律事務所(神戸事務所所属)

企業法務、金融法務、自治体法務(固定資産税含む)を中心に一般個人案件にも従事。
現在は、企業の事業承継問題、研究開発税制、不動産投資を含む空家対策問題に関心を寄せる。

【略歴】
京都府出身
平成17年 立命館大学法学部卒業
平成19年 立命館大学法科大学院修了、新司法試験合格
平成20年 弁護士登録
平成24年 仙台国税不服審判所(国税審判官)
平成27年 東京国税不服審判所(国税審判官)
平成28年 日弁連法務研究財団「国税不服審査制度に関する研究」研究員

【著書】
民法改正に対応 空き家の法律問題と実務対応
 


佐々木 達耶

(ささき・たつや)

弁護士
弁護士法人東町法律事務所(今治事務所所属)

交通事故を含む各種保険事故案件を中心に、M&A案件、海事案件(傭船契約、シップファイナンス等)、倒産対応等、幅広い分野の事件を取り扱っている。

【略歴】
平成23年 広島大学法学部卒業
平成26年 大阪大学大学院高等司法研究科修了、新司法試験合格
平成27年 弁護士登録
平成28年 弁護士法人東町法律事務所入所

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