公開日: 2015/07/02 (掲載号:No.126)
文字サイズ

ふるさと納税(平成27年度税制改正対応)のポイント 【第2回】「軽減される税額の計算例」

筆者: 篠藤 敦子

ふるさと納税(平成27年度税制改正対応)のポイント

【第2回】

「軽減される税額の計算例」

 

公認会計士・税理士 篠藤 敦子

 

ふるさと納税は、納める税の一部を他の自治体へ移転するという趣旨で創設された制度である。そのため、原則としてふるさと納税(寄附)相当分の税が軽減されるよう制度設計されている。

今回は、平成27年にふるさと納税をした場合の税の軽減額について、具体的な計算例を用いて解説する。各計算式については、本連載【第1回】の「〈表1〉ふるさと納税による税の軽減額」をご参照いただきたい。

なお、所得税と住民税では所得控除の控除額が異なるものもあるが、計算を単純化するため、その違いについては考慮していない。

【1】 税の軽減額の計算

〈ケース1〉

  • 給与収入:600万円(給与所得426万円)
  • ふるさと納税以外の所得控除の合計額:200万円
  • ふるさと納税の額:5万円

(1) 所得税及び復興特別所得税の軽減額
⇒ 平成27年分の所得税及び復興特別所得税が軽減される。

課税総所得金額:4,260,000-{2,000,000+(50,000-2,000)}=2,212,000円

課税総所得金額195万円超330万円以下に適用される所得税の税率は10%なので、所得税及び復興特別所得税の軽減額は次の通りとなる。

軽減額:(50,000-2,000)×10.21%(*1)=4,900円

(*1) 10.21%=10%(所得税)+0.21%(復興特別所得税)(*2)

(*2) 0.21%=所得税率10%×2.1%

(2) 住民税の軽減額
⇒平成28年度分の住民税が軽減される。

住民税の軽減額は、基本控除額に特例控除額を加算した額となる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

ふるさと納税(平成27年度税制改正対応)のポイント

【第2回】

「軽減される税額の計算例」

 

公認会計士・税理士 篠藤 敦子

 

ふるさと納税は、納める税の一部を他の自治体へ移転するという趣旨で創設された制度である。そのため、原則としてふるさと納税(寄附)相当分の税が軽減されるよう制度設計されている。

今回は、平成27年にふるさと納税をした場合の税の軽減額について、具体的な計算例を用いて解説する。各計算式については、本連載【第1回】の「〈表1〉ふるさと納税による税の軽減額」をご参照いただきたい。

なお、所得税と住民税では所得控除の控除額が異なるものもあるが、計算を単純化するため、その違いについては考慮していない。

【1】 税の軽減額の計算

〈ケース1〉

  • 給与収入:600万円(給与所得426万円)
  • ふるさと納税以外の所得控除の合計額:200万円
  • ふるさと納税の額:5万円

(1) 所得税及び復興特別所得税の軽減額
⇒ 平成27年分の所得税及び復興特別所得税が軽減される。

課税総所得金額:4,260,000-{2,000,000+(50,000-2,000)}=2,212,000円

課税総所得金額195万円超330万円以下に適用される所得税の税率は10%なので、所得税及び復興特別所得税の軽減額は次の通りとなる。

軽減額:(50,000-2,000)×10.21%(*1)=4,900円

(*1) 10.21%=10%(所得税)+0.21%(復興特別所得税)(*2)

(*2) 0.21%=所得税率10%×2.1%

(2) 住民税の軽減額
⇒平成28年度分の住民税が軽減される。

住民税の軽減額は、基本控除額に特例控除額を加算した額となる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

筆者紹介

篠藤 敦子

(しのとう・あつこ)

公認会計士・税理士

津田塾大学卒業
1989年 公認会計士試験第二次試験合格
1994年 朝日監査法人(現 あずさ監査法人)退社後、個人事務所を開業し、会計と税務実務に従事。
2008年より甲南大学社会科学研究科会計専門職専攻教授(2016年3月まで)
2010年より大阪電気通信大学金融経済学部非常勤講師

【著書等】
・『マンガと図解/新・くらしの税金百科』共著(清文社)
・『会計学実践講義』共著
・『日商簿記1級徹底対策ドリル 商業簿記・会計学編』共著(以上、同文舘出版)
・『148の事例から見た是否認事項の判断ポイント』共著(税務経理協会)
・「不動産取引を行った場合」『税経通信』2012年3月号(103-109頁)

【過去に担当した研修、セミナー】
SMBCコンサルティング、日本経済新聞社、日本賃金研究センター
社団法人大阪府工業協会、西日本旅客鉄道株式会社、社団法人埼玉県経営者協会
大阪法務局

関連書籍

地方税取扱いの手引

地方税制度研究会 編

個人の税務相談事例500選

木ノ元隆則 編

申告所得税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

【電子書籍版】税務・労務ハンドブック

公認会計士・税理士 菊地 弘 著 公認会計士・税理士 井村 奨 著 税理士 山口光晴 著 特定社会保険労務士 佐竹康男 著 特定社会保険労務士 井村佐都美 著

新・くらしの税金百科 2024→2025

公益財団法人 納税協会連合会 編

税務・労務ハンドブック

公認会計士・税理士 菊地 弘 著 公認会計士・税理士 井村 奨 著 税理士 山口光晴 著 特定社会保険労務士 佐竹康男 著 特定社会保険労務士 井村佐都美 著

令和6年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

【電子書籍版】令和6年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

【紙書籍+電子[1ID]セット版】令和6年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

演習所得税法

公益社団法人 全国経理教育協会 編

事例で学ぶ暗号資産・NFT・メタバースの会計税務Q&A70選

税理士 延平昌弥 著 税理士 山田誠一朗 著 税理士 髙橋健悟 著 税理士 藤原琢也 著 税理士 田村光裕 著 税理士 山中朋文 著

○×判定ですぐわかる所得税の実務

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

税理士のための確定申告事務必携

堀 三芳 著 勝山武彦 著

住宅ローン控除・住宅取得資金贈与のトクする確定申告ガイド

みどり税理士法人 税理士 塚本和美 著

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#