中国における営業税改革の概要、
改革効果の検証及び展望
【第2回】
有限責任監査法人トーマツ
鄭 林根
3 上海市の改革効果の検証
上海市を最初の試験地域として選んだのは、上海市が中国経済の最も発展している地域である、また第三次産業の発展も全国でリードし、更にサービスの業種も多様化となっているので、改革結果の検証に期待できるためである。
また、上海市が潤沢の財源を持ち、改革による税収減の許容能力が高い。更に、国税局と地方税務局の徴収機関が分離していないため、徴収管理においても実行しやすいという利点がある。
減税効果について、改革実施後、小規模納税者を中心に大半の納税者は、改革前より税負担が軽減されている。
上海市税務当局の統計では、2012年6月末までに上海市の13.9万社の企業が試験範囲に入り、営業税収入(試算)については合計減税額が12.4億元で、減税幅が10.57%となる。そのうち、一般納税者の減税額は6.3億元で、減税幅は6.16%である。一方で、小規模納税者の減税額は6.1億元で、減税幅が40.4%である(1)。
(1) 2012年6月末まで、上海市には13.9万社の企業が試験範囲に入り、納付した増値税額は104.39億元である。そのうち、一般納税者(3割相当)の納付額が95.9億元で、91.4%を占める。小規模納税者(7割弱)の納付額が9.0億元で、8.6%を占める。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。