国際課税レポート 【第11回】「米国大統領令とOECD国際課税合意のゆくえ」
1月20日に第47代アメリカ合衆国大統領に返り咲いたドナルド・トランプ氏は、「OECDの国際課税合意について」と題する大統領令に署名した。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第49回】「国際的組織再編に対する法人税法132条1項適用の是非」
本連載【第27回】で取り上げたユニバーサルミュージック事件以外でもIBM事件が知られており、そこでは、課税当局の「納税者が行った一連の行為は、法人税の負担を減少させる不当なものと評価されるべき」という主張は、裁判所に提出された全証拠によっても認め難いという判断が示されました。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第64回】「国際裁判官の恩給課税取消請求事件(地判令5.3.16)(その2)」~所得税法35条、ICJ規程32条等~
ICJ規程32条8は、租税を免除されなければならない対象を、「salaries, allowances, and compensation」として規定する。その他ICJ規程32条には、同条1で規定する「annual salaries」、同条2で規定する「special annual allowance」、同条3で規定する「special allowance」、同条4で規定する「compensation」がそれぞれ用いられており、これらが、ICJ規程32条8に照らして、免税となることに疑いはない。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第63回】「国際裁判官の恩給課税取消請求事件(地判令5.3.16)(その1)」~所得税法35条、ICJ規程32条等~
国際司法裁判所(International Court of Justice、以下「ICJ」という)の裁判官であった納税者がICJから受け取った恩給(retirement pension)について、非課税であるとして所得に含めないで法定期限までに確定申告をしたところ、京橋税務署長がICJから受け取った恩給は雑所得にあたるとして、令和元年8月30日付けで平成26年から平成30年分の所得税及び復興特別所得税について更正処分をし、過少申告加算税の賦課決定をした。国税不服審判所の審判を経て、納税者である原告がこれらの処分の取消しを求めた事案である。
国際課税レポート 【第10回】「令和7年度税制改正・国際課税関係の主要項目」
令和7年度税制改正では、OECD「第2の柱」の措置の法制化など、デジタル国際課税に関して重要な改正が行われる見込みだ。現時点での情報は限られているほか、法案審議も残されているが、関心が高いテーマであることから、本稿では主な項目についてポイントを説明することとしたい。また、諸外国の議論を紹介し、参考として供したい。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第48回】「使用料に係る源泉地の判定」
特許権等の使用料の源泉地国判定において使用地主義を採用した上で、当該特許を使用した製品の製造行為と販売行為が異なる国で行われる場合、どのように判断するのでしょうか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第62回】「日産自動車事件-外国子会社合算税制の非関連者基準-(地判令4.1.20、高判令4.9.14、最判令6.7.18)(その2)」~旧租税特別措置法68条の90、旧租税特別措置法施行令39条の117第8項5号~
国内の親会社が実質的には海外子会社に保険料を支払う場合でも、直接の保険契約とするのではなく、いったん非関連者との保険契約を締結することにより、非関連者基準が充足されると解釈され、外国子会社合算税制の潜脱となるおそれがあったことから、平成7年度の税制改正において、再保険に係る収入保険料については、その保険の目的が非関連者の有する資産又は非関連者の負う損害賠償責任である保険に係る収入保険料に限り、非関連者からの収入保険料に含めて、非関連者基準の判定を行うこととする判断基準(本件括弧書き)が明示された
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第61回】「日産自動車事件-外国子会社合算税制の非関連者基準-(地判令4.1.20、高判令4.9.14、最判令6.7.18)(その1)」~旧租税特別措置法68条の90、旧租税特別措置法施行令39条の117第8項5号~
自動車、産業用車両及びその他の輸送用機器等の開発、製造、売買、賃貸借及び修理等を目的とする内国法人である日産自動車株式会社(原告)の関連者であるメキシコ法人NRFM(※1)は、原告の企業グループが製造する自動車を割賦で購入しようとする者(以下「本件各顧客」という)との間で、購入資金を貸し付けることを内容とする契約(以下「本件クレジット契約」といい、本件クレジット契約に基づく貸金債権を「本件クレジット債権」という)を締結していた。
国際課税レポート 【第9回】「現役世代の「タックス・フリーダム・デイ」」~「手取り」と企業の「雇用コスト」~
税に関し、5月13日は何の記念日だろうか。
税の専門家である読者の皆さんでもすぐにはピンとこないかもしれないが、2024年5月13日は日本の「タックス・フリーダム・デイ」だった。