[平成27年9月30日施行]
改正労働者派遣法のポイント
【第4回】
(最終回)
「特定労働者派遣事業区分の撤廃等」
特定社会保険労務士 岩楯 めぐみ
最終回である第4回は、「特定労働者派遣事業区分の撤廃」や派遣労働者の処遇に関する事項等についてみていく。
1 特定労働者派遣事業区分の撤廃
(1) 2つの区分
改正前は、派遣事業は「特定労働者派遣事業」と「一般労働者派遣事業」の2つに区分されていた。
「特定労働者派遣事業」は、派遣元で常時雇用される労働者のみを派遣する事業で「届出制」とし、一度届出を行えばよく、更新の必要はなかった。一方、「一般労働者派遣事業」は、いわゆる登録型の派遣事業で、資産要件等の一定の基準を満たす必要がある「許可制」とし、3年ごとの更新が必要だった。
「特定労働者派遣事業」は、派遣労働者の雇用の安定が図られていることから、許可を受ける一般労働者派遣事業とは異なり「届出制」としていたが、実態としては必ずしも雇用が安定しているとは言えない状況にあった。なぜなら、派遣される常時雇用される労働者には、期間の定めがない者だけでなく、有期雇用を反復更新し1年超の雇用実績がある者や雇用見込みがある者も含まれていたため、契約期間満了で雇用契約が終了することもあったからだ。
また、特定労働者派遣事業を対象とする行政処分も多く、厚生労働省の資料によると、平成26年度に労働者派遣事業に改善命令や事業停止命令等の行政処分を行った件数は67件で、そのうち約9割にあたる60件が特定労働者派遣事業を対象としたものとなっていた。その中には、許可基準を満たせないために特定労働者派遣事業と偽り一般労働者派遣事業を実施している例もあったようだ。
(2) すべて「許可制」へ
改正後は、派遣事業の健全化を図るため、「特定労働者派遣事業(届出制)」と「一般労働者派遣事業(許可制)」の2つの区分が廃止され、すべて「許可制」となっている。
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