〔まとめて確認〕
会計情報の四半期速報解説
【2022年1月】
第3四半期決算(2021年12月31日)
公認会計士 阿部 光成
◆連載開始にあたって◆
会計に関する改正や新情報が公表される都度、「会計情報の速報解説」として配信しているが、これらを四半期ごとに、決算に関連するものをとりまとめ、『四半期速報解説』として連載を開始する。
本連載では、直近3ヶ月間に公表された決算に関連する会計の新情報を一目で閲覧できるため、「会計情報の速報解説」の閲覧漏れを補填し、また会計の新情報を再度チェックすることで、会計実務の一助とされたい。
Ⅰ はじめに
3月決算会社を想定し、第3四半期決算(2021年12月31日)に関連する速報解説のポイントについて、改めて紹介する。
2021年10月1日から12月31日までに公開した速報解説を対象としている。
第3四半期決算でも、第1四半期決算及び第2四半期決算に関連する速報解説に引き続き注意する必要がある。
具体的な内容は、該当する速報解説をお読みいただきたい。
Ⅱ 会計関係
記述情報の開示に関連する事項として、次のものが公表されている。
四半期報告書の作成に際しても参考になる部分があると考えられる。
① 「記述情報の開示の好事例集2021」(サステナビリティ情報に関する開示)(金融庁。内容:「サステナビリティ情報」に関する開示の好事例を取りまとめたもの)
② 「サステナビリティ関連情報開示と企業価値創造の好循環に向けて-「非財務情報の開示指針研究会」中間報告-」(経済産業省。内容:質の高い非財務情報の開示を実現するために求められる方向性について記載)
Ⅲ 監査関係(監査法人等)
1 令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直し
日本公認会計士協会から、「令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しを受けた監査上の対応について(お知らせ)」が公表されている。
企業のスキャナ保存制度下において作成されたスキャン文書の利用を前提とした監査計画の策定、監査手続の実施などについて記載している。
電子帳簿等保存制度の見直しは2022年1月1日からの施行であるが、本稿で紹介した。
2 監査報告書関係
日本公認会計士協会は、監査報告書に関係する事項として、次のものを公表している。
① 「監査報告書に係るQ&A」(監査基準委員会研究報告第6号)の改正(内容:監査報告書について、「自署・押印」から「署名」へ改正することなどを記載。改正公認会計士法は2021年9月1日から施行)。
② 「EDINETで提出する監査報告書の欄外記載について(お知らせ)」(内容:EDINETで提出する監査報告書の欄外記載について、改正公認会計士法施行後の記載例を示す)
3 監査手続関係
監査法人及び公認会計士の実施する監査手続などに関連して、次のものが公表されている。
① 監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正(内容:「収益認識に関する会計基準」などに対応する改正)
② 監査・保証実務委員会報告第83号「四半期レビューに関する実務指針」の改正(内容:監基報580「経営者確認書」の改正に対応)
Ⅳ 監査関係(監査役等)
日本監査役協会から、次のものが公表されている。
期中における監査役等の監査業務に資するものがあると考えられる。
① 「「監査役監査基準」等及び「内部統制システムに係る監査の実施基準」等の改定」(内容:会社法の改正及び改正会社法に係る法務省令の改正、コーポレートガバナンス・コードの改訂等に対応)
② 「監査上の主要な検討事項(KAM)の強制適用初年度における検討プロセスに対する監査役等の関与について」(内容:KAM強制適用初年度となる2021年3月期決算の監査役等の監査対応を記載)
③ 「企業におけるコロナ禍の影響および監査役等の監査活動の変化について」(内容:コロナ禍における監査の視点の在り方や監査手法及び監査の課題を記載)
(了)
次回は、2022年4月の掲載予定です。