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相続税の実務問答 【第83回】「売買契約中の土地の課税関係(売主に相続が開始した場合)」

父(甲)は、E社(乙)との間で、令和5年3月1日にM市に所在する宅地250平方メートル(以下「M土地」といいます)を7,000万円で売却する契約をしていました。契約書にはおおむね次のような記載があります。
① 契約締結日(令和5年3月1日)に乙は甲に手付金500万円を支払う。
② 令和5年6月1日に、乙は甲にM土地の売買代金の残金6,500万円を支払う。
③ 同日に、甲は所有権移転登記に必要な書類を乙に渡し、M土地を引き渡す。
④ 上記②及び③の義務を双方が履行した時に、M土地の所有権は乙に移転する。
父は、M土地の引渡し前の5月1日に亡くなってしまいました。私たち相続人は、法定相続分でM土地の相続登記を済ませ、6月1日にE社に引き渡しました。
相続税の申告においてM土地をどのように扱えばよいのでしょうか。また、M土地の譲渡に係る譲渡所得の申告はどのように行えばよいのでしょうか。

#No. 519(掲載号)
# 梶野 研二
2023/05/18

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例121(相続税)】 「被相続人の特定居住用宅地等に該当するにもかかわらず、建物所有者が実母であり、別居中の配偶者が取得したため、「小規模宅地等の特例」は適用できないものと誤認し、適用を受けずに申告してしまった事例」

被相続人甲の相続税の申告につき、特定居住用宅地等に該当するにもかかわらず、建物所有者が実母であり、別居中の配偶者が取得したため、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」(以下「小規模宅地等の特例」という)は適用できないものと誤認し、不利な貸付事業用宅地等にのみ「小規模宅地等の特例」を適用して申告してしまった。これにより、有利な特定居住用宅地等につき「小規模宅地等の特例」の適用が受けられなくなってしまい、過大納付となった相続税額につき損害が発生し、賠償請求を受けた。

#No. 517(掲載号)
# 齋藤 和助
2023/04/27

相続税の実務問答 【第82回】「令和5年までに行われた贈与(暦年課税)の相続税の課税価格への加算」

私の父は93歳になりました。父が亡くなったときの相続税の負担を少しでも軽くしたいとの思いで、令和元年から毎年、私の誕生日である11月1日に、父から現金を贈与してもらい、贈与税の申告・納税をしています。申告に当たっては、相続時精算課税の選択はしていません。
令和5年にも、父から現金300万円の贈与を受け、贈与税の申告・納税をするつもりです。令和5年分の贈与についても相続時精算課税を選択するつもりはありません。
ところで、令和5年の税制改正により、暦年贈与の贈与者が亡くなった場合の相続税の課税価格に加算される贈与が、「相続開始前3年以内」のものから、「相続開始前7年以内」のものに改正されたことを新聞記事で知りました。そうしますと、仮に今年父が亡くなった場合には、令和元年から行われてきた父からの贈与の全てが相続税の課税価格に加算されることとなってしまうのでしょうか。

#No. 516(掲載号)
# 梶野 研二
2023/04/20

相続税の実務問答 【第81回】「贈与税の申告書に記載した贈与年月日と相続税の課税価格への加算」

父が、令和4年12月10日に亡くなりましたので、相続税の申告の準備をしていますが、令和元年に父から受けた贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算すべきかどうか、迷っています。
私は、令和元年10月に、父から現金200万円の贈与を受けました。そこで、令和元年分の贈与税の申告をするために所轄の税務署に行き、職員の指導を受けながら、贈与税の申告書を作成しました。その際、申告書には、贈与を受けた年月日(贈与税の申告書様式では「財産を取得した年月日」となっています)を記載しなければならないと言われましたが、その場では正確な日付が分からなかったので、12月31日と記載してしまいました。

#No. 511(掲載号)
# 梶野 研二
2023/03/16

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例119(相続税)】 「土地区画整理地内の宅地につき、無道路地で評価できるところ、単なる不整形地として評価してしまった事例」

平成S年7月に死亡した祖父甲の相続税申告において、仮換地の指定を受けた宅地につき、無道路地で評価できるところ、単なる不整形地として評価して申告していた。これが令和Y年6月に死亡した母乙の相続税申告時に発覚し、過大納付税額につき損害賠償請求を受けたものである。

#No. 508(掲載号)
# 齋藤 和助
2023/02/22

相続税の実務問答 【第80回】「各相続人の相続税額を計算するときの「あん分割合」と配偶者の税額軽減」

夫が昨年の11月に亡くなりました。相続人は、私と2人の娘です。
先日、夫の遺産1億5,000万円のうち、私が1億4,200万円、長女が500万円、二女が300万円をそれぞれ相続する遺産分割が調いました。そこで、相続税の計算をしてみたところ、下の表のように、私にも納付すべき相続税額が算出されることが分かりました。
配偶者が取得した財産の価額が1億6,000万円以下の場合には、配偶者の税額軽減制度により、相続税の負担は生じないと聞いていましたが、私の計算に誤りがあるのでしょうか。

#No. 507(掲載号)
# 梶野 研二
2023/02/16

〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第72回】「被相続人の建物が贈与されている場合における小規模宅地等の特例の適用」

被相続人である甲(令和5年2月13日相続発生)は建設業であるA株式会社の代表者で100%の株式を所有していました。甲は、令和元年5月に長男である丙に代表権を移譲し、退職金を受け取り、その後は、非常勤取締役の会長として勤務していました。株式については、令和元年8月に丙に全て贈与しています。
また、甲は下記の土地(300㎡)及び建物(600㎡、3階建てであり各階の床面積は同一)を所有し、1階部分はA社に周辺相場で賃貸(A社は建設業本社として使用)し、2階部分は第三者であるB社に周辺相場で賃貸し、3階部分は、甲とその配偶者である乙の居住の用に供していましたが、令和元年9月に建物を丙に贈与しています。

#No. 507(掲載号)
# 柴田 健次
2023/02/16

〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第71回】「受益権が複層化された信託に関する権利を取得した場合における小規模宅地等の特例の適用の可否」

甲は、自己が所有するA土地(アスファルト舗装がされた月極駐車場)において貸付事業を行っています。甲はA土地以外で貸付事業を行っていませんので、事業的規模以外の貸付事業に該当します。
甲は、最終的にはA土地を長男である丙に承継させたいと考えていますが、配偶者である乙の老後の生活資金等のため、A土地の賃料収入は、甲の死亡後は、乙に帰属させるため、下記の遺言信託を令和3年10月に締結しました。

#No. 506(掲載号)
# 柴田 健次
2023/02/09

〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第70回】「受益者連続型信託に関する権利を取得した場合における小規模宅地等の特例の適用の可否」

甲は、自己が所有するA土地及び建物(賃貸用アパートで部屋数は8室)において貸付事業を行っています。甲はA土地及び建物以外で貸付事業を行っていませんので、事業的規模以外の貸付事業に該当します。
賃貸の用に供して50年以上経過し建物も老朽化し、甲の財産管理能力も衰えてきたため、甲は賃貸用アパートの管理等を長男である丙に任せ、甲の死亡後はそのA土地及び建物を配偶者である乙に、乙が死亡した場合には丙に相続させるために、下記の信託契約を令和3年10月に締結しました。

#No. 505(掲載号)
# 柴田 健次
2023/02/02

〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第69回】「相続発生後に賃貸併用住宅を建て替えた場合における小規模宅地等の特例の適用の可否」

被相続人である甲(相続開始は令和5年1月21日)は、賃貸併用住宅(区分所有登記はされていません)とその敷地であるA土地を所有し、1階から4階までを賃貸用(8部屋で各部屋の床面積は同一、そのうちの4部屋は令和3年から空室で募集もしていません)として5階部分を甲とその配偶者である乙及び長男である丙の居住の用に供していました。

#No. 504(掲載号)
# 柴田 健次
2023/01/26
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