〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第15話】「修正申告と更正等予知前」
「統括官も・・・税務調査をされるんですか?」
浅田調査官は同情的な眼差しを向ける。
「・・・そうだ。統括官も年間2~3件ぐらいの税務調査をしなければならない。中間管理職は大変だ・・・」
中尾統括官は、ため息をつく。
「・・・もっとも、今から調査に行く納税者は、既に修正申告書を提出しているが・・・」
中尾統括官は苦笑する。
「えっ、税務調査が始まっていないのに・・・もう、修正申告書を出したのですか?」
浅田調査官は、呆れた顔をする。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第14話】「内縁の妻と配偶者控除」
「統括官・・・どうして内縁の妻は、所得税法で配偶者控除の適用はないのでしょうか?」
浅田調査官は、中尾統括官に尋ねる。
昼休みで、今日も所得課税第三部門には2人しかいない。
「・・・配偶者控除の規定か・・・」
中尾統括官は、そう言いながら、税務六法を開く。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第13話】「重加算税と延滞税」
「それで・・・納税者には修正申告を勧奨したの?」
中尾統括官は税務六法を手に取り、国税通則法74条の11第3項をみる。
《編集部レポート》 日税連主催の「報道関係者との懇談会」が開催される~事業承継のマッチングサイト「担い手探しナビ」・「平成31年度税制改正建議書」等について紹介~
日本税理士会連合会は2018年9月6日(木)、日本記者クラブにおいて「報道関係者との懇談会」を開催、中小企業の事業承継問題への対応及び平成31年度税制改正に関する建議書についての説明が行われた。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第12話】「土地・建物の一括譲渡の価額区分」
「中尾統括官、これって・・・どのように区分すれば合理的といえるのでしょうか・・・」
浅田調査官は、中尾統括官に尋ねる。
昼休みで、所得課税第三部門は2人以外、誰もいない。
新聞を読んでいた中尾統括官は、顔を上げる。
浅田調査官はすかさず契約書を差し出して説明する。
「これなんですが・・・売買価額は5億円と記載されているのです・・・」
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第11話】「サラリーマンと特定支出控除」
「中尾統括官、私はサラリーマンにも確定申告を認めればよいのではと・・・以前から思っていたのですが・・・これについて、どう思われますか?」
浅田調査官は中尾統括官に尋ねる。
所得課税第三部門は、皆、調査に出ているため、2人しかいない。
「・・・???・・・サラリーマンに・・・確定申告は認められているだろう?」
中尾統括官は怪訝そうな顔をする。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第10話】「人生100年時代と賦課方式」
「中尾統括官・・・賦課方式って・・・なんですか?」
浅田調査官は遠慮がちに中尾統括官に尋ねる。
昼休みで新聞を読んでいた中尾統括官は顔を上げる。
「年金制度の・・・賦課方式のことかい・・・?」
AIで士業は変わるか? 【追補】「士業は変わり続ける」-連載を終えて-
税務・会計Web情報誌プロフェッションジャーナルの創刊5周年記念特集として本年2月から連載が開始され、全20回、計21名の方々にご寄稿いただいた『AIで士業は変わるか?』は、先週公開号をもって一旦その役目を終え、最終回の掲載を迎えた。
本連載ではAIを中心としたIT技術の急速な進化によって、会計・税務の世界がどのように変化するのか、あるいはすでに変化しているのか、また、公認会計士、税理士という職業自体が代替され消滅してしまうのか、各回の筆者による見解や本職に対する想いを披露していただいた。
AIで士業は変わるか? 【第20回】「AIの進歩が会計専門家の業務に与える影響」
筆者は、「税理士」という資格は、経営者の右腕として、経営者に助言・勧告する役割を担った「参謀」だと考えます。孤高の経営者が特に「お金に関する問題」について、心を許して相談できる専門家こそが税理士の理想像だと考えます。
