国際課税レポート

【第23回】
「データから読み解くピラー2」
税理士 岡 直樹
(公財)東京財団上席フェロー
先月公開した本連載【第22回】では、2026年1月5日にOECD・G20包摂的枠組み(Inclusive Framework)が公表した、いわゆる「ピラー2・共存パッケージ(Administrative Guidance)」の概要を取り上げた。そこでは「共存セーフハーバー(Side-by-Side Safe Harbour)」を導入する方針が示された。これは、米国国内法に既にある制度と、ピラー2を併存させる枠組みである。
その後、2026年1月23日、日本政府は「グローバル・ミニマム課税に係る国際合意を踏まえた措置」について閣議決定を行い、米国多国籍企業について、15%のトップアップ課税によるグローバル・ミニマム課税のための3つの制度(本稿では「ピラー2」と呼ぶ)のうち、IIR(所得合算ルール)及びUTPR(軽課税所得ルール)を適用しない方針を示した。2026年度(令和8年度)税制改正において所要の法整備が行われることになる。
2021年10月の「OECD・G20 BEPS包摂的枠組みによる国際合意」⇒それを踏まえた検討⇒今回の米国をつなぎとめるための共存パッケージによる決着、という流れを踏まえると、2021年10月に国際社会が合意した「ピラー2」実施を巡る検討は、1つの節目・区切りを迎えたように見える。
ピラー2は、自国の法律に基づく多国籍企業課税の事務負担と税負担を大きく変える制度である。多くの国が同時に導入し、制度間の抜け穴をふさぐことを前提としている。
裏返せば、各国が企業に負担を求める根拠の1つは、自国の歳入のためではなく、ピラー2が「グローバル・ルール」だからだ。OECDはこのたび、グローバル・ミニマム課税に関する「中央記録(Central Record)」も公開した。これは、包摂的枠組参加国間の相互審査で確認済の(但し現時点では自己申告ベースの移行的なもの)「適格国内法」のリストを公示するためのものである。
本稿ではこの機会に、「グローバル・ルール」としてのピラー2の姿を、関連データを通じてとらえてみたい。
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