非正規雇用の正社員化における留意点と労務手続
【第3回】
「企業の正社員化へ向けた取組み状況と
正社員登用制度運営時のポイント」
特定社会保険労務士 池上 裕美
前回は、非正規社員をめぐる近年の法改正の内容を確認し、企業がこれらの改正に対しどのようにな検討を行っているのかについて、統計データ等をもとに検証を行った。
今回はこれら正社員登用・転換事例にみられる特徴と正社員登用時における企業対応のポイントについて解説したい。
1 正社員登用の転換事例の特徴
正社員登用の転換事例には、以下のような特徴がみられる。
① 改正労働契約法で、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みによって無期労働契約に転換される。多くは2018年4月以降に無期転換の申込みが発生することとなるが、その動きに先行して、非正規社員の正社員登用を積極的に進めている企業が多くみられる。
② 非正規社員を正社員登用する際の区分として、従来の正社員(正規社員)、職域や勤務地等に一定の限定を設けた限定正社員、従来の非正規社員の3区分としている企業が多い。
③ 従来の非正規社員においても、正社員同様の業務を担い、生涯生活設計可能な処遇の整備を行うケースもみられる。
上記の正社員登用へ向けた積極的な動きは、今後の労働力供給の減少の見通しと有効求人倍率の上昇もあって、他社に先駆けて優秀な人材を確保しておこうという企業の意識が高まったものと考えられる。
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