公開日: 2015/11/05 (掲載号:No.143)
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養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第11回】「養子縁組の取消し」

筆者: 米倉 裕樹

養子縁組を使った相続対策と

法規制・手続のポイント

【第11回】

「養子縁組の取消し」

 

弁護士・税理士 米倉 裕樹

 

[1] はじめに

養子縁組が取り消される原因としては、

 養親が未成年者である縁組の場合(民804)

 養子が尊属または年長者である縁組の場合(民805)

 後見人、被後見人間の無許可縁組の場合(民806)

 配偶者の同意のない縁組の場合(民806の2)

 子の監護をすべき者の同意のない縁組の場合(民806の3)

 養子が未成年者である場合の無許可縁組の場合(民807)

 詐欺または脅迫による縁組の場合(民808・747)

が法定されており、養子縁組が取り消されるのは、これらの場合に限られる(民803)。

これらの多くは形式的に判断できる場合が多いため、通常は届出の時点で受理されることは少ないものの、誤って受理された場合には、一定の要件のもとで取り消すことができる。なお、縁組の無効については【第1回】を参照されたい。

 

[2] 縁組取消しの方法

縁組の届出は、受理されると有効なものとして扱われ、養子縁組の取消しを確認する審判、または養子縁組取消しの訴えが確定するまでは、何人もその効力を争うことができない。この点、縁組意思を欠くような無効な養子縁組は、訴訟や審判で確定されなくとも当然に無効であるのとは大きく異なる。

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養子縁組を使った相続対策と

法規制・手続のポイント

【第11回】

「養子縁組の取消し」

 

弁護士・税理士 米倉 裕樹

 

[1] はじめに

養子縁組が取り消される原因としては、

 養親が未成年者である縁組の場合(民804)

 養子が尊属または年長者である縁組の場合(民805)

 後見人、被後見人間の無許可縁組の場合(民806)

 配偶者の同意のない縁組の場合(民806の2)

 子の監護をすべき者の同意のない縁組の場合(民806の3)

 養子が未成年者である場合の無許可縁組の場合(民807)

 詐欺または脅迫による縁組の場合(民808・747)

が法定されており、養子縁組が取り消されるのは、これらの場合に限られる(民803)。

これらの多くは形式的に判断できる場合が多いため、通常は届出の時点で受理されることは少ないものの、誤って受理された場合には、一定の要件のもとで取り消すことができる。なお、縁組の無効については【第1回】を参照されたい。

 

[2] 縁組取消しの方法

縁組の届出は、受理されると有効なものとして扱われ、養子縁組の取消しを確認する審判、または養子縁組取消しの訴えが確定するまでは、何人もその効力を争うことができない。この点、縁組意思を欠くような無効な養子縁組は、訴訟や審判で確定されなくとも当然に無効であるのとは大きく異なる。

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連載目次

養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント
(全25回)

第1部 養子縁組をめぐる法規制と手続

【第1回】 養子縁組の種類と成立要件・養子縁組が認められなかった裁判例
【第2回】 養子縁組の効果
【第3回】 普通養子縁組の手続と虚偽縁組の回避策
【第4回】 特別養子縁組の手続
【第5回】 戸籍の記載~養子の氏と戸籍~
【第6回】 外国人との養子縁組と戸籍・国籍への影響
【第7回】 離縁の要件・離縁を認めなかった裁判例
【第8回】 離縁の手続(普通養子・特別養子)
【第9回】 離縁に伴う復氏・復籍
【第10回】 渉外離縁手続
【第11回】 養子縁組の取消し
【第12回】 離縁の無効・取消し

第2部 養子縁組を使った代表的な相続対策と留意点

【第13回】 民法上の養子と相続税法上の養子
【第14回】 養子縁組のメリットとデメリット
【第15回】 養子縁組前の養子の子が養親の直系卑属に当たる場合と代襲相続権
【第16回】 孫養子の相続税の節税効果
【第17回】 養子と法定相続人(相続税の負担が不当に減少させる結果となる場合)
【第18回】 遺言とその後の協議離縁

第3部 Q&A

【第19回】 普通養子縁組から特別養子縁組への転換
【第20回】 虚偽の嫡出子出生届と養子縁組
【第21回】 離縁と親権
【第22回】 養父母の死亡と親権
【第23回】 遺族年金と養子縁組
【第24回】 離縁と財産分与・慰謝料
【第25回】 養親の離婚と養子の相続権

筆者紹介

米倉 裕樹

(よねくら・ひろき)

弁護士・税理士

【経歴等】
立命館大学法学部卒
1999年大阪弁護士会登録(第51期)
弁護士法人北浜法律事務所 パートナー弁護士
近畿弁護士会連合会税務委員会委員長(平成27年5月~同29年4月)

【著書・論文等】
相続税 税務調査[指摘事項]対応マニュアル」(清文社2018年出版)共著
弁護士と税理士の相互質疑応答集」(清文社2017年出版)編者・共著
税理士が実際に悩んだ相続問題の法務と税務」(清文社2014年出版)
有利な心証を勝ち取る民事訴訟遂行」(清文社2015年出版)
「弁護士は民事裁判をどう見ているか(調査結果の分析)」(日本弁護士連合会「自由と正義」共著、2013年8月号)
「Doing Business in Japan」(53版改訂版以降、執筆担当Consumption Tax(消費税)共著、LexisNexis社、2013年~)
そこが危ない!消費増税をめぐる契約実務Q&A」(清文社2013年出版)等

  
 

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