養子縁組を使った相続対策と
法規制・手続のポイント
【第17回】
「養子と法定相続人(相続税の負担が不当に減少させる結果となる場合)」
弁護士・税理士 米倉 裕樹
[1] はじめに(相続税法上の養子縁組の制限について)
相続税の計算を行うに当たり、①基礎控除額、②生命保険金及び死亡退職金の非課税限度額、③相続税の総額の計算については、民法の定める法定相続人の数を基準とする。
例えば、①基礎控除額については、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」が相続税の基礎控除額となり(相法15①)、②生命保険金及び死亡退職金の非課税限度額についても、「500万円×法定相続人の数」が非課税限度額となることから(相法12①五・六)、法定相続人の数が増えれば増えるほど相続税の負担を減少させる結果となる。
また、③相続税の総額を計算するに当たっては、法定相続分に応じた各取得金額に超過累進税率(高い取得金額部分には高い税率が課せられる)を乗じて計算されることから(相法16)、法定相続人の数が増えれば増えるほど相続税の負担を減少させることとなる。
しかしながら、昭和63年の相続税法改正により、上記相続税の計算を行う際の法定相続人の数に含める養子の数は、被相続人に実子がいる場合は1人まで、被相続人に実子がいない場合には2人までと制限されることとなった(相法15②)。
[2] 実子とみなされる養子
もっとも、特別養子縁組により養子となった者や、被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子となった者(いわゆる配偶者の連れ子との養子縁組)は、相続税法上、実子とみなされる結果、たとえ、養子縁組が介在していたとしても、相続税法上の養子縁組の制限対象とはならない(相法15③、相令3の2、相基通15-2)。
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