公開日: 2013/10/10 (掲載号:No.39)
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民法改正(中間試案)―ここが気になる!― 【第11回】「連載のまとめ」~本当に民法改正は必要か~

筆者: 中西 和幸

民法改正(中間試案)

─ここが気になる!─

【第11回】
(最終回) 

「連載のまとめ」

~本当に民法改正は必要か~

 

弁護士 中西 和幸

 

これまで、民法改正の中間試案に関し、10回にわたって解説をしてきた。そのすべてについて解説をすることはできなかったが、代表的な点は紹介できたと思う。

最後は、この中間試案を当職なりに整理してみた。大まかであるが、頭の整理に役立てていただければ幸いである。

また、今回の民法改正が本当に必要なのかについての意見も述べたい。

 

1 明確化・明文化

判例や通説、また実務運用を法文として明文化することを目的とした改正部分である。今回の民法改正は、こうした明文化・明確化を狙ったものが大半を占めるようである。

この代表的な例としては、錯誤における要素の錯誤・善意の第三者保護、売買契約全般(検査義務等、新設・変更されたものもあるが)、賃貸借契約の対抗力や賃貸人たる地位の移転、請負契約の大半などである。また、債務引受や契約上の地位の移転など、明文がなく判例上認められた概念が新たに明文化される部分もある。

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~本当に民法改正は必要か~

 

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これまで、民法改正の中間試案に関し、10回にわたって解説をしてきた。そのすべてについて解説をすることはできなかったが、代表的な点は紹介できたと思う。

最後は、この中間試案を当職なりに整理してみた。大まかであるが、頭の整理に役立てていただければ幸いである。

また、今回の民法改正が本当に必要なのかについての意見も述べたい。

 

1 明確化・明文化

判例や通説、また実務運用を法文として明文化することを目的とした改正部分である。今回の民法改正は、こうした明文化・明確化を狙ったものが大半を占めるようである。

この代表的な例としては、錯誤における要素の錯誤・善意の第三者保護、売買契約全般(検査義務等、新設・変更されたものもあるが)、賃貸借契約の対抗力や賃貸人たる地位の移転、請負契約の大半などである。また、債務引受や契約上の地位の移転など、明文がなく判例上認められた概念が新たに明文化される部分もある。

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連載目次

筆者紹介

中西 和幸

(なかにし・かずゆき)

弁護士
田辺総合法律事務所

・昭和61年3月 岡崎高等学校卒業
・平成4年3月 東京大学法学部卒業
・平成4年4月 住友海上火災保険株式会社に就職(平成5年3月まで)
・平成7年4月 弁護士登録(第一東京弁護士会会員となる)、田辺総合法律事務所入所
・平成19年4月 第一東京弁護士会総合法律研究所会社法研究部会部会長就任(平成23年4月まで)
・平成22年4月 CFE(Certified Fraud Examiner:公認不正検査士)資格取得
・平成24年4月 国分寺市オンブズパーソンに就任
・平成24年6月 オーデリック株式会社の社外(独立)監査役に就任

【著書等】
・『会社法関係法務省令逐条実務詳解 ─会社法施行規則・会社計算規則・電子公告規則』編集代表(清文社)
・『信託と倒産』共著(商事法務)
・『企業不祥事と対応【事例検証】』編共著(清文社)
・『〔新訂〕貸出管理回収手続双書 回収』共著(金融財政事情研究会)
・「振替株式に設定された質権と質権設定者の振替株式に対する差押え」共著『金融法務事情』No.1912
・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社)
・『【Q&A】大規模災害に備える企業法務の課題と実務対応』編集代表(清文社)
・『実践!営業秘密管理 企業秘密の漏えいを防止せよ!』編集代表(中央経済社)
・「平成24年株主総会の実務対応(6)株主総会までの準備と議事運営」『旬刊 商事法務』 No.1963
・『最新 役員報酬をめぐる法務・会計・税務』編集代表(清文社)
・「「社外取締役を置くことが相当でない理由」の説明内容と運用のあり方」共著『旬刊 商事法務』 No.1980 

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