「消費税の取扱事項」に関する
法人間契約の注意点と対応策
【第2回】
「工事進行基準の特例(経過措置)の適用に関する留意点」
弁護士・税理士 米倉 裕樹
指定日(平成25年10月1日)から施行日(平成26年4月1日)の前日までに請負契約が締結されていることを前提に、法人税法上、工事進行基準が強制適用される長期大規模工事、または工事進行基準の任意適用を受ける場合において、消費税法上も、収入金額が計上された事業年度終了の日の属する課税期間においてその部分につき資産の譲渡等を行ったとする特例の適用を受ける場合(消費税法17①②)、工事着手日から施行日の前日までの期間に対応する請負代金(下記計算式(A))と、施行日から目的物の引渡日(または役務提供完了日)までの期間に対応する請負代金(下記計算式(B))に関し、(A)については5%、(B)については8%の税率が適用される(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律附則7、消費税法施行令の一部を改正する政令(平成25年3月13日公布・政令第56号)附則9)。
工事等の請負契約において前渡金、中間前払金等の授受が行われる場合、請負契約締結時での見込み計算に従い、施行日までに授受する前渡金や中間前払金等に係る消費税率をすべて5%として請負業者が発注者から授受したとする。
ところが、工事の進捗が遅滞した場合には、上記計算式に従って算出された5%として受領すべき請負工事代金(A)が、当初の見込み計算金額よりも少なくなる結果、すでに受領済みの前渡金、中間前払金等の一部に関し、5%ではなく8%の消費税率が適用され、差額3%相当額の精算を行わなければならない事態が生じる。
そのような事態に備え、あらかじめ締結しておくべき合意書の雛形は、例えば、以下のようなものとなる。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。