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《速報解説》 経済産業省、『「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引』の内容を更新~表記見直しが中心もQ2問を新設~
《速報解説》 経済産業省、『「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬 (いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引』の内容を更新 ~表記見直しが中心もQ2問を新設 Profession Journal編集部 既報のとおり平成28年度税制改正では、事前確定届出給与について特定譲渡制限付株式等による給与は届出が不要とされ、また利益連動給与の算定指標の範囲にROE等の利益に関連する指標が含まれることが明確化されるなど役員給与の取扱いについて見直しが行われている。 これを受け経済産業省では4月28日付、今回の改正内容及び税務(法人税・所得税)・会計・会社法上の取扱いを解説した『「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引~』を公開したところだが、このたび6月3日付けで、解説部分の変更や問答の入替え、新たな問答の追加等の更新を行った。 本誌が経済産業省に確認したところ、今回の更新では、例えば「Q1-2 税制措置の対象となる「特定譲渡制限付株式」とはどのようなものですか。」という問いに対し、更新前に記載のあった「① 役員給与の対価として交付される株式であること」という項目が他の項目と重複するため削除されるなど文言の修正が中心となっており、取扱いに変更はないとのことだ。 ただし、「Q2-7 「特定譲渡制限付株式」の交付後、法人が組織再編成を行った場合(更新前は「法人に組織再編が生じた場合」)にはどのようになりますか。」の解説部分において、更新前は「一定の組織再編成」とされていた箇所が更新後は「合併又は分割型分割」とされより詳しい表記に変更されている箇所もあることから、更新後の内容についても目を通しておきたい(Q&A以外にも「譲渡制限付株式割当契約書(例)」では記載に係る注書きが追加されている)。 なお、今回新設された問答は次の2問。 (了)
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《速報解説》 「日本再興戦略2016」で示された会計・開示制度に関する今後の取組内容
《速報解説》 「日本再興戦略2016」で示された 会計・開示制度に関する今後の取組内容 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成28年6月2日、「日本再興戦略2016-第4次産業革命に向けて-」(以下「再興戦略2016」という)が閣議決定された。 再興戦略2016では、①新たな「有望成長市場」の戦略的創出、②人口減少に伴う供給制約や人手不足を克服する「生産性革命」、③新たな産業構造を支える「人材強化」の3つの課題に向けた施策が述べられている。 本稿は、再興戦略2016で示された会計及び開示に関連する事項について紹介する。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 実効的なコーポレートガバナンス改革に向けた取組の深化 上場企業のコーポレートガバナンスの実効性の向上を促していくとして、次のことが述べられている(第2、Ⅱ、2、2-1(2)、i)①)。 1 最高経営責任者(CEO)の選解任 2 政策保有株式の縮減 3 株主総会関係 Ⅲ 情報開示、会計基準及び会計監査の質の向上 投資家が必要とする企業情報を効果的かつ効率的に提供するとともに、会計基準・会計監査の更なる品質向上・信頼性確保を図るために以下の取組を行う(第2、Ⅱ、2、2-1(2)、i)③)。 (了)
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《速報解説》 ASBJより「リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」が公表~退職給付に関する会計基準等の一部見直しも~
《速報解説》 ASBJより「リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」が公表 ~退職給付に関する会計基準等の一部見直しも~ 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成28年6月2日、企業会計基準委員会は次のものを公表し、意見募集を行っている。 これは、平成27年6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」に基づき実施される施策として、新たな確定給付企業年金の仕組みが平成28年度に導入される予定であることから、これに関する会計処理等を規定するものである。 意見募集期間は平成28年8月2日までである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 公開草案の主な内容 1 範囲 「リスク分担型企業年金」に関する会計処理及び開示に適用する(公開草案2項)。 リスク分担型企業年金とは、確定給付企業年金法に基づいて実施される年金制度のうち、給付の額の算定に関して、確定給付企業年金法施行規則25条の2に定める調整率(積立金の額、掛金額の予想額の現価、通常予測給付額の現価及び財政悪化リスク相当額に応じて定まる数値)が規約に定められる企業年金制度をいう(公開草案2項、15項)。 厚生労働省は、リスク分担型企業年金の導入について、確定給付企業年金法施行令の一部を改正する政令案等に関する意見募集を実施している。 2 会計上の退職給付制度の分類 退職給付制度の分類は次のように行う(公開草案3項、4項)。 退職給付会計基準4項に定める確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金は、制度の導入後、新たな労使合意に基づく規約の改訂の都度、会計上の退職給付制度の分類に関する上表の①及び②に従い、会計上の退職給付制度の分類を再判定する(公開草案5項、21項)。 当該分類の再判定にあたっては、会計上の退職給付制度の分類の①の「制度の導入時の規約」を「直近の規約の改訂時における改訂後の規約」と読み替える(公開草案5項)。 3 会計処理 退職給付会計基準4項に定める確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金については、規約に基づきあらかじめ定められた各期の掛金の金額(移行時に未払金等を計上した特別掛金相当額を除く)を、各期において費用として処理する(公開草案7項)。 退職給付会計基準5項に定める確定給付制度に分類される退職給付制度から退職給付会計基準4項に定める確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金に移行する場合、退職給付制度の終了に該当する(公開草案9項、10項)。 4 開示 退職給付会計基準4項に定める確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金については、次の事項を注記する(公開草案12項)。 Ⅲ 適用時期等 実務対応報告は、公表日以後適用する予定である。 (了)
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《速報解説》 会計士協会、公認会計士の「職業倫理ガイドブック」を公表
《速報解説》 会計士協会、公認会計士の「職業倫理ガイドブック」を公表 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成28年6月1日、日本公認会計士協会は「職業倫理ガイドブック」を公表した。 ガイドブックは、日本公認会計士協会の会員の職業倫理に関する理解に資する資料を提供することを目的として作成されたものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 主な内容 1 概要 公認会計士法で定める職業倫理に関する規定や日本公認会計士協会が定めた会則、倫理規則、独立性に関する指針、利益相反に関する指針、職業倫理に関する解釈指針及びその他の倫理に関する諸規定等について、図解や参考などを用いて、全体を分かりやすく解説している。 利用に際しては次のことに注意が必要である。 以下では特徴的な記載について述べる。 2 基本原則 会員が会計事務所等に所属しているか、又は、企業等に所属しているかに関係なく、会員は次の5つの基本原則を遵守しなければならないことについて述べている。 3 概念的枠組みアプローチ 会員は、基本原則を遵守するために、「概念的枠組みアプローチ」を適用しなければならない(倫理規則8条及び注解6)。 概念的枠組みアプローチとは、次の(1)から(4)までの手順によって、基本原則の遵守を阻害する要因を除去(もしくは許容可能な水準にまで軽減)するか、又は、阻害要因の重要性が余りに重大である(もしくは適切なセーフガードを適用できない)場合には専門業務を辞退(もしくは契約を解除するか雇用主との関係を終了)するか、という判断を行うことをいう。 4 基本原則を阻害する要因 基本原則を阻害する要因として次の5つがあげられている。 5 報酬の水準と成功報酬 例えば、正当な根拠に基づかない低廉な報酬の提示及び請求は、一定の水準の専門業務を実施することが困難となることが考えられることから、職業的専門家としての能力及び正当な注意の原則の阻害要因を生じさせる。 専門業務の内容又は価値に基づいた報酬を請求することが適切であり、報酬の算定・請求に当たって基本原則を遵守するために概念的枠組みアプローチを適用しなければならない(倫理規則21条及び注解18)。 成功報酬に基づいて保証業務や非保証業務の契約を締結する場合、公正性の原則の遵守を阻害する要因を生じさせ、又は生じさせる可能性があることから、監査業務を含む保証業務については、成功報酬に基づいて契約を締結してはならず、また、成功報酬に基づく非保証業務の契約を締結する場合には、基本原則を遵守するために概念的枠組みアプローチを適用しなければならない。 6 依頼人への就職 監査業務チームの構成員であった者又は会計事務所等の社員等であった者が、依頼人の役員、これに準ずる者又は使用人であって、会計記録や監査対象となる財務諸表の作成に重要な影響を及ぼす職位に就いた場合、独立性を阻害する馴れ合い又は不当なプレッシャーを受ける脅威を生じさせる可能性がある。 そのため、監査業務の主要な担当社員等(業務執行責任者、審査を行う者、重要事項について重要な決定や判断を行う者)が、会計事務所等を退職後に、関与していた監査業務の依頼人の役員等に就任する(又は財務諸表の作成に重要な影響を及ぼす職位に就く)ことについては、一定の制限がある。 (了)
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《速報解説》 平成28年度税制改正を受けた東京都の法人事業税・法人都民税の税率改正案が明らかに
《速報解説》 平成28年度税制改正を受けた 東京都の法人事業税・法人都民税の税率改正案が明らかに 公認会計士・税理士 八代醍 和也 Ⅰ はじめに 企業会計基準委員会による「税効果会計に適用する税率に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第27号、以下「本適用指針」という)公表を受け、既にこれまで下記拙稿において適用する税率に関する改正点・留意点及並びに設例を用いた実際の取扱いについての解説を行った。 東京都では平成28年3月31日に公布された「東京都都税条例の一部を改正する条例(平成28年東京都条例第79号)」において、改正地方税法を受けた都税条例改正の第一弾として、上記《速報解説》で述べたとおり、平成28年4月1日以後開始事業年度の外形標準課税法人に係る法人事業税率を改正していたが、平成29年4月1日以後開始事業年度における税率改正、すなわち、地方法人特別税・譲与税の廃止及び法人住民税法人税割の税率引下げに伴う、法人事業税及び法人都民税の税率改正については、『平成28年第二回定例会以後の東京都議会に東京都都税条例の改正として提案する予定で』あるとして、改正後税率が決定されていなかった。 このたび、平成28年5月25日に改めて東京都主税局のホームページにおいて、平成29年4月1日以後開始事業年度における法人事業税(所得割・収入割)、法人都民税法人税割の税率の改正について、予定通り第2回東京都議会定例会に東京都都税条例の改正として提案する旨及びその改正内容がリリースされた。 こうした状況を受け、以下では改正後の条例を受けた実際の計算方法及び成立が決算・開示業務に与える影響について解説を行う。 Ⅱ 改正内容 東京都が今般公表した改正内容は以下のとおり。 【法人事業税】(平成29年4月1日以後に開始する事業年度について適用) (※) 東京都主税局ホームページより 【法人都民税】(平成29年4月1日以後に開始する事業年度について適用) (※) 東京都主税局ホームページより Ⅲ 改正条例の税率による法定実効税率の計算と決算・開示業務に与える影響 Ⅱの改正案が成立した場合、以下の計算式に基づき、東京都の平成30年3月期、平成31年3月期の法定実効税率を計算すると以下のようになる。 【30年3月期】 前提:法人都民税10.4%(23区内・超過課税)として計算している。 【31年3月期】 前提:法人都民税10.4%(23区内・超過課税)として計算している。 成立が6月下旬頃と考えられるところ、仮にこの改正案が予定どおり成立した場合には、平成28年6月以後に決算を迎える会社からは、上記計算方法によって法定実効税率を算定することになる。 なお、上記計算式を見ると、地方法人税と法人都民税の合計値(20.7%)が改正前のそれと変わらず、また、地方法人特別税廃止後の法人事業税の税率が、改正前の超過税率適用法人における地方法人特別税考慮後の税率と変わらないことから、法定実効税率に与える影響はないことになる。【30年3月期】の計算結果が前回《速報解説》の東京都のそれと変わらないことを確認されたい。 また、平成28年5月以前に決算を迎えた会社について、財務諸表等規則では、決算日後に法人税等の税率の変更があった場合に、その内容及び影響を注記することが求められているが、上記よりこの税率改正が既に計上されている繰延税金資産及び繰延税金負債に与える影響はないことになる。 (了)
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《速報解説》 会計士協会、「不正な財務報告及び監査の過程における被監査会社との意見の相違に関する実態調査報告書」を公表~上場企業の監査責任経験者へのアンケートに基づいた詳細な分析結果が明らかに~
《速報解説》 会計士協会、「不正な財務報告及び監査の過程における被監査会社との意見の相違に関する実態調査報告書」を公表 ~上場企業の監査責任経験者へのアンケートに基づいた詳細な分析結果が明らかに~ 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成28年5月30日、日本公認会計士協会は「不正な財務報告及び監査の過程における被監査会社との意見の相違に関する実態調査報告書」を公表した。 本文は表紙を含めて124ページにわたる大部なものであり、その要約版が25ページのものとして公表されている。 これは、平成26年4月期から平成27年3月期に係る1年間に上場企業の監査責任者として関与した公認会計士を対象に実施したアンケートに基づいて分析したものである(アンケート実施期間:平成27年10月19日~11月9日)。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 調査結果(主なもの) 以下では「要約版」をもとにして、調査結果の概要を記載する。 下記に記載した順位以下の回答については、要約版又は調査報告書本文をお読みいただきたい。 また、調査報告書では「監査人交代のプレッシャー等に関する実証分析」についても記載されている。 1 調査の対象と回収の状況 調査の対象と回収の状況は次のとおりである(「要約版」Ⅰの表Ⅰを一部修正)。 2 調査結果の概要 Ⅲ 監査会社(の経営者)との意見の相違 監査の過程で被監査会社(の経営者)との意見の不一致が特に起きやすいと考えられる項目については、「固定資産(のれんを含む)の減損」(73.9%)、「税効果会計の適用」(47.0%)、「債権の回収可能性、貸倒引当金の見積り」(34.2%)、「(工事)進行基準の適用(契約(工事)に係る損失引当金の計上を含む)」(23.6%)の順番である。 (了)
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プロフェッションジャーナル No.171が公開されました!~今週のお薦め記事~
2016年6月2日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル No.171を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!- - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。
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monthly TAX views -No.41-「アベノミクス失敗の反省なき財政出動は愚策」
monthly TAX views -No.41- 「アベノミクス失敗の反省なき財政出動は愚策」 中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員 森信 茂樹 予想通りというべきか、安倍総理はG7サミットの議論を材料に、来年4月からの消費増税を2年半延期する(2019年10月から)意向を示した。 2年前「増税を再び延期することはない」と明言し、「消費増税のできる経済環境を整える」と自らの口で語っていたので、リーマンショック並みの経済変動が起きているわけでもない今日の増税延期は、安倍政権の経済運営であるアベノミクスの失敗、そのよって立つリフレ派の考え方が間違いであったことが明らかになったといえよう。 2012年12月から始まったアベノミクスは、異次元の金融緩和により円安が起き、輸出企業の企業収益改善、株高、資産効果などから長年デフレにあったわが国経済の景色を一変させた。しかし、この成功体験が強すぎて、その後は金融政策による円安だけに頼り、必要な構造改革や成長戦略は全くといってよいほど行われず、経済はほぼゼロ成長のままである。 消費増税先送りを決定するなら、まずはアベノミクスの失敗に対する真摯な反省が大前提ではないのか。 とりわけ金融政策は、すでに「市場の期待の虜」になっており、袋小路に入り込んでいる。ヘリコプターマネーにつながるような追加緩和やマイナス金利の深堀りでは、何の効果も生まなくなっている。 * * * 筆者がアベノミクスに決定的に欠けていると考えるのは、以下の3点である。 第1点目は、現在のわが国経済や消費の停滞を消費増税のせいにして、本質的・構造的な問題を取り上げようとしない点である。 わが国経済の潜在成長力は1%弱というのが定説で、2%、3%の成長を行うためには、わが国経済の供給側(労働人口の増加や設備投資の増加)の環境を整備し、潜在成長力を高めていく必要があるということである。 これを行わず財政需要を追加しても、効果は一時的で、効果が切れれば元の経済に戻ってしまう。このことは、これまでのわが国の財政政策の結果を見れば自明である。 わが国経済は、「需要不足」ではない、「実力不足」なのである。 第2に、個人が消費しない背景には、人々の漠然とした不安がある。 非正規雇用のまま所得が伸びていかない、子どもを持ちたいが、保育所が不足し、教育費もいくらかかるかわからない、今の社会保障では老後の医療・介護費用も賄えるかどうかわからない、といった不安がのしかかっている。 これを払しょくすることは容易ではないが、結局、余裕のある者からの負担増で財源を作り、子ども子育てや低所得者向けの対策に回す、所得再分配政策を行い構造改革をしていくしかないであろう。 よくフランスが手厚い家族政策をとって出生率を2.0に保っているというニュースが出るが、フランスの国民負担率(国民所得比)は65.7%(2012年)で、わが国の40.5%(同年)と比べると、25%(6割)も高いのである。 金融政策・財政政策・構造改革がサミットでも3本の矢というようだが、究極の構造改革は、税・社会保障一体改革である。 第3に、金融政策や財政政策(追加財政需要)は、将来の需要の先食いであり、時間稼ぎの政策である。その間に、付加価値を生み出す唯一の主体である民間が成長できるような規制改革を行うこと、公的な分野にマーケットメカニズムを導入していくこと、これが必要である。 保育所不足も突き詰めていくと、さまざまな規制がある結果、需要と供給のメカニズムが働かず、低賃金がネックとなっている。IT時代、もう少し人々の創意工夫が可能な規制緩和が必要である。 (了)
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「少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例」平成28年度改正のポイント 【第2回】「改正後の適用対象法人の確認」
「少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例」 平成28年度改正のポイント 【第2回】 「改正後の適用対象法人の確認」 税理士 伊村 政代 今回は適用対象法人の見直しについて、詳しく確認していきたい。 1 適用対象法人の制限 前回説明したとおり、今回の改正により、適用対象法人に制限が加えられた。改正前は、中小企業者のうち資本又は出資があるものについては、その資本金の額又は出資金の額が1億円以下の中小企業者であれば、この特例の適用を受けることができた。 しかし、改正後は、中小企業者のうち資本又は出資があるものについて、その資本金の額又は出資金の額が1億円以下であっても、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人は対象から外れることになる。 なお、資本又は出資を有しない法人、農業協同組合等に対するこの規定の適用は、改正による変更はない。 なおこの改正は、平成28年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をし事業供用した少額減価償却資産について適用され、同日前に取得又は製作若しくは建設をし事業供用した少額減価償却資産については、従来どおりの制度が適用される(改正法附則101条)。 2 対象となる中小企業者等 改正前後の適用対象となる中小企業者等についてまとめると、次の通りである。 (※) 中小企業者とは次の法人をいう。 ・資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人のうち大規模法人との間に一定の支配関係のないもの。 ・資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人。 3 従業員数の判定について (1) 常時使用する従業員の範囲 「常時使用する従業員」は、常用であると日々雇い入れるものであるとを問わず、事務所又は事業所に常時就労している職員、工員等の総数によって判定する。役員は従業員の数には含めない。 (2) 従業員数の判定時期 なお、従業員の数に含める従業員は、上記のように、常勤の労働者、季節ごとに雇い入れる労働者、日雇い労働者であることを問わない。 よって厳密には、事業年度の中途において、1,000人を超えたり下回ったりすることも想定されるが、その判定については、該当資産ごとに取得又は製作若しくは建設をして事業供用をした日のそれぞれの現況により判定することとなる。 4 適用できる中小企業者の判定フローチャート (連載了)
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企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)の制度解説 【第3回】「大法人・中小法人別の計算例」
企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)の制度解説 【第3回】 (最終回) 「大法人・中小法人別の計算例」 辻・本郷税理士法人 税理士 安積 健 連載最終回の今回は、本制度を適用した際の具体的な税額控除計算について確認していく(計算方法については【第1回】を参照)。 なお以下では、(資本金1億円超の)大法人と中小法人に分け、それぞれ、法人事業税・法人住民税で引ききれるケースと、法人住民税では引ききれず法人税からも控除するケースの計4つの計算例を紹介する。 ▷計算例① 大法人(法人事業税・法人住民税で引ききれるケース) 【前提】 法人税・法人事業税の課税所得:200,000,000円 付加価値額:350,000,000円 資本金等の額:250,000,000円 特定寄附金の額:5,000,000円 税額(税額控除前) 〇法人税:200,000,000円×23.4%=46,800,000円 〇地方法人税:46,800,000円×4.4%=2,059,200円 〇法人事業税:200,000,000円×0.7%+350,000,000円×1.2%+250,000,000円×0.5%=6,850,000円 〇地方法人特別税:200,000,000円×0.7%×414.2%=5,798,800円 〇法人住民税 ・道府県民税:46,800,000円×3.2%=1,497,600円 ・市町村民税:46,800,000円×9.7%=4,539,600円 税額控除 〇法人事業税 (ア) 5,000,000円×10%=500,000円 (イ) 6,850,000円×20%=1,370,000円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 500,000円 〇法人住民税 ・道府県民税 (ア) 5,000,000円×5%=250,000円 (イ) 1,497,600円×20%=299,520円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 250,000円 ・市町村民税 (ア) 5,000,000円×15%=750,000円 (イ) 4,539,600円×20%=907,920円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 750,000円 〇法人税 5,000,000円×20% < 46,800,000円×2.58% ∴0 ▷計算例② 大法人(法人税額から控除するケース) 【前提】 法人税・法人事業税の課税所得:50,000,000円 付加価値額:250,000,000円 資本金等の額:150,000,000円 特定寄附金の額:5,000,000円 税額(税額控除前) 〇法人税:50,000,000円×23.4%=11,700,000円 〇地方法人税:11,700,000円×4.4%=514,800円 〇法人事業税:50,000,000円×0.7%+250,000,000円×1.2%+150,000,000円×0.5%=4,100,000円 〇地方法人特別税:50,000,000円×0.7%×414.2%=1,449,700円 〇法人住民税 ・道府県民税:11,700,000円×3.2%=374,400円 ・市町村民税:11,700,000円×9.7%=1,134,900円 税額控除 〇法人事業税 (ア) 5,000,000円×10%=500,000円 (イ) 4,100,000円×20%=820,000円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 500,000円 〇法人住民税 ・道府県民税 (ア) 5,000,000円×5%=250,000円 (イ) 374,400円×20%=74,880円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 74,880円 ・市町村民税 (ア) 5,000,000円×15%=750,000円 (イ) 1,134,900円×20%=226,980円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 226,980円 〇法人税 (ア) 5,000,000円×20%-11,700,000円×2.58%=698,140円 (イ) 5,000,000円×10%=500,000円 (ウ) 11,700,000円×5%=585,000円 (ア)(イ)(ウ)のうち最も少ないもの ⇒ 500,000円 ▷計算例③ 中小法人(法人事業税・法人住民税で引ききれるケース) 【前提】 法人税・法人事業税の課税所得:50,000,000円 特定寄附金の額:1,000,000円 税額(税額控除前) 〇法人税:8,000,000円×15%+(50,000,000円-8,000,000円)×23.4%=11,028,000円 〇地方法人税:11,028,000円×4.4%=485,232円 〇法人事業税:50,000,000円×6.7%=3,350,000円 〇地方法人特別税:3,350,000円×43.2%=1,447,200円 〇法人住民税 ・道府県民税:11,028,000円×3.2%=352,896円 ・市町村民税:11,028,000円×9.7%=1,069,716円 税額控除 〇法人事業税 (ア) 1,000,000円×10%=100,000円 (イ) 3,350,000円×20%=670,000円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 100,000円 〇法人住民税 ・道府県民税 (ア) 1,000,000円×5%=50,000円 (イ) 352,896円×20%=70,579円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 50,000円 ・市町村民税 (ア) 1,000,000円×15%=150,000円 (イ) 1,069,716円×20%=213,943円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 150,000円 〇法人税 1,000,000円×20%<11,028,000円×2.58% ∴0 ▷計算例④ 中小法人(法人税額から控除するケース) 【前提】 法人税・法人事業税の課税所得:30,000,000円 特定寄附金の額:1,000,000円 税額(税額控除前) 〇法人税:8,000,000円×15%+(30,000,000円-8,000,000円)×23.4%=6,348,000円 〇地方法人税:6,348,000円×4.4%=279,312円 〇法人事業税:30,000,000円×6.7%=2,010,000円 〇地方法人特別税:2,010,000円×43.2%=868,320円 〇法人住民税 ・道府県民税:6,348,000円×3.2%=203,136円 ・市町村民税:6,348,000円×9.7%=615,756円 税額控除 〇法人事業税 (ア) 1,000,000円×10%=100,000円 (イ) 2,010,000円×20%=402,000円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 100,000円 〇法人住民税 ・道府県民税 (ア) 1,000,000円×5%=50,000円 (イ) 203,136円×20%=40,627円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 40,627円 ・市町村民税 (ア) 1,000,000円×15%=150,000円 (イ) 615,756円×20%=123,151円 (ア)(イ)の少ない方 ⇒ 123,151円 〇法人税 (ア) 1,000,000円×20%-6,348,000円×2.58%=36,222円 (イ) 1,000,000円×10%=100,000円 (ウ) 6,348,000円×5%=317,400円 (ア)(イ)(ウ)のうち最も少ないもの ⇒ 36,222円 (連載了)
