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《速報解説》 日本監査役協会、KAM及びコロナ禍における実務の変化等を踏まえた監査役等の監査報告の記載に関する取りまとめを公表~審議のオンライン化に伴う自署押印の対応及び代替案にも言及~

《速報解説》 日本監査役協会、KAM及びコロナ禍における実務の変化等を踏まえた監査役等の監査報告の記載に関する取りまとめを公表 ~審議のオンライン化に伴う自署押印の対応及び代替案にも言及~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2021年2月26日、日本監査役協会 監査法規委員会 会計委員会は、「監査上の主要な検討事項(KAM)及びコロナ禍における実務の変化等を踏まえた監査役等の監査報告の記載について」を公表した。 これは、「監査報告のひな型」における記載に関し、追記・修正等の対応を考慮することが必要な事項について取りまとめたものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 次のポイントと文例が記載されている。 1 監査上の主要な検討事項(KAM)について 監査役等の監査報告におけるKAMの取扱い、すなわちKAMに関する記載の要否について関心が寄せられていることから、本報告にて取り扱っている。 金商法上のKAMの記載の要否、及び会社法上の会計監査人の監査報告へのKAMの任意記載の有無のパターンごとに、監査役等の監査報告の「監査の方法及びその内容」において考え得る記載の在り方が整理されている。 そこで、自社に当てはまる類型に応じて、いずれの考え方に沿って記載を行うかを検討するものと考えられる。 例えば、【文例1-2A 金商法上のKAMの記載が義務付けられる会社で、会社法上の会計監査人の監査報告に任意記載が行われない場合(監査役等の監査報告においてKAM について明示的に言及する記載例)】では、次の文例が示されている。 2 コロナ禍を契機とする監査の方法の変更について 新型コロナウイルス感染症の影響による監査活動の変化について、監査役等の監査報告に記載する場合の文例が示されている。 例えば、【文例2-1 ひな型をベースに修正を検討する場合】の記載例では、「電話回線又はインターネット等を経由した手段も活用しながら、」と記載されている。 3 自署押印について 監査報告作成のための監査役会等の審議もオンライン形式に移行し、監査役等が現実に一堂に会しての審議を行い、その場で自署押印を行うという従来の流れが実務上困難となるケースも増加しているとのことである。 そこで、今後の実務において考えられるいくつかの対応(全員が郵送回付等により自署押印を行う方法など)とともに、監査報告を電磁的記録により作成した場合に電子署名を行うに当たっての考え方が紹介されている。 (了)

#No. 408(掲載号)
#阿部 光成
2021/03/01

《速報解説》 EDINETで提出される監査報告書のXBRLタグ付け範囲がKAMまで拡大するに伴い、タグ付け誤り防止のための留意事項等が会計士協会から公表される

《速報解説》 EDINETで提出される監査報告書のXBRLタグ付け範囲が KAMまで拡大するに伴い、タグ付け誤り防止のための 留意事項等が会計士協会から公表される   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2021年2月22日付けで(ホームページ掲載日は2月24日)、日本公認会計士協会は、次のものを公表した。 金融庁の2021年版EDINETタクソノミにおいて、従前から行われているEDINETで提出される金融商品取引法に基づく監査報告書に対するXBRLのタグ付けの範囲が、「監査上の主要な検討事項(KAM)」にまで拡大されているので、注意が必要である。なお、2020 年3月期の金商法に基づく監査報告書においては、訂正事例が散見されたとのことである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 業務本部2021年審理通達第1号 次のことが記載されている。   Ⅲ EDINETで提出される監査報告書のXBRLタグ付け範囲の拡大に関する留意事項 2021年3月31 日以後に終了する事業年度の財務諸表の監査から、KAMの記載が義務化されることに伴い、XBRLのタグ付けの対象にKAMが含まれることになった。 KAMは、監査人が作成する監査報告書に記載される事項であるが、EDINETで監査報告書を提出するためには、有価証券報告書等を提出する被監査会社が、監査人から入手した監査報告書の草案に基づいて、有価証券報告書等を作成するためのシステム(以下「開示書類作成支援システム」という)に監査報告書の記載事項を入力し、また、XBRLタグ付けを行うこととなる。 監査報告書には、被監査会社ごとの違いのない定型的な記載ではなく、KAMのように個々の被監査会社ごとに固有の事項が記載されるため、監査報告書へのXBRLタグ付けについても、XBRLのタグとタグ付け範囲に不一致が生じないように慎重な作業が求められる。 次のことが記載されている。 (了)

#No. 408(掲載号)
#阿部 光成
2021/02/25

《速報解説》 会計士協会、「倫理規則の体系及び構成等の見直しに関する論点の整理」の方針案を公表~体系等の整備により更なる規則の遵守促進を図る~

《速報解説》 会計士協会、「倫理規則の体系及び構成等の見直しに 関する論点の整理」の方針案を公表 ~体系等の整備により更なる規則の遵守促進を図る~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2021年2月24日、日本公認会計士協会は、「倫理規則の体系及び構成等の見直しに関する論点の整理」を公表し、意見募集を行っている。 これは、現行の倫理規則などの体系がわかりにくいとの意見があることから、倫理規則の理解のしやすさを向上させ、その遵守を促進するため、倫理規則の体系及び構成等の見直しを検討するものである。 論点の整理は、今後の検討を進めるために、公開草案として具体的な規定案を示す前に、まずは見直しの方針案を公表し、意見募集するものである。今後、実質的な内容の変更を伴う個別規定の見直しも検討する方針とのことである。 また、「公認会計士倫理宣言」の作成を検討するとのことである。 意見募集期間は2021年3月24日までである。 以下では主な内容について解説する。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 1 現行の倫理規則など 現行の倫理規則などは次の4つから構成されている。 このほか、「職業倫理に関する解釈指針」、「独立性に関する法改正対応解釈指針」がある。 なお、国際会計士倫理基準審議会(International Ethics Standards Board for Accountants:IESBA)(以下「IESBA」という)は、2018年4月に「職業会計士のための国際倫理規程(国際独立性基準を含む)」(以下「再構成版IESBA倫理規程」という)を公表している。 2 論点の整理の対象 次の3つの論点について整理を行い、意見募集を行っている。 「職業倫理の規範体系のイメージ」について、現行と改正後(案)のものが示されている。 (了)

#No. 408(掲載号)
#阿部 光成
2021/02/25

《速報解説》 改正通達受け「消費税経理通達関係Q&A」及び趣旨説明が公表される~インボイス導入後の免税事業者との取引における法人税(申告調整等)の取扱いを事例で示す~

《速報解説》 改正通達受け「消費税経理通達関係Q&A」及び趣旨説明が公表される ~インボイス導入後の免税事業者との取引における法人税(申告調整等)の取扱いを事例で示す~   税理士 石川 幸恵   1 パブコメを経て改正消費税経理通達が公表される 令和2年12月15日から約1ヶ月間パブコメに付されていた「「消費税法等の施行に伴う法人税法の取扱いについて」(法令解釈通達)(以下「消費税経理通達」)ほか1件の一部改正(案)」は、令和3年2月10日、軽微な修正を経て正式に公表された。 今回の消費税経理通達改正の目的は、仮に、法人が免税事業者からの課税仕入れについてインボイス導入前のように仮払消費税等の額として区分した金額があっても、税務上はその仮払消費税等の額として経理した金額を取引の対価の額に算入して法人税の所得金額の計算を行うことを明らかにするためである。ほか1件とは所得税に関する通達を指し、同様の目的の改正がなされている。 本改正の背景については、パブコメ段階における下記拙稿も参照されたい。   2 改正消費税経理通達の発遣に伴う関連2情報の公表 (1) 改正通達の趣旨説明 上記の改正通達発遣を受け、2月19日、国税庁ホームページにおいて、改正消費税経理通達の趣旨説明が公表された。 この「趣旨説明」では、改正消費税経理通達において改正・廃止・新設のあった項目ごとに、何を明らかにするものか、旧経理通達からの変更内容、廃止の項目については廃止の理由を解説している。 (2) 令和3年改正消費税経理通達関係Q&A (1)の公表に合わせて、改正後の消費税経理通達を基に、免税事業者からの課税仕入れについて、法人税の課税所得計算と申告調整を事例(全9問)で解説している(詳細は後述)。なお「消費税経理通達」という略称はこのQ&A[凡例]において定義されている。   3 Q&Aでは法人税の課税所得計算を具体的に解説 (1) 免税事業者から取得した建物の取扱い 免税事業者から取得した店舗用建物につき、支払対価の110分の10を仮払消費税等として区分して経理し、決算時に仮払消費税等を雑損失に振り替えた場合の別表四、別表五(一)の記載の仕方が具体的に示されている(問5)。 本事例では、この雑損失の額は、本来は建物の取得価額に算入すべきものであるので、 という申告調整を行うとしている。 なお、インボイス制度導入後6年間は、免税事業者からの課税仕入れについて、仕入税額相当額の一定割合を課税仕入れに係る消費税額とみなす経過措置が設けられており、この経過措置期間内の取得についての取扱いも例示されている(問8・問9)。 (2) 交際費の取扱い 交際費の損金不算入制度は、平成26年4月1日から令和4年3月31日までの間に開始する事業年度について適用される(措法61の4)ため、インボイス制度が開始する令和5年10月1日以降の同制度の在り方は、Q&A公表時点では不明である。 このためQ&Aでは、仮に現行制度のまま延長された場合を前提として、免税事業者に支払った飲食代につき、仮払消費税等を区分して経理したときの交際費の額の計算や、交際費から除かれる飲食費の金額基準である5,000円以下の判定についても言及している(問7[参考])。 全9問の項目及びリンク先は以下の通り。 (了) ↓お勧め連載記事↓

#No. 408(掲載号)
#石川 幸恵
2021/02/25

プロフェッションジャーナル No.408が公開されました!~今週のお薦め記事~

2021年2月25日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.408を公開! - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2021/02/25

令和2年度税制改正における国外財産調書制度の見直し 【第5回】

令和2年度税制改正における 国外財産調書制度の見直し 【第5回】 (最終回)   税理士 谷口 勝司   4 国外財産調書に記載すべき国外財産に関する書類の提示又は提出がない場合の過少申告加算税等の軽減措置又は加重措置の特例の創設 (1) 特例の内容 国外財産に係る所得税又は国外財産に対する相続税に関し修正申告等があり、過少申告加算税又は無申告加算税の適用がある居住者が、その修正申告等があった日前に、国税庁、国税局又は税務署の当該職員から国外財産調書に記載すべき国外財産の取得、運用又は処分に係る一定の書類(その電磁的記録を含む)又はその写しの提示又は提出を求められた場合において、その提示又は提出を求められた日から60日を超えない範囲内でその提示又は提出の準備に通常要する日数を勘案して当該職員が指定する日までにその提示又は提出をしなかったとき(その居住者の責めに帰すべき事由がない場合を除く)における軽減措置又は加重措置の適用については、次のとおりとされた(調書法6⑦)。 上記の特例は、要するに、税務調査時の税務当局の求めがあった場合に、これに応じないで、国外財産の関連資料を指定された期限までに提示・提出しなかったときは、過少申告加算税等の軽減措置は適用せず、また、加重措置は加算税割合を更に5%加重するというものである。 例えば、国外財産に係る所得税に関する修正申告等があった場合、当該国外財産につき国外財産調書の提出・記載があれば、通常10%の過少申告加算税は軽減措置の適用により5%の割合になるが、税務当局の求めに応じないで国外財産の関連資料を提示・提出しなかった場合はこの特例措置により(軽減措置は適用されず)10%の割合となる。 また、修正申告等の基因となった国外財産につき国外財産調書の提出・記載がなければ、通常10%の過少申告加算税は加重措置の適用により15%の割合になるが、税務当局の求めに応じないで国外財産の関連資料を提示・提出しなかった場合は、この特例措置により更に5%加重されて最終的に20%の割合となる、ということである。 また、上記(1)本文の「その居住者の責めに帰すべき事由がない場合」とは、例えば、調査において国外財産に関する書類の提示又は提出を求められた後に、その居住者又はその書類を保有する者が、災害、病気による入院等があったことにより、指定された期限までにその提示又は提出をすることができない場合のほか、当該書類を保有する者に書類の取寄せを依頼しても、当該書類の収集に相当な困難を伴うことが判明した場合をいう(調書通達6-6)。 なお、過少申告加算税等の軽減措置又は加重措置の適用に当たっては、その修正申告等の基因となる国外財産についての国外財産調書への記載の有無(重要な事項の記載が不十分であるかどうかを含む)について、一の国外財産ごとに判定することとされている。このため、この提示・提出がない場合の特例の適用に当たっても、国外財産調書に記載すべき国外財産の取得、運用又は処分に係る一定の書類の提示・提出の有無は、一の国外財産ごとに判定することになる(調書通達6-7、6-8)。 (2) 国外財産調書に記載すべき国外財産の取得、運用又は処分に係る書類 上記(1)の「国外財産調書に記載すべき国外財産の取得、運用又は処分に係る一定の書類」は、調書法規則において国外財産の区分に応じてそれぞれその書類が定められており、居住者が通常保存し、又は取得することができると認められるものに限られている。 例えば、次の国外財産は、それぞれ次の書類とされている(調書法規則13の2)。   5 過少申告加算税等の軽減措置、加重措置等の対象となる追徴本税額の計算規定の整備等 国外財産調書の提出がある場合の軽減措置又は国外財産調書の提出がない場合等の加重措置、税務調査時に関連資料の提示・提出がない場合の特例などの適用については、一の国外財産ごとに判定することとされている。 また、一の修正申告等があった場合、その修正申告等の中には、過少申告や無申告が国外財産に基因するものとそれ以外のもの、あるいは隠蔽・仮装によるもの(重加算税対象のもの)等が含まれる場合があり、この場合には、それぞれに応じて加算税の割合や種類が異なることとなる。 このため、一の修正申告等による追徴本税額について、加算税の割合や種類が異なるごとに追徴本税額を区分計算する必要があり、令和2年度改正においてはこの区分計算規定の整備も行われている(調書法6⑧、調書法施行令11②~⑦、12②③)。 この整備の内容については、技術的な計算規定に関するものであり、また字数の関係もあることから、本稿では割愛させていただいた。   【参考】 改正前後の加算税割合の一覧表 〇 国外財産に係る所得税に関し修正申告等があった場合の加算税の割合 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 ※1 一の国外財産ごとに判定を行う。 ※2 加算税の税率は通常の税率を示している。例えば、過少申告加算税は、期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%となる等、通常の税率と異なる場合があるが、その場合にはそれぞれの税率に、軽減又は加重した税率となる。 ※3 期限後の提出が、調査があったことにより更正又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、期限内に提出されたものとみなされる。 ※4 その年の12月31日において相続国外財産を有する者の責めに帰すべき事由がない場合には、国外財産調書の提出がない場合等の加重措置は適用されず、それぞれ5%減額した税率になる(15%⇒10%、20%⇒15%、25%⇒20%)。 ※5 その居住者の責めに帰すべき事由がない場合を除く。 〇 国外財産に対する相続税に関し修正申告等があった場合の加算税の割合 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 ※1 一の国外財産ごとに、かつ、相続人ごとに判定を行う。 ※2 加算税の税率は通常の税率を示している。例えば、過少申告加算税は、期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%となる等、通常の税率と異なる場合があるが、その場合にはそれぞれの税率に、軽減又は加重した税率となる。 ※3 期限後の提出が、調査があったことにより更正又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、期限内に提出されたものとみなされる。 ※4 その年の12月31日において相続国外財産を有する者の責めに帰すべき事由がない場合には、国外財産調書の提出がない場合等の加重措置は適用されず、それぞれ5%減額した税率になる(15%⇒10%、20%⇒15%、25%⇒20%)。 ※5 その居住者の責めに帰すべき事由がない場合を除く。 (連載了)

#No. 408(掲載号)
#谷口 勝司
2021/02/25

居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第18回】「買換資産を取得した年の12月31日以前に住宅借入金を全額返済した場合」-居住用家屋の所有者とその敷地の所有者が異なる場合-

居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第18回】 「買換資産を取得した年の12月31日以前に住宅借入金を全額返済した場合」 -居住用家屋の所有者とその敷地の所有者が異なる場合-   税理士 大久保 昭佳   Q X(夫)とY(妻)は、共に12年程前から住んでいたX所有のA家屋を1,000万円で、Y所有のA土地を2,000万円で、本年3月に売却しました。 買換資産Bに係る購入価額は総額6,000万円で、譲渡資産のそれぞれの収入金額割合に応じ、家屋Bと土地Bの各持分をXが3分の1、Yが3分の2の割合で、本年5月に取得しました。 なお、その購入資金は売却代金の他に、XはM銀行から、YはN銀行から別々の住宅ローンを組んで購入しましたが、同年12月に、XはM銀行にその全額を返済しました。 その他の適用要件が具備されている場合、Yは「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることはできるでしょうか。 A 買換資産に係るXの住宅ローンが、買換資産を取得した日の属する年の12月31日までに全額返済されていることから、Yも「居住用財産買換の譲渡損失特例」を受けることができません。 ●○●○解説○●○● 「居住用財産買換の譲渡損失特例」に係る譲渡家屋の所有者以外の者が、その譲渡家屋の敷地の用に供されている土地等で、その譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えているものの全部又は一部を所有している場合において、租税特別措置法通達41の5-11(居住用家屋の所有者とその敷地の所有者が異なる場合の取扱い)に掲げる要件の全てを満たすときは、これらの者がともに同特例を受ける旨の申告をしたときに限り、その申告を認めるとされています。 そして、上記通達に掲げる要件(4)において、住宅借入金等の年末残高に係る要件が示されています。 ※下線及び赤字部分については筆者加筆。 したがって、本事例の場合は、Yは買換資産を取得した年の12月31日に住宅ローンの金額を有しているものの、譲渡物件に係る家屋の所有者のXが有していないことから、譲渡物件に係る土地の所有者であるYも「居住用財産買換の譲渡損失特例」の適用を受けることができません。 (了)

#No. 408(掲載号)
#大久保 昭佳
2021/02/25

〈判例評釈〉ユニバーサルミュージック高裁判決 【第2回】

〈判例評釈〉 ユニバーサルミュージック高裁判決 【第2回】   公認会計士・税理士 霞 晴久   3 争点及び当事者の主張 (1) 争点 本件の争点は、本件各更正処分の適法性であり、具体的には①法人税法132条1項にいう「その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の該当性、及び②Xの本件事業年度における所得金額及び納付すべき法人税額である。ただし、本件では、第一審及びその控訴審ともに、①の争点における該当性が認められなかったため、②については、いずれの判決においても検討されていない。 (2) 国(被告・控訴人)の主張(※8) (※8) 控訴審における当事者の補充主張を要約している。 法人税法132条1項の不当性要件については、原判決も説示する経済合理性基準(「専ら経済的、実質的見地において、当該行為又は計算が純粋経済人として不自然、不合理なものと認められるか否か、すなわち経済的合理性を欠くか否かという客観的、合理的基準」をいう。以下同じ)を踏まえ、①同族会社の具体的な行為・計算が異常ないし変則的であるといえるか否か、②その行為・計算を行ったことにつき租税回避以外に正当で合理的な理由ないし事業目的があったと認められるか否かによって判断すべきである。 これを本件についてみると、次の(A)~(E)の事情に照らせば、本件組織再編取引等及びその一部である本件借入れは、①極めて異常で変則的なものであり、②これを行ったことにつき租税回避以外に正当で合理的な理由ないし事業目的はなかったから、経済的合理性を欠く「不当」なものであり、法人税法132条1項の不当性要件該当性が認められる。 (3) Xの主張 法人税法132条1項の不当性要件については、納税者の経営判断の当否に課税庁の独自の視点で過度に踏み込んで判断してはならず、経済合理性基準を踏まえて、法人税の負担が減少するという利益を除けば当該行為又は計算によって得られる経済的利益がおよそないといえるか、あるいは、当該行為又は計算を行う必要性を全く欠いているといえるかという観点から判断すべきである。控訴人の主張する不当性要件の判断枠組みに関する解釈は、独自の見解であり、失当である。 本件組織再編取引は、V社グループが全世界で買収を重ねた結果、錯綜したグループ内の関連会社の関係を整理して事業を効率化するとともに、財務上の利益を図るために実施されたものであり、次のようなオランダ法人の負債軽減(下記目的①)、日本法人の経営の合理化(同目的②・③、⑥~⑧)及び日本法人の財務の合理化(同目的④・⑤)の3つの柱(本件8つの目的)を同時に達成するために、経営上の必要から行われたものである。したがって、本件借入れには経済合理性がある。 【V社グループが設定した本件8つの目的(目的達成のため組織再編取引等を実施)】 (続く)

#No. 408(掲載号)
#霞 晴久
2021/02/25

〔令和3年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第4回】「「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の拡充と延長」「法人事業税の税率の見直し」「大法人の電子申告の義務化」「特定資産の買換え特例の見直しと延長」「法人の土地譲渡益に対する追加課税制度の見直しと適用停止措置の期限延長」」

〔令和3年3月期〕 決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第4回】 (最終回) 「「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の拡充と延長」 「法人事業税の税率の見直し」 「大法人の電子申告の義務化」 「特定資産の買換え特例の見直しと延長」 「法人の土地譲渡益に対する追加課税制度の見直しと適用停止措置の期限延長」」   公認会計士・税理士 新名 貴則   令和2年度税制改正における改正事項を中心として、令和3年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。【第3回】は「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置」、「中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻し還付不適用措置の延長」及び「時価評価制度の見直し」について解説した。 最終回である【第4回】は「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の拡充と延長」、「法人事業税の税率の見直し」、「大法人の電子申告の義務化」、「特定資産の買換え特例の見直しと延長」及び「法人の土地譲渡益に対する追加課税制度の見直しと適用停止措置の期限延長」について解説する。 1 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の拡充と延長 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)とは、青色申告法人が、地域再生法の認定地域再生計画に記載された「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」に関連する寄附金を支出した場合に、従来の損金算入措置に加えて税額控除(法人事業税、法人住民税、法人税)を受けることができる制度である。 (1) 控除割合の引上げと適用期間の延長 令和2年度税制改正により、税額控除割合が最大30%から60%に引き上げられている。このため、通常の損金算入による税額軽減効果(約30%)と合わせると、最大約90%の税額軽減効果が得られることになる。また、同時に適用期間が5年間(令和7年3月31日までの寄附まで)延長されている。 (※1) 法人道府県民税と法人市町村民税の合計。 (※2) 法人住民税から控除しきれなかった金額は、法人税から控除可能(上限あり)。 (2) 手続の簡素化・迅速化 個別事業を認定する方式から、包括的に事業を認定する方式に転換し、認定手続を簡素化する。 この改正は令和2年4月1日以後に支出する寄付に適用されるので、令和3年3月期の決算申告においては適用されることになる。   2 法人事業税の税率の見直し 令和元年度税制改正により、法人事業税の税率が見直されており、また、地方法人特別税が廃止され特別法人事業税が創設されている。ただし、全体としての税負担率は変わらないように設定されている。 令和元年10月1日以後に開始する事業年度から適用されるので、令和3年3月期の決算申告においては適用されることになるので注意が必要である。   3 大法人の電子申告の義務化 平成30年度税制改正により、一定の法人が行う法人税の申告は、電子申告により提出することが義務化されている 。電子申告義務化の対象は法人税だけではなく、消費税、法人市町村民税、法人都道府県民税、法人事業税も対象である。また、確定申告書だけではなく、中間申告書や修正申告書も対象となる。 (※) 消費税については、国及び地方公共団体も対象。 電子申告すべき書類を申告期限内に電子提出せず、書面により提出した場合は、その申告書は無効となり、無申告加算税の対象となるので注意が必要である。 ただし、一定の事由(電気通信回線の故障、災害等の理由によりインターネットが利用できず電子申告ができない場合)により電子的な提出が困難と認められる場合は、税務署長の承認に基づき、例外的に書面による申告書等の提出が可能である。 令和2年4月1日以後に開始する事業年度から適用されるので、令和3年3月期の決算申告には適用されることになる。   4 特定資産の買換え特例の見直しと延長 「特定資産の買換え特例」とは、法人が所有する特定の資産(譲渡資産)を譲渡し、一定期間内に特定の資産(買換資産)を取得し、取得から1年以内に事業供用した場合又は供用する見込みである場合に、買換資産について圧縮記帳の適用を受けることができる制度である。 適用期間は令和2年3月31日までとされていたが、令和2年度税制改正により3年間(令和5年3月31日まで)延長されている。したがって、令和3年3月期の決算申告においては制度の適用がある。 また、令和2年度税制改正において主に次の見直しを行っている。 ① 既成市街地等の内から外への買換え 適用対象を次の通り見直している。 ② 長期所有の土地、建物等の買換え 対象資産を次の通り見直している。 これらの見直しは令和2年4月1日以後に譲渡資産を譲渡し、買換資産を取得する場合に適用されるので、令和3年3月期の決算申告においては適用があることになる。   5 法人の土地譲渡益に対する追加課税制度の見直しと適用停止措置の期限延長 (1) 一般の譲渡益の場合 土地譲渡益に対する追加課税制度とは、法人が土地の譲渡等をした場合に、その譲渡利益金額の合計額に対し、通常の法人税とは別に5%の税率による追加課税が行われる制度である。ただし、この制度は令和2年3月31日までの土地譲渡等については、適用が停止されていた。 令和2年度税制改正により、追加課税制度の一部見直しを行った上で、適用停止措置が3年間(令和5年3月31日までの土地譲渡等まで)延長されている。したがって、令和3年3月期の決算申告においては、追加課税制度の適用は停止されていることになる。 (2) 短期の譲渡益の場合 法人が短期所有(所有期間5年以下)の土地の譲渡等を行った場合に、その譲渡利益金額に対し、通常の法人税とは別に10%の税率による追加課税が行われる制度である。 一般の譲渡益と同様、令和2年3月31日までの土地譲渡等については適用が停止されていたが、令和2年度税制改正により、適用停止措置が3年間(令和5年3月31日までの土地譲渡等まで)延長されている。したがって、令和3年3月期の決算申告においては、追加課税制度の適用は停止されていることになる。 (連載了)

#No. 408(掲載号)
#新名 貴則
2021/02/25

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例95(相続税)】 「障害者控除不足分を兄弟姉妹の相続税から控除できたにもかかわらず、これを失念したまま申告してしまった事例」

「税理士損害賠償請求」 頻出事例に見る 原因・予防策のポイント 【事例95(相続税)】   税理士 齋藤 和助       《基礎知識》 ◆障害者控除(相法19の4) 相続又は遺贈により財産を取得した者が法定相続人(居住無制限納税義務者に限る)で、障害者である場合には、その者の相続税額から次の算式で計算した障害者控除額を控除した金額をもってその納付すべき相続税額とする。 ◆控除不足額の取扱い 障害者控除額に控除不足額が生じた場合には、その者の扶養義務者で同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した者の相続税額から控除することができる。 この場合において、控除を受けることができる扶養義務者が2人以上あるときは、各扶養義務者の控除額は、次の①又は②の金額とされる。 ◆扶養義務者(相基通1の2-1) 「扶養義務者」とは、配偶者並びに民法(明治29年法律第89号)第877条《扶養義務者》の規定による直系血族及び兄弟姉妹並びに家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族をいうのであるが、これらの者のほか三親等内の親族で生計を一にする者については、家庭裁判所の審判がない場合であってもこれに該当するものとして取り扱うものとする。なお、上記扶養義務者に該当するかどうかの判定は、相続税にあっては相続開始の時、贈与税にあっては贈与の時の状況による。 ◆過去に障害者控除を受けたことがある場合 障害者控除を受けることができる者が、その者又はその扶養義務者について既に障害者控除を受けたことがある場合には、その者又はその扶養義務者が障害者控除を受けることができる金額は、既に控除を受けた金額の合計額が、障害者控除を受けることができる金額に満たなかった部分の金額に限るものとする。       (了)

#No. 408(掲載号)
#齋藤 和助
2021/02/25
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