《速報解説》
民間企業等によるベンチャー投資等の促進措置
(新事業開拓事業者投資損失準備金の損金算入及び登録免許税の軽減措置)
~民間投資活性化等のための税制改正大綱~
弁護士 木村 浩之
1 はじめに
昨年(平成24年)12月の安倍政権の発足後、日本経済の再生に向けて、円高・デフレから脱却し、強い経済を取り戻すために必要な経済対策や成長戦略の策定をすることを目的として、官邸主導の下、内閣に日本経済再生本部が設置された。
そして、この日本経済再生本部で議論された内容を踏まえて、平成25年6月14日には、「日本再興戦略」(新たな成長戦略)が閣議決定されている。
今般、日本経済再生本部では、この新たな成長戦略の実現に向けて、臨時国会における産業競争力強化法案の提出などを予定しているところであるが、成長戦略の一つの柱として、産業の新陳代謝を促すことを目標とする日本産業再興プランが策定されている。
この日本産業再興プランには、民間投資の活性化、ベンチャー投資の促進、事業再編の促進などが具体的な政策目標として掲げられており、その一環として、企業によるベンチャー投資等を促進するための税制の創設が提言され、それが今回の「民間投資活性化等のための税制改正大綱」に盛り込まれた形になっている。
以下、新たに創設される予定のベンチャー投資等の促進税制について解説する。
2 ベンチャー投資促進税制(投資損失準備金の損金算入)
ベンチャー企業が大きく成長するためには、設立から調査研究を経て、事業としての拡大を図る時期(事業拡張期)において、専門的なノウハウを有するベンチャーファンドからの資金調達等が重要であるとされている。そして、ベンチャーファンドを活性化するためには、ファンドに投資する企業(法人投資家)が必要不可欠である。
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