〈経理部が知っておきたい〉
炭素と会計の基礎知識
【第10回】
「用語を確認しよう!」
-サステナビリティ情報・ESG情報・気候関連情報-
公認会計士 石王丸 香菜子
上場企業を中心に、サステナビリティ情報の開示が普及しています。サステナビリティ・レポートや統合報告書、ウェブサイトなどにおける任意開示が行われるほか、2023年3月期からは法定開示書類である有価証券報告書にも「サステナビリティに関する考え方及び取組」の欄が導入されています。2025年3月、我が国のSSBJ(サステナビリティ基準委員会)から3つのサステナビリティ開示基準(※1)が公表されました。これらの基準の公開草案にコメントを寄せた団体・個人は100超。注目の高さをうかがい知ることができますね。今後プライム市場の上場企業は、これらの基準に準拠してサステナビリティ情報を有価証券報告書で開示することが求められるようになる見込みです。
こうした動向を背景に、有価証券報告書における財務情報の作成を担う経理部も、サステナビリティ情報開示の概要を把握する必要性が高まっています。本連載の後編では、経理部の方を主な対象として、サステナビリティ情報開示のうち気候関連開示の概要をやさしく学びます。
それでは、「サステナビリティ推進室」を立ち上げたばかりのジャーナル食品社をのぞいてみましょう!
(※1) 「サステナビリティ開示ユニバーサル基準「サステナビリティ開示基準の適用」」
「サステナビリティ開示テーマ別基準第1号「一般開示基準」」
「サステナビリティ開示テーマ別基準第2号「気候関連開示基準」」
〔ジャーナル食品社の登場人物〕
ジャーナル食品社は、加工食品の製造・販売を営む企業です。東京証券取引所のスタンダード市場に上場しています。
ジャーナル食品社の小さな一室。「サステナビリティ推進室」のプレートをドアに取り付けている女性がいます。
〈ミズノ室長〉
これでよし! 「サステナビリティ推進室」の船出ね。
〈ハルカちゃん〉
・・・サステナビリティ推進室はこちらでしょうか?
財務経理部のホシノ ハルカです。
〈ミズノ室長〉
ようこそ、サステナビリティ推進室へ!
室長のミズノよ。よろしくね!
* * *
上場企業を中心に、組織内にサステナビリティ推進室(推進部)を設ける事例が増えています。
サステナビリティ推進室は、主に、サステナビリティに関連する経営戦略の立案・推進や、サステナビリティ情報の開示などの業務を担当する部署です。従前の組織にはない部署のため、立ち上げ当初は既存部署の一部であったり、メンバーが他部署と兼任したりする事例も多いようです。
* * *
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