《税務必敗法》
【第7回】
「振替伝票を削除した」
公認会計士・税理士 森 智幸
【事例】
X会計事務所は、顧問先であるA社の記帳代行を行っている。ある日、所轄税務署の税務調査が入った。所轄税務署は、会計帳簿について電子データでの提示を希望したため、担当税理士はA社の同意をとったうえで会計ソフトのバックアップデータを提出した。なお、A社の帳簿は「優良な電子帳簿」には該当していない。
後日、調査官から連絡があった。内容は「振替伝票の一部が削除されているが、その理由を教えてほしい」ということであった。
X会計事務所内で調査したところ、入力担当職員が、仕訳を訂正する際、誤った仕訳が入力された振替伝票を削除し、新しい振替伝票に正しい仕訳を入力していたことが発覚した。
1 はじめに
本連載は、税務を行う上で「これをやったら失敗する」という必敗法を紹介するものである。今回は「振替伝票を削除した」である。
会計ソフトによっては、仕訳修正時に振替伝票を容易に削除できるものもある。削除すること自体は税理士法には抵触しないが、もし削除したことが見つかると税務当局から隠蔽又は仮装を疑われる可能性もある。
そこで、今回は仕訳の修正に伴う振替伝票の削除(仕訳の削除を含む)及び上書き修正(仕訳の直接修正)の問題点と防止策を解説する。また、国税庁が2025年9月以降進めている「税務行政におけるオンラインツールの利用」についても触れることにする。今後、「オンライン税務調査」が普及すると、帳簿書類等を電子データで受渡しする機会も増えると予想されるからである。
なお、本稿は私見であることにご留意いただきたい。
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