企業担当者のための
「不正リスク対応基準」の理解と対策
【第3回】
(最終回)
「不正リスクに対応するための内部統制と
リスクマネジメント」
公認会計士 金子 彰良
はじめに
不正リスク要因の例示を通じて、不正が発生するしくみを理解しておくことが、どのように不正に対応していくべきかを考える手がかりになる。具体的には、付録1「不正リスク要因の例示」をヒントにしながら、既存の内部統制の資料などを活用して、不正リスクに対応する。
例えば、不正リスク要因の「動機・プレッシャー」については、業績が悪化した場合にそれを隠すインセンティブが働いて不正な財務報告につながる。したがって、ビジネスリスクが発生(顕在化)した場合に企業内のどの組織またはプロセスに重大な影響を与えるかを考える。不正リスク要因を網羅的に検討するためのワークシートとして、組織・ビジネスモデルを作成するのも良い。
また、不正リスク要因のうち「機会」については、企業の内部統制のしくみと密接な関連がある。したがって、内部統制のリスク・コントロールを再評価することによって備える。さらに、不正リスク要因のうち「姿勢・正当化」は、人の心の働きに関わるものである。したがって、予防策として継続的な啓蒙活動を実施する。
前回、不正リスクを識別するための不正リスク要因の重要性について触れたが、最終回である【第3回】では、企業における不正リスク対応基準の付録1「不正リスク要因の例示」を受けた対応について解説する。
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