公表措置を受けて、昭光通商は、同年6月26日「改善報告書」を、12月27日に「改善状況報告書」を東証に提出した。本稿では、両報告書の内容から、なぜ短期間に2度の特別調査委員会を設置することになったのか、とりわけ、最初の特別調査委員会による再発防止策の提言が、経営陣に受け容れられなかったのかを検証したい。

平成29年9月25日、福井社監査役会は、各取締役に宛てて、株式会社ダイテック(以下「株式会社ダイテックホールディング」及び「株式会社ダイテック」との商号であった時期も含めて、「ダイテック」と略称する(※))との業務提携事業及びそれに関連する取引を対象として調査を実施するための第三者委員会の設置を勧告した。

平成29年9月6日、大豊建設代表取締役社長大隅健一(以下「大隅社長」と略称する)宛に、以下の内容が記された匿名の投書が届いたため、調査を行ったところ、流出した資金の一部が、当時の大豊建設代表取締役会長水島久尾(以下「水島元会長」と略称する)に還流された疑いが生じた。

2017年8月、亀田製菓常勤監査役である荒木徹氏(報告書上はK01。以下「荒木常勤監査役」と略称する)は、TKDの財務諸表を確認したところ、棚卸資産残高が売上高に比して過大であると考え、TKD副社長に棚卸資産の実在性について確認するように求めるとともに、TKDに往訪予定であった常務執行役員管理本部長である小林章氏(報告書上はK03。以下「小林常務執行役員」と略称する)に対して、TKD棚卸資産の現地確認を依頼した。

本連載では、個別の調査報告書について、その内容を検討することを主眼としてきたが、本稿では、少し視点を変えて、第三者委員会ドットコムが公開している情報をもとに、各社の適時開示情報を参照しながら、2017年において設置が公表された調査委員会について、調査の対象となった不祥事を分類するとともに、調査委員会の構成、調査報告書の内容などを概観し、その特徴を検討したい。

2017年8月に開始された東京国税局による税務調査の過程において、ORSCの事業所において、協力会社に対する架空又は水増し発注がなされた疑いがある等の指摘を受けたため、OSJBは、10月12日に社内調査委員会を設置し、国税局による指摘事項の事実解明のために調査に着手した。

本件取引担当者が、中国販売先に確認したところ、いずれもKISCOの売掛債権の存在を否定し、契約書等の押印が虚偽のものであるという主張がなされた。こうした事実から、KISCOは、本件取引が架空取引に基づく資金循環であるとの強い疑義を有するに至ったため、6月27日付で特別調査委員会を設置して、調査を開始した。

6月22日、ATT株式会社(以下「ATT」と略称する)社長柴野恒雄氏から、ATTとの取引が循環取引であった旨告白する文書がメールで届いたことが、翌23日に、藤光樹脂から藤倉化成に伝達され、架空取引で多額の被害が発生した蓋然性が強いことから、藤倉化成は社内に特別調査委員会を設置し、調査を開始した。

光彩は、平成29年7月27日、東京国税局による税務調査の初日に、光彩の経理責任者(以下「調査対象者」という)が多額の現金を横領していることについて、国税局担当者より示唆がなされたため、直ちに社内調査を開始するとともに、8月18日において内部調査委員会(以下「調査委員会」という)を設置した。

AHDは、平成29年4月12日、iconic社取締役より、iconic社からA1社への支払が架空発注によるものである旨の内部通報を受け、社内調査を行ったところ、AHD元取締役新川哲平氏(以下「新川元取締役」という)がA1社を使っての資金を不正に利得した疑いがあること、また、新川元取締役が、A1社以外の会社を利用した不正取引も行っていた疑いがあることを認知した。
そのため、AHDは、より厳密な調査を行うとともに、調査の客観性及び信頼性を高めるため、平成29年5月26日、利害関係のない公認会計士及び弁護士による第三者委員会を設置した。

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