会社を成長させる「会計力」
【第10回】
「終わりなきリスクマネジメントへの取組み」
島崎 憲明
《経営改革に成功した総合商社のリスク管理》
総合商社5社の2014年3期の連結純損益は、
- 三菱商事 4,447億円
- 三井物産 4,221億円
- 伊藤忠商事 3,102億円
- 住友商事 2,230億円
- 丸紅 2,109億円
となり、各社のROEも資本コストを大幅に上回る高パフォーマンスとなった。
総合商社が業績を伸ばしてきた背景として、資源・エネルギー関連の収益が大きく寄与していることが指摘されるが、2000年初めからのダイナミックな経営改革の実行により、総合商社の収益力が改善されたことに注目すべきであろう。
つまり、資本コストを意識し、「低リスク低リターン」取引から「高リスク高リターン」取引へ、「リスクのないところにリターンはない」、「リスクとリターンはトレードオフの関係にある」という認識への変化である。
これは、「リスクを回避する経営」から、「リスクを取り、リスクを管理する経営」への転換であった。
総合商社各社はアニュアルレポートにおいて、リスクマネジメントへの取組みについて詳説しており、住友商事では2004年度、2007年度、2013年度のアニュアルレポートでリスクマネジメントの特集を組んでいる。
そのうち2004年度では、高度なリスク管理ができてこそ、複雑かつ多様なビジネスを行う資格があるとして、次のように説明している。
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