公開日: 2015/06/03
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《速報解説》 外形標準課税の拡大等、平成27年度税制改正に対応した「地方税申告書」の新様式が明らかに~地方版・所得拡大促進税制に係る明細書が新設~

筆者: 鯨岡 健太郎

 《速報解説》

外形標準課税の拡大等、平成27年度税制改正に対応した

「地方税申告書」の新様式が明らかに

~地方版・所得拡大促進税制に係る明細書が新設~

 

公認会計士・税理士 鯨岡 健太郎

 

1 はじめに

平成27年5月29日、官報号外第120号において「地方税法施行規則の一部を改正する省令」(総務省令第54号)が公布され、地方税申告書の様式が一部改正された。これは、地方税に係る平成27年度税制改正に対応するものである。

そこで本稿では、地方税に係る平成27年度税制改正の概要を解説するとともに、地方税申告書様式の変更箇所について解説を行う。
なお、退職年金等積立金に係る地方税申告書の様式改正については省略する。

 

2 地方税に係る平成27年度税制改正の概要

(1) 所得割の税率引下げと外形標準課税の段階的拡大

法人事業税については、外形標準課税を2事業年度にかけて段階的に拡大させるとともに、所得割(地方法人特別税を含む)の税率を段階的に引き下げることとなった(下表参照)。

税   目	標準税率 	平成26年度	平成27年度	平成28年度 事業税所得割	①	4.3% 	3.1% 	1.9%  地方法人特別税	②	67.4% 	93.5% 	152.6%  所得基準課税	③=①×(1+②)	7.2% 	6.0% 	4.8%  付加価値割	④	 0.48% 	0.72% 	0.96%  資本割	⑤	0.2% 	0.3% 	0.4% 

(2) 事業税の欠損金に係る控除限度額の見直しと繰越期間の延長

法人税と同様の改正が行われた。

すなわち、平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度に係る欠損金の控除限度額は控除前所得の65%とされ、平成29年4月1日以後開始事業年度に係る欠損金の控除限度額は控除前所得の50%とされるとともに、繰越期間が10年に延長された。

(3) 所得拡大促進税制の外形標準課税への適用

所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除)の適用のある法人については、事業税付加価値割の計算上、雇用者給与等支給増加額を付加価値額から控除することとされた(地方税法附則9⑬)。

付加価値額から控除される金額は、以下の算式により計算される。

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 《速報解説》

外形標準課税の拡大等、平成27年度税制改正に対応した

「地方税申告書」の新様式が明らかに

~地方版・所得拡大促進税制に係る明細書が新設~

 

公認会計士・税理士 鯨岡 健太郎

 

1 はじめに

平成27年5月29日、官報号外第120号において「地方税法施行規則の一部を改正する省令」(総務省令第54号)が公布され、地方税申告書の様式が一部改正された。これは、地方税に係る平成27年度税制改正に対応するものである。

そこで本稿では、地方税に係る平成27年度税制改正の概要を解説するとともに、地方税申告書様式の変更箇所について解説を行う。
なお、退職年金等積立金に係る地方税申告書の様式改正については省略する。

 

2 地方税に係る平成27年度税制改正の概要

(1) 所得割の税率引下げと外形標準課税の段階的拡大

法人事業税については、外形標準課税を2事業年度にかけて段階的に拡大させるとともに、所得割(地方法人特別税を含む)の税率を段階的に引き下げることとなった(下表参照)。

税   目	標準税率 	平成26年度	平成27年度	平成28年度 事業税所得割	①	4.3% 	3.1% 	1.9%  地方法人特別税	②	67.4% 	93.5% 	152.6%  所得基準課税	③=①×(1+②)	7.2% 	6.0% 	4.8%  付加価値割	④	 0.48% 	0.72% 	0.96%  資本割	⑤	0.2% 	0.3% 	0.4% 

(2) 事業税の欠損金に係る控除限度額の見直しと繰越期間の延長

法人税と同様の改正が行われた。

すなわち、平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度に係る欠損金の控除限度額は控除前所得の65%とされ、平成29年4月1日以後開始事業年度に係る欠損金の控除限度額は控除前所得の50%とされるとともに、繰越期間が10年に延長された。

(3) 所得拡大促進税制の外形標準課税への適用

所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除)の適用のある法人については、事業税付加価値割の計算上、雇用者給与等支給増加額を付加価値額から控除することとされた(地方税法附則9⑬)。

付加価値額から控除される金額は、以下の算式により計算される。

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筆者紹介

鯨岡 健太郎

( くじらおか・けんたろう )

公認会計士・税理士
税理士法人ファシオ・コンサルティング パートナー

1998(平成10)年公認会計士試験合格後に大手監査法人に入社。主に国内上場企業に対する法定監査業務及び株式公開支援業務に従事。2002(平成14)年に公認会計士登録。
その後、2003(平成15)年に大手税理士法人に転籍し、主に国内外の法人に対する税務コンプライアンス業務及び税務コンサルティングサービスに従事したほか、M&Aにおける税務デューデリジェンス業務、ストラクチャリング業務等のM&Aアドバイザリー業務にも関与。2005(平成17)年に税理士登録。

2008(平成20)年に独立開業。現在は税理士法人のパートナー税理士として、中小企業の経営支援業務や連結納税導入支援業務等に従事している。

【著書】
中小企業の繰越控除にも対応!詳解 賃上げ促進税制』2024年、清文社
中小企業の判定をめぐる税務』2021年、清文社

 

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