社外取締役の教科書
【第2回】
「『社外』取締役になれるのは誰か?(要件論)」
クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎
1 社外取締役を設置することが必要な会社とは?
(1) 設置は強制されていなかった
会社法331条は、取締役の欠格事由を定めている(例えば、成年被後見人である者は取締役とはなれない)。この欠格事由の規定は、取締役の立場が会社の内であるか外であるかは全く問題としていない。
そのため、これだけを見れば、会社は、わざわざ社外取締役を設置する義務などなく、社外取締役を導入するか否かはそれぞれの会社の自主的判断に委ねられている、ということになりそうである。
実際、平成26年会社法改正以前においては、社外取締役の設置が義務付けられるのは、
① 会社法レベル(ハードロー)では特別取締役を選定する会社や委員会設置会社の場合
② ソフトローでは【第1回】に説明したように、東京証券取引所における上場規程等により上場会社において社外取締役ないし独立役員の設置を義務付けられる場合
という限定されたケースであった(しかし、社外取締役の導入が進まなかったことは、前回説明したとおりである)。
このように、我が国における株式会社のすべてが、社外取締役の設置を強制されているわけではなかった。
(2) 事実上の義務化へ
そのような状況を前提として、法は、【第1回】で説明したように「ガバナンスの強化」という観点から、特定の条件に該当する会社については社外取締役を設置することを広く事実上義務付けるに至ったのである。
特に平成26年会社法改正においては、社会の耳目を集める重大な改正がなされた。
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