社外取締役の教科書
【第6回】
「『コーポレート・ガバナンスの実践』
(経済産業省報告書)が示すもの(その2)」
クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎
1 他社の「プラクティス」に着目することの重要性
【第5回】では、経産省の研究会による「コーポレート・ガバナンスの実践」から、総論的な考え方とそれを具体化する4つの柱を紹介した。
今回は、その柱の4つ目である「具体的な取組み(プラクティス)と制度双方の検討の必要性」という点に関連して、我が国の企業が「コーポレートガバナンス」についてどのような実践を重ねてきたか、その具体的な事例を紹介する。
これらは、上記報告書の「別紙1 我が国企業のプラクティス集」として整理されているものである。
一口に「コーポレートガバナンスは重要だ」、「社外取締役が監督機能を果たすべきだ」と言ってみても、では自社ではどこから取り組んでいくのか、現状のどの点に改善の余地があるのかを具体的に計画していくことは、相当な困難を伴う。
その中で、他社における具体的な事例を確認しておくことは、現場でのイメージをつかむためにも、また自社での議論を活発化させるためにも極めて有効である。
前記報告書が取り上げている事例は膨大であるため、以下では、社外取締役に関して特に参考となると思われる事項をピックアップし、紹介する(下線は、筆者が付したものである)。
2 【場面その1】 社外取締役の情報収集に関するプラクティス
「社外」にその本籍を置く取締役は、社内の人材に比べ、当該企業の実情に関して持ち合わせている情報が少ないことは当然である。
そのため、下記のような工夫により、社外取締役自身が、経営監督に必要となる各種の情報を十分得られるような環境を整える必要性は高い。
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