公開日: 2016/02/25 (掲載号:No.158)
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〈検証〉「コーポレート・ガバナンス報告書」からみたCGコード初適用への各社対応状況 【第2回】「“説明”率の高い原則に関する主な事例検証(その1)」

筆者: 中野 竹司

〈検証〉
コーポレート・ガバナンス報告書からみた
CGコード初適用への各社対応状況

【第2回】

「“説明”率の高い原則に関する主な事例検証(その1)」

 

 弁護士・公認会計士 中野 竹司

 

4 “説明”率の高い原則

(1) 概要

前回)で検討したように、8月末提出会社に比較して、全提出会社でみると、原則に対する説明率は大幅に高くなった。

そして、説明率が高い原則(すなわち、実施率の低い原則)も明らかになった。

そこで今回より、“実施”でなく“説明”を選択した企業の多かった原則は何か、また各社はどのような“説明”を行っているかを分析していきたい。

(2) 実施率の低い原則

原則	内容	会社数(実施率) 		8月末	12月末 1-2②	招集通知の早期発送、電子的公表	3(95.6%)	368(80.2%) 1-2④	議決権の電子行使のための環境整備・招集通知の英訳	9(86.8%)	1038(44.1%) 3-1	情報開示の充実	5(92.6%)	522(71.9%) 3-1②	英語での情報開示	2(97.1%)	479(74.2%) 3-2①	監査役会による外部会計監査人の選定・評価基準の策定、独立性と専門性を有しているか否かについての確認	4(94.1%)	191(89.7%) 4-1②	中期経営計画に関する取締役会の役割・責務	2(97.1%)	276(85.1%) 4-1③	最高経営責任者等の後継者のプランニングへの、取締役会の監督	3(95.6%)	258(86.1%) 4-2	取締役会の役割・責務―業績連動報酬等	2(97.1%)	206(88.9%) 4-2①	中長期的な業績と連動する報酬の割合、現金報酬と自社株報酬との割合の適切な設定	4(94.1%)	570(69.3%) 4-8	独立取締役の2名以上の選任	10(85.3%)	789(57.5%) 4-8①	独立社外取締役による客観的立場に基づく情報交換・認識共有	5(92.6%)	328(82.3%) 4-8②	独立社外取締役による経営陣や監査役との連絡・連携体制の整備	4(94.1%)	361(80.6%) 4-10①	指名・報酬等の検討における独立社外取締役の関与・助言	7(89.7%)	547(70.6%) 4-11③	取締役会による取締役会の実効性に関する分析・評価、結果の概要の開示	16(76.5%)	1182(36.4%) 5-2	経営戦略や経営計画の策定・公表	1(98.5%)	202(89.1%)

上に掲げた説明率の高い原則をさらに分類すると、以下のように分けられる。

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コーポレート・ガバナンス報告書からみた
CGコード初適用への各社対応状況

【第2回】

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 弁護士・公認会計士 中野 竹司

 

4 “説明”率の高い原則

(1) 概要

前回)で検討したように、8月末提出会社に比較して、全提出会社でみると、原則に対する説明率は大幅に高くなった。

そして、説明率が高い原則(すなわち、実施率の低い原則)も明らかになった。

そこで今回より、“実施”でなく“説明”を選択した企業の多かった原則は何か、また各社はどのような“説明”を行っているかを分析していきたい。

(2) 実施率の低い原則

原則	内容	会社数(実施率) 		8月末	12月末 1-2②	招集通知の早期発送、電子的公表	3(95.6%)	368(80.2%) 1-2④	議決権の電子行使のための環境整備・招集通知の英訳	9(86.8%)	1038(44.1%) 3-1	情報開示の充実	5(92.6%)	522(71.9%) 3-1②	英語での情報開示	2(97.1%)	479(74.2%) 3-2①	監査役会による外部会計監査人の選定・評価基準の策定、独立性と専門性を有しているか否かについての確認	4(94.1%)	191(89.7%) 4-1②	中期経営計画に関する取締役会の役割・責務	2(97.1%)	276(85.1%) 4-1③	最高経営責任者等の後継者のプランニングへの、取締役会の監督	3(95.6%)	258(86.1%) 4-2	取締役会の役割・責務―業績連動報酬等	2(97.1%)	206(88.9%) 4-2①	中長期的な業績と連動する報酬の割合、現金報酬と自社株報酬との割合の適切な設定	4(94.1%)	570(69.3%) 4-8	独立取締役の2名以上の選任	10(85.3%)	789(57.5%) 4-8①	独立社外取締役による客観的立場に基づく情報交換・認識共有	5(92.6%)	328(82.3%) 4-8②	独立社外取締役による経営陣や監査役との連絡・連携体制の整備	4(94.1%)	361(80.6%) 4-10①	指名・報酬等の検討における独立社外取締役の関与・助言	7(89.7%)	547(70.6%) 4-11③	取締役会による取締役会の実効性に関する分析・評価、結果の概要の開示	16(76.5%)	1182(36.4%) 5-2	経営戦略や経営計画の策定・公表	1(98.5%)	202(89.1%)

上に掲げた説明率の高い原則をさらに分類すると、以下のように分けられる。

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連載目次

「〈検証〉「コーポレート・ガバナンス報告書」からみた
CGコード初適用への各社対応状況」(全3回)

筆者紹介

中野 竹司

(なかの・たけし)

弁護士・公認会計士

太田昭和監査法人(現新日本有限責任監査法人)入所後、会計監査、株式上場支援、及び財務デューデリジェンス業務を経験した後、司法試験に合格し司法研修所に入所。弁護士登録(東京弁護士会)し同監査法人に復帰。会計監査、法務案件を担当したのち退職。
現在、奥・片山・佐藤法律事務所 パートナー弁護士。

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