公開日: 2016/06/16 (掲載号:No.173)
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「従業員の解雇」をめぐる企業実務とリスク対応 【第3回】「解雇紛争の手続」~解雇紛争はどのように争われるのか~

筆者: 鈴木 郁子

「従業員の解雇」をめぐる

企業実務とリスク対応

【第3回】

「解雇紛争の手続」

~解雇紛争はどのように争われるのか~

 

弁護士 鈴木 郁子

 

1 はじめに

前回説明したように、解雇の有効・無効をめぐっては、最終的には訴訟において復職、バックペイ及び遅延損害金の支払いの有無に帰着することになるが、実務的には、解雇に一旦踏み切ったとしても、それまでの間に、従業員と会社の間に何らかの金銭支払等の合意ができ、解決されるケースが大半である。一度こじれた会社・従業員間の関係が復職により修復することは事実上困難だからである(会社と従業員の解雇の問題はその意味で夫婦の離婚に似ている)。

どのタイミングで、どのような内容の合意をすればよいのか、それとも訴訟も辞さず判決を得た方がよいのかを判断するためには、解雇が一般にどのような手続・経過を経て訴訟による判決に至るのかについて、押さえておく必要がある。

 

2 交渉段階

(1) 解雇理由書の作成・交付と従業員の疑義の表明

会社が従業員を解雇するにあたっては、会社が解雇通知書等により、従業員に対し解雇の意思表示を行う。

これに対し、従業員が解雇に納得していない場合には、まず、会社に対し解雇理由書の交付を求めるのが通常であるので、会社は、解雇理由書(なお、解雇通知書と解雇理由書は兼ねることができる)を作成しこれを交付する(解雇理由書の作成方法、その他の解雇に必要な手続の説明は【第4回】を予定)。

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企業実務とリスク対応

【第3回】

「解雇紛争の手続」

~解雇紛争はどのように争われるのか~

 

弁護士 鈴木 郁子

 

1 はじめに

前回説明したように、解雇の有効・無効をめぐっては、最終的には訴訟において復職、バックペイ及び遅延損害金の支払いの有無に帰着することになるが、実務的には、解雇に一旦踏み切ったとしても、それまでの間に、従業員と会社の間に何らかの金銭支払等の合意ができ、解決されるケースが大半である。一度こじれた会社・従業員間の関係が復職により修復することは事実上困難だからである(会社と従業員の解雇の問題はその意味で夫婦の離婚に似ている)。

どのタイミングで、どのような内容の合意をすればよいのか、それとも訴訟も辞さず判決を得た方がよいのかを判断するためには、解雇が一般にどのような手続・経過を経て訴訟による判決に至るのかについて、押さえておく必要がある。

 

2 交渉段階

(1) 解雇理由書の作成・交付と従業員の疑義の表明

会社が従業員を解雇するにあたっては、会社が解雇通知書等により、従業員に対し解雇の意思表示を行う。

これに対し、従業員が解雇に納得していない場合には、まず、会社に対し解雇理由書の交付を求めるのが通常であるので、会社は、解雇理由書(なお、解雇通知書と解雇理由書は兼ねることができる)を作成しこれを交付する(解雇理由書の作成方法、その他の解雇に必要な手続の説明は【第4回】を予定)。

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連載目次

筆者紹介

鈴木 郁子

(すずき・いくこ)

弁護士
本間合同法律事務所

1995年 東京大学教養学科国際関係論分科卒業
2000年 京都大学法学部卒業
2002年 司法修習修了 第二東京弁護士会弁護士登録(第55期)、本間合同法律事務所入所。現在に至る。

主として企業側の労働問題を専門としており、就業規則作成、社内労務体制整備などのほか、労働審判、訴訟のみならず、労働委員会事件、団体交渉の実務経験、会社向け労働法講習等の経験も豊富である。企業の現状を最大限考慮しつつ、訴訟実務経験に基づいた実践的なアドバイスを心がけている。

▷個人ホームページ
http://www.i-k-suzuki-law.jp/

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