公開日: 2016/10/13 (掲載号:No.189)
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「従業員の解雇」をめぐる企業実務とリスク対応 【第11回】「まとめ」

筆者: 鈴木 郁子

「従業員の解雇」をめぐる

企業実務とリスク対応

【第11回】
(最終回)

「まとめ」

 

弁護士 鈴木 郁子

 

1 はじめに

これまで10回にわたり、会社が従業員を解雇する場合の実務とそのリスクや対応策について解説してきたが、解雇の要件は、従業員側に原因のある普通解雇(【第4回】【第8回】)、懲戒解雇(【第9回】)、会社側の経営状態を理由とする整理解雇(【第10回】)によってそれぞれ異なるものの、一般に思われているよりも遥かに難しいものであることがご理解いただけたと思う。

雇用契約はそもそも当事者の合意に基づくものであるところ、解雇は会社側による雇用契約の一方的な意思表示であり、これにより従業員は生活の基盤となる収入を失うことになる。したがって、解雇が有効とされるためには極めて厳しい条件が課されるのである。

とはいえ、当該従業員に辞めてもらわなければ他の従業員の士気が低下する等、企業活動に支障が生じるケースがあるのも確かである。

この連載の最終回である本稿では、解雇の難しさを前提に、これまで論じたところと一部重複する部分はあるものの、辞めてもらいたい従業員にする会社側の対応策について、時系列により網羅的に論じてみたい。

 

2 採用・雇用契約締結段階の工夫

(1) 雇用契約書と誓約書

まず大前提として、一度雇用契約を締結してしまったら、当該従業員を解雇により一方的に辞めさせるのは非常に困難である。いったん採用したら、一方的に辞めさせることはできないという覚悟を持つことが必要である。

そのために、まずは提出書類の記載に虚偽がないか、面接の受け答えに問題・不自然な点がないか等、慎重に確認してほしい。

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企業実務とリスク対応

【第11回】
(最終回)

「まとめ」

 

弁護士 鈴木 郁子

 

1 はじめに

これまで10回にわたり、会社が従業員を解雇する場合の実務とそのリスクや対応策について解説してきたが、解雇の要件は、従業員側に原因のある普通解雇(【第4回】【第8回】)、懲戒解雇(【第9回】)、会社側の経営状態を理由とする整理解雇(【第10回】)によってそれぞれ異なるものの、一般に思われているよりも遥かに難しいものであることがご理解いただけたと思う。

雇用契約はそもそも当事者の合意に基づくものであるところ、解雇は会社側による雇用契約の一方的な意思表示であり、これにより従業員は生活の基盤となる収入を失うことになる。したがって、解雇が有効とされるためには極めて厳しい条件が課されるのである。

とはいえ、当該従業員に辞めてもらわなければ他の従業員の士気が低下する等、企業活動に支障が生じるケースがあるのも確かである。

この連載の最終回である本稿では、解雇の難しさを前提に、これまで論じたところと一部重複する部分はあるものの、辞めてもらいたい従業員にする会社側の対応策について、時系列により網羅的に論じてみたい。

 

2 採用・雇用契約締結段階の工夫

(1) 雇用契約書と誓約書

まず大前提として、一度雇用契約を締結してしまったら、当該従業員を解雇により一方的に辞めさせるのは非常に困難である。いったん採用したら、一方的に辞めさせることはできないという覚悟を持つことが必要である。

そのために、まずは提出書類の記載に虚偽がないか、面接の受け答えに問題・不自然な点がないか等、慎重に確認してほしい。

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連載目次

筆者紹介

鈴木 郁子

(すずき・いくこ)

弁護士
本間合同法律事務所

1995年 東京大学教養学科国際関係論分科卒業
2000年 京都大学法学部卒業
2002年 司法修習修了 第二東京弁護士会弁護士登録(第55期)、本間合同法律事務所入所。現在に至る。

主として企業側の労働問題を専門としており、就業規則作成、社内労務体制整備などのほか、労働審判、訴訟のみならず、労働委員会事件、団体交渉の実務経験、会社向け労働法講習等の経験も豊富である。企業の現状を最大限考慮しつつ、訴訟実務経験に基づいた実践的なアドバイスを心がけている。

▷個人ホームページ
http://www.i-k-suzuki-law.jp/

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