今から学ぶ[改正民法(債権法)]Q&A 【第10回】「意思能力の明文化・意思表示に関する規定の見直し(その1)」
今回の改正で「意思能力」についての明文化がされたと聞きましたが、どのような意味があるのでしょうか。
また、意思表示に関する規定も見直しがされたとのことですが、どのような点が改正されたのでしょうか。
税務争訟に必要な法曹マインドと裁判の常識 【第12回】「法曹マインドを踏まえた税務訴訟における留意点」
納税者の立場からすれば、課税庁の更正処分等に納得がいかないケースも多いとは思うものの、もし税務訴訟となれば、弁護士費用等は勿論のこと、訴訟を進めていく上での事務負担等も多く発生することになる。
その意味では、納税者の立場としてまず最初に行うべきは、こうした時間的・経済的負担を加味しても、税務訴訟を提起する意義があるか(さらにいえば勝算があるか)ということを慎重に検証することにある。
現状の税務争訟においては、審査請求までは税理士が代理人として手続を進めている例が多いと思われるところ、納税者自身が上記検証を行うのは困難な場合が多いことを踏まえると、代理人を務めてきた税理士にこそ主導的役割を果たすことが求められる。
〔“もしも”のために知っておく〕中小企業の情報管理と法的責任 【第20回】「自社の情報漏えいに気がつくためのポイント」
-Question-
自社から情報が漏えいしているかもしれないと思うと不安ですが、実際に漏えいしているかどうかを把握することは容易ではありません。
情報漏えいの兆候は、どこに気をつければ把握することができるでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例18】「空き家で火災が生じた場合の火災保険金の支払いの有無」
私は、父から相続した実家で生活し、実家と家財道具に火災保険を付しておりました。その後、私は、実家から転居し、半年に1度くらいの割合で実家に立ち寄るようにしていましたが、田舎にあることもあり施錠を十分に行えていませんでした。
以前、実家に立ち寄った際に、近所の方からの立ち話で、夜中に灯のようなものがついていることがあった旨聞いておりましたが、そのことを失念しており、対処を怠っていました。そうしたところ、ある日、実家で火災が生じており、放火である可能性が高いとの連絡を受けました。
今後、保険会社に火災保険金を請求することを考えておりますが、保険金を請求することに問題はありますか。
特別養子制度の改正ポイントと相続実務への影響
「特別養子制度」は昭和62年(1987年)の民法改正により創設された制度であるが、「民法等の一部を改正する法律」(令和元年法律第34号)によって令和元年(2019年)6月7日に32年ぶりに改正された(同月14日公布)。
施行予定は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日であり、本稿執筆時点では明らかになっていない。
本稿では、改正法の内容を一覧表で整理し、わかりやすく解説するとともに相続実務への影響についても検討したい。
改正相続法に対応した実務と留意点 【第9回】「配偶者短期居住権に関する留意点」
配偶者が、被相続人の死亡前から被相続人所有建物に居住していた場合、建物に関して、特段の事情がない限り、被相続人と配偶者との間で、被相続人の相続開始時を始期として使用貸借契約が成立しているものと推認されていた(最高裁平成8年12月17日判決)。しかしこのように考えたとしても、被相続人が配偶者以外の者に建物を遺贈した場合などには、被相続人と配偶者との間に使用貸借契約が成立していたとは考えられず、配偶者は直ちに建物を明け渡さなければならないことになる。
そこで、配偶者保護の観点から、配偶者が相続開始時に被相続人所有建物に無償で居住していた場合、一定の期間、配偶者は無償で建物を使用できるとする配偶者短期居住権が定められた(改正後民法1037条)。
税務争訟に必要な法曹マインドと裁判の常識 【第11回】「法曹マインドを踏まえた税務争訟における留意点」
前回でも触れたとおり、税務訴訟において当事者双方の主張の根拠となる資料等の収集は、税務調査の段階で、その大半が完結することになる。
この点を踏まえると、税務調査終了段階で税務争訟に移行するかどうかの検討を行うにあたって、まず行うべきは、納税者側及び課税庁側の言い分を対比し、手持ちの資料を突き合わせるなどして、「その時点における争点」を明確化するとともに、その優劣を冷静に比較することである。
〔“もしも”のために知っておく〕中小企業の情報管理と法的責任 【第19回】「営業秘密を取引先に開示する場合の情報漏えいの防止策」
-Question-
他社と取引を始めるに際し、当社の製造上・営業上のノウハウが記載された書類を開示することになりました。
取引先によるこれらの情報の漏えいや不正な利用を防ぐためには、会社として、どのような方策が考えられるでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例17】「台風・強風によって空き家の屋根瓦等が飛散した場合の法的責任」
私は、A市で生活をしていますが、隣のB市に空き家となった実家を所有しています。自宅は、昭和40年代に建築された木造瓦葺の建物です。父は実家の修繕工事をしていたようですが、相当に経年劣化しています。
先日、台風17号(仮称)がB市を縦断し、実家の屋根瓦が一部落下したほか、屋根に残っている瓦も剥がれそうな状態になりました。私は、応急処置としてブルーシートを貼って瓦の落下や雨漏りを防いでいますが、修繕工事の目途は立っていません。天気予報によれば、間もなく大型の台風18号(仮称)がB市を縦断するようです。
もし、この台風によって瓦が飛散して、第三者に損害を与えた場合、私にはどのような法的責任がありますか。
今から学ぶ[改正民法(債権法)]Q&A 【第9回】「定型約款(その2)」
前回の解説で、自社の使っている約款が「定型約款」に当たることがわかりました。
定型約款は、事後的に条項を変更する必要性が生じることがありますが、そのような場合の定型約款の取扱いについて教えてください。