電子書類の法律実務Q&A 【第9回】「勤務中、私的メールをしていた時間は労働時間に当たるのか」
当社に未払残業代を請求してきた従業員が、勤務中に業務と無関係な私的メールのやり取りをしていたことが判明しました。
このような私的メールをしている時間は、労働時間に当たらないと考えてよいのでしょうか。裁判所で、このような主張をする場合の留意点をご教示ください。
空き家をめぐる法律問題 【事例51】「区分所有建物の共用部分の瑕疵について損害賠償義務を負う主体」
私は、築30年を超えるマンション(全個室50部屋)の1室を区分所有しておりますが、上階のバルコニーからの雨漏りによって、自室の専有部分が損傷して修繕費用を支払いました。上階に居住者はおらず空き部屋になっております。このような場合、私は、誰に対して損害賠償請求をすればよいですか。
〔相続実務への影響がよくわかる〕改正民法・不動産登記法Q&A 【第19回】「相続登記の申請義務化における運用方針のポイント」
相続登記の申請義務化における運用方針が決定されたと聞きました。
具体的な内容について教えてください。
《税理士のための》登記情報分析術 【第1回】「登記制度の役割と登記情報の入手方法」
相続税申告のために不動産の情報を集める必要性が生じた場合、あるいは顧問先の企業に役員変更登記が必要となった場合などに、税理士の方々は不動産や会社に関する登記情報に触れることになる。登記制度や登記情報の分析の仕方については、体系的に学ぶ機会は少ないと思われるが、理解を深めることで登記制度を税理士実務により役立つものとすることができる。
本連載では、実践的な知識を提供するために、具体的な登記情報の記載例等を示しながら、実務で持ちやすい疑問点などについて解説を行っていく。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第42回】「敷地の一部を将来道路として提供しなければならないケース」~価格に対する影響をどのように捉えるか~
数多い土地のなかには、以下のようなものがあります。
(ア) 全体が建物の敷地として利用されていて外見上区別できないものの、その一部が建築基準法の規定により道路の扱いを受けるもの
(イ) 敷地の一部を将来道路用地として公共に提供することが都市計画に織り込まれているもの
上記(ア)の典型的な例としては、対象地の前面道路が狭く、将来の建替え時に敷地の一部を道路境界線よりも対象地側に後退させなければならない(=セットバックが必要となる)土地があげられます。また、上記(イ)に該当する場合、その土地はしばしば都市計画道路予定地と呼ばれています。
今回は、これらの2つのケースを基に、税理士の皆様が土地価格を検討する際に留意していただきたい事項を解説します。
電子書類の法律実務Q&A 【第8回】「従業員の電子メールのモニタリングは可能か」
当社従業員が社内メールを利用して、取引先に対して当社の秘密情報を漏えいしているとの告発がありました。
そこで当社としては、以下の就業規則に基づき、事前同意なしにこの従業員の電子メールの内容等を監視・閲覧しようと考えています。
このような監視・閲覧行為をするうえで、法的に留意すべきことがあれば教えてください。
空き家をめぐる法律問題 【事例50】「区分所有建物の滞納管理費を回収する場合の諸問題」-区分所有者に成年後見人が選任されていない事例-
マンションの区分所有者の1人であるAは、認知症が悪化したため、マンションを出て特別養護老人ホームで生活しています。Aは、マンションの管理費を3年分滞納したことから、管理人Bは、Aに対して滞納管理費の支払を求めて訴訟を提起し認容されましたが、Aから支払を受けられない状況が続いています。滞納額は現在も増加しており、350万円を超えているため、BはAの区分所有権を競売で売却することを考えています。Aの区分所有権の査定額は300万円程度です。
Aは成年後見人を選任するのが相当な状況にありますが、成年後見人は選任されていないとのことです。このような場合に、どのようなことに注意して滞納管理費の回収を図るべきでしょうか。
〔相続実務への影響がよくわかる〕改正民法・不動産登記法Q&A 【第18回】「越境した竹木の枝の切除」
隣地の竹木が越境した場合の取り扱いについて、どのようなルールが定められたのか教えてください。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第41回】「鑑定評価における条件とは」~条件の設定はどのような場合に許されるか~
鑑定評価額は評価の前提条件により異なってくる場合があります。
同じ土地を評価するにしても、例えば、隣接土地の所有者が購入する場合とそれ以外の不特定の人が購入する場合とでは、価格が異なっても何ら不合理でないケースがあります。
仮に、評価対象地の隣接土地が形状の悪い土地であったとします。隣接土地の所有者が対象地を買い取って一体利用することにより、もともと所有していた土地が形状の良い土地の一部となり、使い勝手も著しく向上するということになれば、他の人よりも少々割高な価格で購入しても損はないといえます。
このように、「隣接者が購入することを前提とした場合の価格は〇〇〇〇万円」であるとか、「市場において不特定多数の人が購入を検討する場合の価格は〇〇〇〇万円」であるという具合に、条件次第で評価額が異なることがあり得る点に鑑定評価の特徴があります。
今までの連載では、「鑑定評価の条件」そのものに関しては立ち入った説明をしてこなかったため、今回、その意義を改めて振り返ってみたいと思います。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第53回】「遺言と養子縁組」
私(75歳)は卸売業を営む会社の社長です。妻子はおらず姉Aと弟の3人兄弟なのですが、弟とは数十年疎遠となっています。
会社はかねてより姉とともに経営し、姉にはとても助けてもらいここまでやってくることができました。一方、昨今のマクロ的な影響による仕入価格の高騰により苦しい経営状態であります。私は75歳になり姉も同世代ですので、そろそろ2人揃って引退をしようという話になっています。
なお、姉夫婦には一人娘Bがいますが専業主婦であり、会社に関与する可能性はありませんので、引退にあたって事業承継は考えておらず、M&Aの買い手を探すか、買い手が見つからなければ廃業とせざるを得ないと思います。
将来、私の相続財産は当然ながらお世話になってきた姉だけに渡し、弟には相続してほしくないのですが、どのような方法がありますでしょうか。