会計事務所 “生き残り” 経営コンサル術 【第7回】「“どうすれば利益が出るの?”って聞かれてどう答えますか」
中小企業をクライアントにもっていますと、必ず聞かれることは“どうすれば利益が出るのでしょう”ということです。
その時、あなたはどのように答えられますか?
恥ずかしい話ですが、私はずっと「総資本利益率を高めることだ」とクライアントに説明してきました。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第6回】「スコアリングモデルで評価する留意点」 ~いきなり業績評価に使ってはいけない~
スコアリングモデルは、会社の規模の大小を問わず、その経理財務部門のサービスレベルをデータに基づいて客観的に評価することができるが、実際に読者が顧問先にスコアリングモデルを活用して評価を行う場合に問題となるのは、どのような単位で評価を行うのか、評価結果をどのように活用するか、ということであろう。
そこで今回は、スコアリングモデルの評価単位と評価の留意点について解説しよう。
起業家が求める税理士の役割、税理士が求める経営者の姿勢 【上】「アーリーステージにおける税理士の役割」
会社のアーリーステージ(起業準備から起業を経て2、3年程度)の方々をサポートする機会が多いが、そのアーリーステージの過ごし方で、その後の会社の発展もしくは存続可能性が概ね決まってくると言っても過言ではない。
実際、創業して10年後に残っている会社は、ほんの数%にすぎない。
また、アーリーステージにおける経営者の経営スタンスは、自ずと対税理士との関係においても表れてくるものである。
そこで、税理士との人間関係を通して普段接しているアーリーステージの経営者の方々を考察し、我々税理士には何ができるのか、どうあるべきかについて考えてみたい。
改正金融検査マニュアルのポイントと中小企業へ与える影響 【第3回】「マニュアルを使った[債務者区分]の判定」
金融検査マニュアルは、金融庁及び地方の財務(支)局(一部の金融機関については、農林水産省及び厚生労働省も検査を行う)の検査官が金融機関を検査する際に用いる手引書である。
この金融検査マニュアルは、「経営管理(ガバナンス)」、「金融円滑化編」及び「リスク管理等編」で構成されている。
この中で、中小企業等に最も影響があるのが、「リスク管理等編」の「資産査定」である。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第5回】「スコアリングモデルの特長」 ~非会計情報を、定量化し、相対評価せよ~
スコアリングモデルは、経理財務部門のサービスレベルを評価する標準的な手法として経済産業省の実証事業により構築された。
おそらくこれより前にも、巷では経理財務部門のサービスレベルを評価する手法は存在していたであろう。それでも、この実証事業に経済産業省が取り組んだのは、スコアリングモデルがこれまでの国内外の取組みと決定的に異なる特長を備えており、国の事業として取り組む意義があると考えたからである。
では、他の取組みと異なるスコアリングモデルの特長とは何か。
これが、今回のテーマである。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第4回】「KPIで評価するというアプローチ」 ~KPIを絞り込め~
経済産業省主導でスコアリングモデルを構築していた時点では、KPIとして数百個の評価指標が候補に挙げられていた。この数百個のKPI候補は、主として会計領域の専門的なコンサルティングを行うコンサルタントや会計監査に従事する公認会計士を中心に洗い出したものである。
しかし、数百個ではあまりにも数が多く、実務には到底使えないため、会社に無理なく受け入れられる数まで絞り込む必要が出てきた。
そこで、KPIの絞込みにあたり、各界から意見を募るため、監査法人、銀行、投資会社、IT関連会社、社団・財団法人など約40団体で構成されるワーキンググループを組成した(図表7)。なお、呼称は平成17年当時のままである。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第11回】「高額医療機器の稼働率と画像診断管理加算」
我が国には、地域医療計画において基準病床数による病床規制は存在するものの、医療機器の配置規制がないため、CT・MRI等の高額医療機器が諸外国よりもはるかに普及している。
病院だけでなく、診療所でもCTやMRIが保有されている場合も少なくない。OECD諸国における人口100万人当たりのCT保有台数の平均が12.0台なのに対し、日本は43.1台、人口100万人当たりMRI保有台数についてはOECD平均が22.1台であるのに対し日本は97.3台と、過剰に配置されている。
かといって、病院としては診断機器がなければスムーズな医療提供に支障をきたすおそれもあり、優秀なスタッフを招聘してくることもできなくなってしまう。
ゆえに過剰な投資だとある程度理解していても、高額医療機器を買わないという選択肢を積極的に採用することは困難である。
改正金融検査マニュアルのポイントと中小企業へ与える影響 【第2回】「金融機関に求められるものとは?」
金融機関は、中小企業等の借り手の状況をきめ細かく把握し、他業態も含め関係する他の金融機関等と十分連携を図りながら、円滑な資金供給や貸付けの条件の変更等に努めることが求められる。
特に、金融機関は、株式会社地域経済活性化支援機構法第64条の規定の趣旨を十分に踏まえ、地域経済の活性化及び地域における金融の円滑化などについて、適切かつ積極的な取組みが求められる。
会計事務所の事業承継~事務所を売るという選択肢~ 【第6回】「計算例でみる会計事務所の価値評価」
会計事務所のM&Aでは、その譲渡対象のほとんどは、顧客との顧問契約や職員の雇用契約といった無形資産である。
無形資産の譲渡といっても、財産評価基本通達によれば「営業権を認識しない。」とされているため、当事者間の交渉を通じて、「斡旋料」が時価で支払われることになる。
後継者(親族内)がいない場合の会計事務所の価値評価を考えてみよう。
〔税理士・会計士が知っておくべき〕情報システムと情報セキュリティ 【第4回】「経営者のIT導入の悩みに応える5つの視点」
多くの経営者は、自社のIT導入に関して多くの悩みを抱えている。
とりわけ多額の投資を必要とするERPや会計システムなど、基幹システムの導入についての悩みは大きい。
「コストがかかりすぎるような気がする」
「パッケージや導入ベンダーの選定は正しかったのか?」
「過去にIT導入で多額の損失を出したが、今回は大丈夫だろうか?」
など、その悩みはさまざまであるが、中小・中堅企業では社内に相談できる相手もいないのが実情である。