顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第10回】「売上・売掛債権管理のKPI(その① 新規・継続審査)」
前回まで9回にわたり、スコアリングモデルの総論として、その意義や特徴、使用方法等、全体的なイメージについて解説してきたが、今回からスコアリングモデルの各論に入る。
スコアリングモデルは、経理財務を構成する18種類の業務(前掲図表4)について、137個のKPIを使って、経理財務部門のサービスレベルを評価する。
そこで、各論では、137個からいくつかのKPIを抜粋し、個々のKPIが何を意味するのか、なぜ重要なのか、会社の経営者が着目すべきポイントは何かという点について、KPIごとに解説を試みたい。
各論の初回は、売上・売掛債権管理を構成する複数の業務プロセスのうち、新規・継続審査を評価するKPIを取り上げる。
改正金融検査マニュアルのポイントと中小企業へ与える影響 【第5回】「本当の経営改善計画(事業計画)はどうあるべきか」
「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」における債務者区分の判定で、経営改善計画(事業計画)によるものがある。
金融機関に提出する場合を別にすると、中小企業等の多くは、経営改善計画の必要性や重要性を認識していない傾向にある。
加えて、記帳についても同様である。
記帳については、税務申告の必要性から行っている場合が多く、極端な例を挙げれば、借入れのために申告しているような企業もある。
また、自計化できない企業も多く存在し、これができなければ、経営改善計画を策定しても、リアルタイムで進捗状況の管理ができない。
そもそも経営改善計画(事業計画)は、業績の如何によらず作成すべきものである。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第9回】「スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る」 ~業務の有効性・効率性スコア~
前回は、優秀な会社の傾向を読み取るにあたり、スコアリングモデルにおける「財務諸表の信頼性スコア」を取り上げた。
今回取り上げるのは、「業務の有効性・効率性スコア」である。なお、今回が本連載における総論部分の最終回となる。
業務の有効性・効率性スコアは、5つの視点のうち、「効率性」、「戦略性」から適切なKPIを抽出して算出されるもので、経理財務部門の業務が効率的に行われており、さらに企業価値の向上に貢献しているレベルを表すスコアである。
では、実際の会社を評価した業務の有効性・効率性スコアから、どのような傾向を読み取ることができるだろうか。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第8回】「スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る」 ~財務諸表の信頼性スコア~
前回は、優秀な会社の傾向を読み取るにあたり、スコアリングモデルにおける「総合スコア」を取り上げた。
今回取り上げるのは、「財務諸表の信頼性スコア」である。
財務諸表の信頼性スコアは、第3回で述べた5つの視点のうち、「正確性」、「安定性」、「リスク管理」から適切なKPIを抽出して算出され、経理財務部門が作成する財務諸表の信頼性のレベルを表すスコアである。
では、実際の会社を評価した財務諸表の信頼性スコアから、どのような傾向を読み取ることができるだろうか。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第13回】「精神病床を持つ意義」
地域医療計画における重点領域として、精神系疾患が加えられ、5疾病5事業に拡大される。図表1に示すように、精神系疾患の入院患者数は循環器系疾患やがんよりも多く、また近年の増加が社会問題にもなっていることが背景として考えられる。
〔税理士・会計士が知っておくべき〕情報システムと情報セキュリティ 【第5回】「IT監査の基礎的な理解」
「IT監査」という用語はしばしば利用されているものの、その意味するところについて明確に説明することは難しい。
IT監査は、何の目的で行われることが多いのだろうか。
ITは情報技術(Information Technology)であり、コンピュータを用いて情報処理を行う一連の仕組みを指す。組織における業務では、現業からバックオフィスに至るまで何らかの形でITを用いている場合が多く、今や組織活動においてITは不可欠な存在である。
そのようなITが突然使えなくなってしまったら?
あるいは、処理の方法が間違ってしまっていたら?
業務処理に与える影響は大きくなる一方である。
改正金融検査マニュアルのポイントと中小企業へ与える影響 【第4回】「債権者区分の判定要件における注意点」
前回、「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」(以下「マニュアル別冊」という)を分かりやすく解説した「知ってナットク! 中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識」(以下「検査の知識」という)及びこの「事例集」があること、そして、マニュアル別冊には金融機関から高く評価されるヒントがあり、これを知っていれば、中小企業等の資金調達に役に立つことを紹介した。
今回は、この「検査の知識」及び「事例集」を用いて、マニュアル別冊の運用上の注意点等について解説をする。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第7回】「スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る」 ~総合スコア~
今回から3回にわたり、実際のスコアリングデータを紹介しながら、スコアから読み取られた優秀な会社の傾向について紹介する。
今回取り上げるのは、「総合スコア」である。総合スコアは、第3回で述べた「正確性」、「効率性」、「安定性」、「リスク管理」、「戦略性」から見た経理財務のサービスレベルの総合力を表すスコアである。
起業家が求める税理士の役割、税理士が求める経営者の姿勢 【下】「日々の記帳・申告業務における経営者との関係」
前回述べたように、しっかり売上を上げている経営者の方々の中には、資料の整理が苦手な方が意外と多い。
何度お願いしても資料を出していただけない、あるいは半年過ぎてやっとまとめて資料を受け取る場合がある。しかし時間が経っているためか、大抵は歯抜け状態の場合が多い。
時には資料を出していただけないまま年度を超えてしまい、申告できない場合もある。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第12回】「慢性期DPCの予想される制度概要と影響」
2025年に向けての医療制度改革の一環として2012年度診療報酬改定で急性期医療における医療機関群(Ⅰ群・Ⅱ群・Ⅲ群)が設定されたことは注目されるところである。しかし、今後の高齢社会を考えると、むしろ急性期後の医療が重要になることは明らかであり、その対応策として慢性期医療に関しても新たな方向性が台頭してきている。