法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例74】「海外の保険業を営む子会社へ支払う地震保険再保険料の損金性」
そもそも保険というものは、将来起こり得る様々なリスクに備えるため、同じような不安を抱える方から一定の保険料を支払ってもらい、その貯まった金額から将来の支払いに充てるという機能を有するものです。当社も顧客の抱える多様なリスクに備えるため、様々な保険商品を開発し顧客の要望に応えようと努力しておりますが、近年、企業活動のグローバル化や気候変動等により、そのリスクが予想外に多額になることも珍しくなく、当社1社でその支払いに対応するというのは、極めて困難なケースもみられるところです。
そこで、当社1社では抱えきれないリスクに備えるため、従来からある再保険というスキームを活用して、そのような事態に備えようとしております。
さて、わが社の場合、ほぼ毎年税務調査を受けておりますが、今回は再保険について課税庁との間で激しい議論が交わされております。すなわち、国税局の主査は、わが社が引き受け、海外子会社に再保険に出した保険契約につき、再保険料のうち一部は海外子会社を利用した単なる「預け金」に過ぎず、租税回避目的のスキームであるため、損金性はないと主張しております。
学会(学術団体)の税務Q&A 【第16回】「オンラインセミナーを開催する場合の税務上の留意点」
オンラインでセミナーを開催する場合の税務上の留意点について教えてください。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第71回】「法人名義の車両に係る使用料と経済的利益の供与」
当社が所有する車両を当社役員がプライベートで使用しています。
このような場合において、役員から収受すべき使用料をどのように算定すればよいでしょうか。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例73】「建設工事受注に関するコンサルタント料の損金性と重加算税賦課の適否」
そのような中、先日来、国税局の調査を受けており、ある項目につき調査官との厳しいやり取りが続いております。それは、わが社が受注したマンション建設工事に関連し、それに多大な功績のあった個人のコンサルタントに報酬を支払ったところ、それが実体のない業務に対する支払いだとして、調査官は当該コンサルタント報酬のマンション工事原価への算入を否認するのみならず、重加算税の賦課対象になると主張しています。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第47回】「検収事業年度の前事業年度において設置された機械装置を使用して収益を上げたとしても、まだ取得していないことから減価償却費等の損金算入が認められなかった事例」
減価償却資産を取得した場合、減価償却は事業の用に供した日からとされている(法人税法施行令13)。ここで「事業の用に供した日」とは、一般的にはその減価償却資産の持つ属性に従って本来の目的のために使用を開始するに至った日をいうことから、例えば、機械等を購入した場合は、機械を工場内に搬入しただけでは事業の用に供したとはいえず、その機械を据え付け、試運転を完了し、製品等の生産を開始した日が「事業の用に供した日」とされている。
では「取得の日」はいつかということであるが、所得税基本通達33-9(資産の取得の日)において、次のように定められている。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第70回】「合同会社の社員に対する事前確定届出給与の支給」
合同会社である当社は、事前確定届出給与に関する届出書を提出します。これにより、役員に対して定期同額給与以外に報酬を支給した部分を損金算入する予定です。
何か留意点はありますか。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例72】「事前確定届出給与の届出額と支給額が異なるときの損金性」
そのような国際情勢の中、先週より税務調査を受けておりますが、役員給与について問題となっております。すなわち、わが社の場合、役員に対しても従業員と同様に賞与を支払うため、事前確定届出給与によりその支払った役員給与につき損金算入しています。
ところが、調査官は事前確定届出給与の届出額と実際の支給額が異なるため、支払った金額の全額が損金不算入と主張しております。
〔令和7年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第2回】「「戦略分野国内生産促進税制の創設」「交際費等の損金不算入制度の見直しと延長」「少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度の見直しと延長」「中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻し還付の不適用措置の延長」」
【第2回】は「戦略分野国内生産促進税制の創設」、「交際費等の損金不算入制度の見直しと延長」、「少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度の見直しと延長」及び「中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻し還付の不適用措置の延長」について解説する。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第69回】「取締役を解任した法人が同業類似法人にふさわしくないとされた事例」
役員に対して支給された役員退職給与の額が不相当に高額かどうかを判断する際、同業類似法人の選定が行われます。
この場合において、役員の退任する事由が「辞任」なのか「解任」なのかで、取扱いに差異があるのでしょうか。