公開日: 2023/06/22 (掲載号:No.524)
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〈判例評釈〉ムゲン・ADW事件が残したもの~最高裁の判示は、納税者の納得が得られるものか~ 【第5回】

筆者: 霞 晴久

〈判例評釈〉

ムゲン・ADW事件が残したもの

~最高裁の判示は、納税者の納得が得られるものか~

【第5回】
(最終回)

 

公認会計士・税理士 霞 晴久

 

連載の目次はこちら

 

Ⅴ 居住用賃貸建物の仕入税額控除に係る令和2年度税制改正

1 改正の概要(原則的取扱い)

令和2年度税制改正により、消費税法30条10項が改正され、居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額について、仕入税額控除が認められないこととされた。ここでいう、居住用賃貸建物とは、建物又はその付属設備であること、「高額特定資産」又は「調整対象自己建設高額資産」(※49)に該当すること、及び住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であることとされる。なお、居住用賃貸建物に該当するか否かは、課税仕入れを行った日の状況により判定する。

(※49) 「高額特定資産」又は「調整対象自己建設高額資産」とは、棚卸資産又は調整対象固定資産のうち、その税抜きの取得価額や建設費用が1,000万円以上となるものをいう(消法12の4①)。

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〈判例評釈〉

ムゲン・ADW事件が残したもの

~最高裁の判示は、納税者の納得が得られるものか~

【第5回】
(最終回)

 

公認会計士・税理士 霞 晴久

 

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Ⅴ 居住用賃貸建物の仕入税額控除に係る令和2年度税制改正

1 改正の概要(原則的取扱い)

令和2年度税制改正により、消費税法30条10項が改正され、居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額について、仕入税額控除が認められないこととされた。ここでいう、居住用賃貸建物とは、建物又はその付属設備であること、「高額特定資産」又は「調整対象自己建設高額資産」(※49)に該当すること、及び住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であることとされる。なお、居住用賃貸建物に該当するか否かは、課税仕入れを行った日の状況により判定する。

(※49) 「高額特定資産」又は「調整対象自己建設高額資産」とは、棚卸資産又は調整対象固定資産のうち、その税抜きの取得価額や建設費用が1,000万円以上となるものをいう(消法12の4①)。

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連載目次

〈判例評釈〉ムゲン・ADW事件が残したもの
~最高裁の判示は、納税者の納得が得られるものか~

【第1回】

Ⅰ はじめに

Ⅱ 争点①課税対応課税仕入れ該当性(本件更正処分の適法性)

1 ADW事件控訴審の判示

(1) 用途区分の判断基準について

(2) 検討

2 ADW事件最高裁の判示とその影響

【第2回】

3 ADW事件第一審の判示

(1) 用途区分の判断基準について

(2) 事実認定及び当てはめ

(3) ADW事件第一審判決の意義

【第3回】

Ⅲ 争点②通則法65条4項にいう正当な理由は認められるか

1 ムゲン事件第一審判決

(1) 原告の主張

(2) 裁判所の判断

2 ムゲン事件控訴審判決

(1) 認定事実と結論

(2) 検討

3 ADW事件控訴審

(1) 裁判所の判断

(2) 検討

4 ムゲン事件最高裁判決

(1) 裁判所の判示

(2) 検討

5 税務調査における更正処分の実態-「手のひら返し」はあったか

(1) 問題の所在

(2) 検討結果

【第4回】

Ⅳ 「準ずる割合」についての裁判所の判断及びその検討

1 ムゲン事件第一審判決

(1) 準ずる割合の税務当局による却下と東京地裁の判断

(2) 検討

2 ムゲン事件控訴審判決

3 ADW事件控訴審判決

(1) 東京高裁の判示

(2) 検討

【第5回】

Ⅴ 居住用賃貸建物の仕入税額控除に係る令和2年度税制改正

1 改正の概要(原則的取扱い)

2 居住用賃貸建物に係る仕入税額控除の調整

(1) 課税賃貸用に供した場合

(2) 課税譲渡用に供した場合

3 居住用賃貸建物に係る令和2年度税制改正とムゲン・ADW事件

Ⅵ 結語

筆者紹介

霞 晴久

(かすみ・はるひさ)

公認会計士・税理士
霞晴久公認会計士事務所 所長

監査法人トーマツ、新日本監査法人、国税不服審判所等を経て現在霞晴久公認会計士事務所所長。千葉商科大学大学院会計ファイナンス研究科客員教授。監査法人勤務時代は会計監査、国際税務、海外赴任(フランス及びベルギーに通算14年滞在)及び不正調査に従事。国税不服審判所入所前は、日系企業が買収したベルギー法人のCFOを勤める。
主な著書・論文として「ユーロの会計税務と法律」(共著、清文社1999年)、「EU加盟国の税法」(共著、中央経済社2002年)、「新版架空循環取引」(共著、清文社2019年)、及び「破産手続きにおける債務の確定と前期損益修正をめぐる問題」(月刊『税理』2020年10月号)等がある。
 

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