法人税の解釈をめぐる論点整理
《減価償却》編
【第3回】
弁護士 木村 浩之
(前回はこちら)
4 少額の減価償却資産等の判定
(1) 問題の所在
取得価額が10万円未満又は使用可能期間が1年未満であれば、少額の減価償却資産として、その取得価額の損金算入が認められる(法令133)。また、取得価額が20万円未満であれば、一括償却資産として、事業年度ごとに対象資産を一括して3年間で均等償却することが認められる(法令133の2)。さらに、中小法人の場合は、取得価額が30万円未満であれば、少額減価償却資産として、合計300万円までの範囲で取得価額の損金算入が認められる(措法67の5)。
この取得価額の計算方法は前回みたとおりであるが、実際に固定資産を取得するに当たっては、一定の数量をまとめて取得する場合、複数の異なる種類の資産をセットで取得する場合などがあり、これらの取得価額をどの範囲で合計すべきであるかという固定資産の判定単位の問題がある。
また、上記のとおり、使用期間が1年未満の減価償却資産については、その取得価額にかかわらず、少額の減価償却資産として取得価額の損金算入が認められていることから、この使用可能期間をどのように考えるかという問題もある。
以下、これらの問題を順に検討することとしたい。
(2) 固定資産の判定単位
固定資産の取得価額を計算するに当たっての固定資産の判定単位については、一般に、通常の取引において1単位として取引される単位によるものと解されている。
この1単位の考え方については、もともと固定資産が事業収益の獲得に寄与するための機能を有するものであることから、単なる物理的な一体性等の観点のみならず、機能的な観点から1つの単位であるかどうかを判断すべきものと解されている。
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