法人税の解釈をめぐる論点整理
《減価償却》編
【第4回】
弁護士 木村 浩之
(前回はこちら)
5 資本的支出と修繕費の区分
(1) 問題の所在
法人が固定資産の修理・改良等のために支出する費用には、例えば、
(a) 維持管理費の性質を有するもの
(b) 取替補修費の性質を有するもの
(c) 改造増設費の性質を有するもの
これらの費用が固定資産に対する資本的支出に当たる場合には、その費用は減価償却資産として償却が必要であり、一時の損金の額に算入することができない。
これに対して、これらの費用が修繕費に当たる場合には、その費用は通常の一般管理費に含まれるものとして支出時の損金とすることができる。
したがって、固定資産の修理・改良等のために支出する費用が資本的支出に当たるか、それとも修繕費に当たるかによって所得の計算が異なることになるので、税務調査等においても、その区分が特に問題とされることが多いといえる。
(2) 資本的支出と修繕費の意義
ア 資本的支出
資本的支出とは、「修理、改良その他いずれの名義をもってするかを問わず、その有する固定資産について支出する金額で次に掲げる金額に該当するもの」をいうとされている(法令132)。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員登録およびログインが必要です。
すでに会員登録をされている方は、下記ボタンからログインのうえ、ご覧ください。
Profession Journalのすべての記事をご覧いただくには、「プレミアム会員(有料)」へのご登録が必要となります。
なお、『速報解説』については「一般会員(無料)」へのご登録でも、ご覧いただけます。
※他にもWebセミナー受け放題のスーパープレミアム会員などがございます。
会員登録がお済みでない方は、下記会員登録のボタンより、ご登録のお手続きをお願いいたします。