中小企業のM&Aでも使える
税務デューデリジェンス
【第6回】
「親族への事業承継における
税務の取扱い」
公認会計士・税理士 並木 安生
1 はじめに
第6回では、親族への事業承継の際に活用される各手法の内容及びその税務上の取扱いやポイント、税務デューデリジェンスの必要性等について解説する。
2 親族への事業承継の手法
事業承継を含むグループ内再編では、対象会社の株式異動を伴うケースがほとんどである。
一般に税務上は、株主構成に変化がある場合はグループ内再編における適格要件等を満たさなくなることがあり、その場合は含み益を益金算入させざるを得ない状況となる。
一方で、今回のテーマである親族間の事業承継を前提とした株式異動であれば、実質的には株主構成に変化がなかったと捉えることが多く、その場合は適格要件を満たすことで含み益が益金算入されないことになる。以下にその具体例を記載する。
① 株式譲渡を行うケース
オーナー経営者(個人)が、後継者となる子などの親族(個人)に対して自社(A社)株式を譲渡し、A社株式売却の代金として現金を受け取るものとする(図①)。
この株式譲渡は原則として組織再編税制の対象ではないため、適格要件を判定する必要はない。そのため、A社が保有する資産に含み損益があった場合でも損金(又は益金)に算入されることはない。
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