公開日: 2017/11/13
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《速報解説》 セルフメディケーション税制、平成29年分の確定申告期を前にポイントを確認~明細書の添付義務化、領収書の保存にも留意~

筆者: Profession Journal 編集部

《速報解説》

セルフメディケーション税制、

平成29年分の確定申告期を前にポイントを確認

~明細書の添付義務化、領収書の保存にも留意~

 

Profession Journal編集部

 

平成28年度税制改正により創設され、平成29年1月1日から施行された「セルフメディケーション税制」。適用初年となる本特例制度の最新情報について、平成29年分の確定申告の時期を迎える前に、改めて確認しておきたい。

 

◆対象となるスイッチOTC医薬品は厚労省HPで確認可

セルフメディケーション税制は平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に購入した「スイッチOTC医薬品」を対象として、その年中に支払った対価の額が1万2,000円を超えた部分(8万8,000円を上限)について、その年分の総所得金額から控除するという医療費控除の特例制度だ。

【セルフメディケーション税制概要について】

(※) 厚生労働省ホームページより

この「スイッチOTC医薬品」とは「要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品」とされているが、どの製品がそれに該当するのか素人目には判別が難しい。

そこで、下記の厚生労働省ホームページでは、本特例制度の概要等とともにスイッチOTC医薬品に該当する製品を「対象品目一覧」として掲載しているので、すでに本年1月以降に購入した医薬品が該当するか否かは、こちらで確認することができる。

【参考】 厚生労働省ホームページ
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について
なお、スイッチOTC医薬品に該当する製品の多くには次の共通識別マークが入っているので、パッケージ等にこのマークが記載されている場合は本制度の対象になる(購入時期に注意)。

〈セルフメディケーション税制の対象製品パッケージに表示される共通識別マーク〉

(※) 日本OTC医薬品協会ホームページより

 

◆医療費控除との重複適用は不可

セルフメディケーション税制は従来の医療費控除制度と併用することができないため、より控除額が大きい方を選択する際には両者の控除額を計算し、比較・検討する必要がある。

下記の日本一般医薬品連合会の特設ページでは必要情報を打ち込むことで具体的な控除額の算定ができ、両制度の比較も簡単に行うことができる。

【参考】 日本一般医薬品連合会ホームページ
知ってトクする!セルフメディケーション税制

◆平成29年度税制改正による添付書類の変更に注意

平成29年度税制改正により、医療費控除を適用する場合には確定申告書の提出の際に、医療費の領収書の添付又は提示に代えて「医療費控除の明細書」の添付が義務化された。

同様に、セルフメディケーション税制を適用する場合には確定申告書の提出の際に、スイッチOTC医薬品の領収書の添付又は提示に代えて「セルフメディケーション税制の明細書」の添付が義務化されているので注意が必要だ。

なお、各明細書の様式と記載要領については下記の国税庁ホームページで確認できる。

このように、医療費及びスイッチOTC医薬品の領収書の添付又は提示は、確定申告書の提出の際には必要ない。ただし、税務署長は確定申告期限から5年間は、その適用に係る領収書の提示又は提出を納税者に求めることができるため、その期間中においては領収書の保存が必要となるので、紛失等には気をつけたい。

 

◆厚労省のQ&Aは最新のものを

厚労省は昨年からセルフメディケーション税制に関するよくある質問と回答をまとめたQ&A特設ページ上で公表している。本年9月1日にも更新が行われ、適用要件となる「一定の取組」に関する質問が10問追加されている。

クライアントに周知する際には最新のQ&Aを確認するようにしたい。

(了)

《速報解説》

セルフメディケーション税制、

平成29年分の確定申告期を前にポイントを確認

~明細書の添付義務化、領収書の保存にも留意~

 

Profession Journal編集部

 

平成28年度税制改正により創設され、平成29年1月1日から施行された「セルフメディケーション税制」。適用初年となる本特例制度の最新情報について、平成29年分の確定申告の時期を迎える前に、改めて確認しておきたい。

 

◆対象となるスイッチOTC医薬品は厚労省HPで確認可

セルフメディケーション税制は平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に購入した「スイッチOTC医薬品」を対象として、その年中に支払った対価の額が1万2,000円を超えた部分(8万8,000円を上限)について、その年分の総所得金額から控除するという医療費控除の特例制度だ。

【セルフメディケーション税制概要について】

(※) 厚生労働省ホームページより

この「スイッチOTC医薬品」とは「要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品」とされているが、どの製品がそれに該当するのか素人目には判別が難しい。

そこで、下記の厚生労働省ホームページでは、本特例制度の概要等とともにスイッチOTC医薬品に該当する製品を「対象品目一覧」として掲載しているので、すでに本年1月以降に購入した医薬品が該当するか否かは、こちらで確認することができる。

【参考】 厚生労働省ホームページ
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について

なお、スイッチOTC医薬品に該当する製品の多くには次の共通識別マークが入っているので、パッケージ等にこのマークが記載されている場合は本制度の対象になる(購入時期に注意)。

〈セルフメディケーション税制の対象製品パッケージに表示される共通識別マーク〉

(※) 日本OTC医薬品協会ホームページより

 

◆医療費控除との重複適用は不可

セルフメディケーション税制は従来の医療費控除制度と併用することができないため、より控除額が大きい方を選択する際には両者の控除額を計算し、比較・検討する必要がある。

下記の日本一般医薬品連合会の特設ページでは必要情報を打ち込むことで具体的な控除額の算定ができ、両制度の比較も簡単に行うことができる。

【参考】 日本一般医薬品連合会ホームページ
知ってトクする!セルフメディケーション税制

◆平成29年度税制改正による添付書類の変更に注意

平成29年度税制改正により、医療費控除を適用する場合には確定申告書の提出の際に、医療費の領収書の添付又は提示に代えて「医療費控除の明細書」の添付が義務化された。

同様に、セルフメディケーション税制を適用する場合には確定申告書の提出の際に、スイッチOTC医薬品の領収書の添付又は提示に代えて「セルフメディケーション税制の明細書」の添付が義務化されているので注意が必要だ。

なお、各明細書の様式と記載要領については下記の国税庁ホームページで確認できる。

このように、医療費及びスイッチOTC医薬品の領収書の添付又は提示は、確定申告書の提出の際には必要ない。ただし、税務署長は確定申告期限から5年間は、その適用に係る領収書の提示又は提出を納税者に求めることができるため、その期間中においては領収書の保存が必要となるので、紛失等には気をつけたい。

 

◆厚労省のQ&Aは最新のものを

厚労省は昨年からセルフメディケーション税制に関するよくある質問と回答をまとめたQ&A特設ページ上で公表している。本年9月1日にも更新が行われ、適用要件となる「一定の取組」に関する質問が10問追加されている。

クライアントに周知する際には最新のQ&Aを確認するようにしたい。

(了)

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