『日米租税条約 改定議定書』
改正のポイントと実務への影響
【第3回】
「徴収共助の拡大」
税理士法人トーマツ
パートナー
税理士 小林 正彦
1 はじめに
“徴収共助”とは、異なる国家間における租税債権の徴収に関する相互協力の枠組みをいう。
例えば、外国企業が我が国から撤退する際に税金の滞納をしたままであった場合、我が国の滞納税金の徴収を当該外国企業の所在地を管轄する外国政府に要請し、外国政府が税金を徴収して送金してくれるといったことを可能にする。
相互協力が基本なので、逆に我が国が外国から要請された場合は、国税庁が外国の税金を徴収し、外国政府に送金しなければならない。
現在の日米租税条約にも徴収共助の規定はあるが、対象が租税条約の規定の濫用により発生する租税債権の徴収の場合に限定されているため、実際に行われたという例を聞かない。
改正後は、対象が滞納租税債権一般に拡大されることになるため、実例も出てくるだろう。
例えば、米国法人で日本に支店等を有しない企業に対し国税当局がPEありと認定して法人税を課しても、自主的に納付されない限り、日本国内に資産がないので差押えなどの滞納処分手続を行うことができず、課税しても実際の税収に結び付かないという問題があった。
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