〔平成30年4月1日から適用〕
改正外国子会社合算税制の要点解説
【第9回】
「部分合算課税③」
-各特定所得の計算(損益通算グループ所得)-
税理士 長谷川 太郎
1 押さえておきたいポイント(再掲)
- 今回の改正により、部分合算課税の対象となる所得(特定所得)の範囲が拡大(11種類)されている。
- 各特定所得における対象範囲を理解する。
- 国税庁から公表されている「平成29年度改正 外国子会社合算税制に関するQ&A(情報)」において、関連するQ&Aが公表されている。
2 損益通算グル-プ所得の内容及び留意点
(注) 非損益通算グル-プ所得(①~⑥)の内容及び留意点については前回(第8回)を参照されたい。
⑦ 有価証券の譲渡損益(措法66の6⑥四、措令39の17の3⑨~⑫)
有価証券の譲渡損益に係る特定所得は、以下の計算により算出される。
(イ) 有価証券の譲渡に係る対価の額の合計額(一定のものを除く(※1))
(ロ) 当該有価証券の譲渡原価の合計額(※2)
(ハ) 当該対価の額を得るため直接要した費用の額の合計額
(ニ) 有価証券の譲渡に係る特定所得の金額=(イ)-(ロ)-(ハ)
(※1) 持株割合25%以上の株式の譲渡を除く。
(※2) 譲渡原価の計算は、有価証券の種類ごとに移動平均法または総平均法による計算を行い、選定した方法は原則として継続適用だが、変更をする場合にはあらかじめ納税地の所轄税務署長の承認を受けなければならない。
▷改正内容
改正前は、「上場かつ持株割合10%未満の株式等の譲渡益」及び「債券の譲渡益」が対象とされていたが、改正により非上場株式も対象となり、かつ持株割合25%未満が対象となるため、対象範囲が拡大されている。
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