パワーハラスメントの実態と対策
【第3回】
「判例と法的解釈」
特定社会保険労務士 大東 恵子
職場のパワーハラスメント(パワハラ)は、裁判ではどのように判断されるのか。
いくつか判例をご紹介したい。
① 日研化学事件(2007年)
2007年に判決が出た「日研化学事件」では、上司の叱責・暴言が原因で被害者が自殺した。
被害者は上司から「存在が目障りだ。いるだけでみんなが迷惑している」「おまえは会社を食い物にしている給料泥棒」などの暴言を繰り返し受けていた。
裁判では、これらの行為は、「過度に厳しく、キャリアを否定し人格・存在自体を否定するものだ」と判断され、労災認定までも行われた。
この裁判では、このような言動は、部下の指導の範疇を超え、まさにパワハラ行為そのものと判断された。
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