会社が取り組む
社員の健康管理
【第1回】
「健康管理を規定する法令」
社会保険労務士 佐藤 信
1 はじめに
働き方の多様化が進む中で、長時間労働に伴う脳・心臓疾患や精神障害の増加など労働者の生命や生活に関わる問題が注目され、労働環境の改善が、健康で安全な社会を作るための企業貢献として高く評価されるようになってきた。
職業性疾病や災害性疾病の予防対策はもとより、働く人の生活習慣病の予防を中心にした健康作り対策、メンタルヘルス対策を積極的に推進していくことがより大切になっている。
そこで、当連載では会社が取り組む社員の健康診断の実施方法や注意点、健康の保持増進措置、安全衛生管理体制の整備等について取り上げていくこととしたい。
2 労働者の健康管理に関する法令の定め
労働安全衛生法やその他の法令において、労働者の健康管理に関するルールが定められ、また、労働契約法では「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」とし、労働者に対する安全配慮義務(健康配慮義務)を明文化している。
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