会社が取り組む
社員の健康管理
【第8回】
「衛生管理体制・業務上傷病への補償」
社会保険労務士 佐藤 信
1 はじめに
業務に起因する疾病については、労災補償や損害賠償の訴訟による法的制裁だけでなく、会社の信用失墜による経営への悪影響など多大な社会的責任を負うことがあるため、会社の規模にかかわらず、安全・衛生面での対策は十分に行っておく必要がある。
「会社が取り組む社員の健康管理」の最終回となる今回は、法に基づく衛生管理体制の整備、業務上傷病への補償について触れていくこととする。
2 安全配慮義務(健康配慮義務)
職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境を形成することを目的とする法令として、労働安全衛生法が定められている。
会社は、労働災害を防止するために、同法で定められた最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境を作り、労働条件を改善することで、労働者の安全と健康を守らなければならない。
また、平成20年3月に施行された労働契約法5条では「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と、労働者に対する安全配慮義務(健康配慮義務)が明文化された。
危険作業や有害物質への対策はもちろんであるが、メンタルヘルス対策も使用者の安全配慮義務に含まれると解釈されている。
労働契約法に罰則はないが、安全配慮義務を怠った場合、民法709条(不法行為責任)、715条(使用者責任)、415条(債務不履行)等を根拠に多額の損害賠償を命じる判例が多数存在することは、労働者を使用する上で留意しておきたい。
3 衛生管理体制
労働安全衛生法では、労働者の健康を確保し快適な職場作りを進めるために、事業場の規模(注)に応じて衛生管理者、産業医等を選任し、これらの者に労働衛生対策を進めるために必要十分な権限を与え、管理体制を整備しなければならない。
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