養子縁組を使った相続対策と
法規制・手続のポイント
【第2回】
「養子縁組の効果」
弁護士・税理士 米倉 裕樹
[1] はじめに
今回は、普通養子縁組、特別養子縁組を行うことで、いかなる効果が生じるかについて解説する。
両者の効果の違いは、普通養子縁組では、養子と実親との親族関係は消滅せず、縁組後も相互に相続・扶養の権利義務は存続するのに対し、特別養子縁組では、養子と実方(養子からみて、自分の自然血族関係にある親族)の父母及びその血族との親族関係は終了することにある。
[2] 普通養子縁組の効果
1 嫡出子の身分の取得・法定血族関係の発生(民809・727)
養子は縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得し(民809)、養子と養親及びその血族との間においては、血族間と同一の親族関係が生じる(民727)。
ただし、縁組当時に存在した養子の子(いわゆる連れ子)と養親及びその血族との間においては、血族間と同一の親族関係は生じない。
なお、普通養子縁組では、養子と実親との親族関係は消滅せず、縁組後も相互に相続・扶養の権利義務は存続する。
2 養子の親権者(民818)
養子が未成年者であれば、その親権者は養親である。養親が親権者となることによって実親の親権が消滅するかどうかに関し明文は存在しないが、実親の親権は消滅するというのが多数説である。
なお、配偶者のある者が未成年者を養子とする場合には配偶者とともにしなければならないことから(民795本文)、この場合には共同親権となる。
3 養子の氏(民810)
養子は養親の氏を称することとなる。
ただし、婚姻によって氏を改めた者については、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、養親の氏を称しない(民810ただし書)。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。